xcutsel(1) カットバッファとセレクション間のデータ交換

書式

xcutsel [ -toolkitoption ...] [-selection selection] [-cutbuffer number]

説明

xcutsel プログラムを使うと、現在のセレクションをカットバッファに コピーすることや、カットバッファの現在の内容を持つセレクションを作るこ とができる。このプログラムは、セレクションをサポートしていないアプリケー ションとサポートしているアプリケーションの橋渡しをする。

デフォルトでは、xcutsel は PRIMARY という名前のセレクションと CUT_BUFFER0 という名前のカットバッファを使用する。どちらの名前も、コマ ンドラインオプションかリソースを使って上書きすることができる。

xcutsel のウィンドウには以下のボタンが付いている:

quit
このボタンを押すと、xcutsel は終了する。xcutsel が保持して いる全てのセレクションは自動的に解放される。
copy PRIMARY to 0
このボタンを押すと、xcutsel は現在のセレクションをカットバッファ にコピーする。
copy 0 to PRIMARY
このボタンを押すと、xcutsel はカットバッファの現在の内容をセレク ションに変換する。

コマンド行オプションやリソースで選んだセレクションやカットバッファ の名前は、ボタンのラベル名に反映される。

``copy 0 to PRIMARY'' をアクティブにすると、このボタンは xcutsel がセレクションの所有者である間はずっと反転した状態になる。これにより、 ユーザは現在のセレクションを所有しているクライアントを知ることができる。 セレクションの値は変化しない点に注意すること。つまり、カットバッファが 変更された後にその値が必要となった場合には、ユーザはコピーボタンを再び アクティブにして、新しい値を取得しなければならない。

オプション

xcutsel には、標準の X ツールキットコマンド行オプションに加えて、以下のオ プションを指定することができる:
-selection name
このオプションは使用するセレクション名を指定する。デフォルト値は PRIMARY である。標準ツールキットオプションには ``-selectionTimeout'' という同じような名前のものがあるので、このオプションは ``-select'', ``-sel'', ``-s'' としか省略できない。
-cutbuffer number
このオプションは使用するカットバッファを指定する。デフォルト値はカットバッ ファ0である。

X のデフォルト値

このプログラムは、標準の X ツールキットのリソース名とクラスに加えて、 以下のものを指定することができる:
selection (class Selection)
このリソースは使用するセレクション名を指定する。デフォルト値は PRIMARY である。
cutBuffer (class CutBuffer)
このリソースは使用するカットバッファの番号を指定する。デフォルト値は0 である。

ウィジェット名

ラベルのユーザ設定を行う場合には、以下のインスタンス名を使うことができ る。
sel-cut (class Command)
これは ``copy SELECTION to BUFFER'' ボタンである。
cut-sel (class Command)
これは ``copy BUFFER to SELECTION'' ボタンである。
quit (class Command)
これは ``quit'' ボタンである。

バグ

プログラムの実行中にセレクション名やカットバッファ番号を変更する方法が ない。

著者

Ralph R. Swick, DEC/MIT Project Athena