lxc-start(1) コンテナ内でのアプリケーションの実行

SYNOPSIS

lxc-start {-n name} [-f config_file] [-c console_device] [-L console_logfile] [-d] [-F] [-p pid_file] [-s KEY=VAL] [-C] [--share-[net|ipc|uts] name|pid] [command]

説明

lxc-startcommand で指定されたコマンドを、name で指定されたコンテナ内で実行します。

このコマンドは、lxc-create コマンドもしくは設定ファイルのパラメータであらかじめ定義された設定に従ってコンテナをセットアップします。 もし設定が定義されていない場合は、デフォルトの隔離状態を使用します。

もし command が指定されない場合は、lxc-start はシステムコンテナを実行するためのコマンドとして、lxc.init_cmd で設定されたコマンドを使用します。 もし lxc.init_cmd が設定されていない場合は、デフォルトで "/sbin/init" を使用します。

オプション

-d, --daemon
コンテナをデーモンとして実行します。 コンテナはそれ以上の tty を持ちませんので、もしエラーが起きても何も表示されません。 エラーのチェックにはログファイルを使用することができます。(これがデフォルトのモードです)
-F, --foreground
コンテナをフォアグラウンドで実行します。このモードでは、コンテナコンソールは現在使用中の tty に割り当てられ、シグナルはコンテナに直接送られます。
-p, --pidfile pid_file
プロセス ID を含むファイルを作製します。
-f, --rcfile config_file
コンテナの仮想化、隔離機能の設定のための設定ファイルを指定します。

(lxc-create 経由で) 前もってコンテナが作られた際の設定ファイルが既にあった場合でも、このオプションが指定された場合は、指定した設定ファイルが使用されます。

-c, --console console_device
コンテナのコンソールに使用するデバイスを指定します。例えば /dev/tty8 のように指定します。 このオプションが指定されない時は、-d が指定されない限りは、現在のターミナルを使用します。
-L, --console-log console_logfile
コンテナのコンソール出力のログを出力するファイルを指定します。
-s, --define KEY=VAL
設定変数 KEY に対する設定値として VAL を設定します。 この設定は、config_file で既に設定されている値も上書きします。
-C, --close-all-fds
継承しているファイルディスクリプタが存在する場合、それをクローズします。 このオプションが指定されない場合、lxc-start の実行は失敗して終了します。 注意: --daemon オプションは、--close-all-fds オプションを指定しなくても指定している場合と同様の動きをします。
--share-net name|pid
名前が name である、もしくは PID が pid であるコンテナとネットワーク名前空間を共有します。 ネットワーク名前空間は引き続き元の所有者が管理します。 開始するコンテナのネットワーク設定は無視され、up/down のスクリプトは実行されません。
--share-ipc name|pid
名前が name である、もしくは PID が pid であるコンテナと IPC 名前空間を共有します。
--share-uts name|pid
名前が name である、もしくは PID が pid であるコンテナと UTS 名前空間を共有します。 LXC は開始するときににはホスト名を設定しませんが、コンテナ内の OS が何らかの方法でホスト名を設定するかもしれません。

共通オプション

ここで紹介するオプションは lxc コマンドの大部分で共通のものです。
-?, -h, --help
通常より長い使い方のメッセージを表示します。
--usage
使い方を表示します。
-q, --quiet
出力を抑制します。
-P, --lxcpath=PATH
デフォルトと別のコンテナパスを使用します。デフォルトは /var/lib/lxc です。
-o, --logfile=FILE
追加のログを FILE に出力します。デフォルトは出力しません。
-l, --logpriority=LEVEL
ログの優先度を LEVEL に設定します。デフォルトの優先度は ERROR です。以下の値を設定可能です: FATAL, CRIT, WARN, ERROR, NOTICE, INFO, DEBUG。

このオプションは追加のログファイルへのイベントログの優先度の設定である事に注意してください。stderr への ERROR イベントのログには影響しません。

-n, --name=NAME
NAME という名前でコンテナを識別します。コンテナ識別子のフォーマットは英数字の文字列です。
--version
バージョン番号を表示します。

診断

The container is busy
指定したコンテナは既に実行済みです。 このコンテナを使用する前に既に起動しているコンテナを停止するか、新しいものを作成する必要があります。

作者

Daniel Lezcano <[email protected]>