書式
xterm [-toolkitoption ...] [-option ...]説明
xterm プログラムは X ウィンドウシステムの端末エミュレータである。 ウィンドウシステムを直接扱えないプログラムのために、DEC の VT102/VT220 (VTxxx) および Tektronix 4014 に互換な端末を提供する。 端末画面のリサイズに対応する機能(例えば、4.3BSD 由来のシステムにある SIGWINCH シグナル) が実行環境のオペレーティングシステムに備わっている 場合、xterm は、リサイズが行われた時は必ずこの機能を使い、実行中 のプログラムに通知する。VTxxx と Tektronix 4014 端末はそれぞれ個別のウィンドウで表示を行うので、 テキストを前者で表示し、同時に後者でグラフィックスを見ることができる。 正しいアスペクト比 (横幅/高さ) を保つために、Tektronix のグラフィック スが表示されるのは 4014 のアスペクト比と等しく、ウィンドウ内に収まる最 大の長方形に限られる。この長方形はウィンドウの左上部分に配置される。
両方のウィンドウが同時に表示されるものの、キーボード入力と端末出力を受 け取る「アクティブ」なウィンドウと見なされるのはどちらか片方のみである。 アクティブと見なされるのはテキストカーソルを含むウィンドウである。 アクティブウィンドウはエスケープシーケンスや、VTxxx ウィンドウの ``VT Options'' メニューと 4014 ウィンドウの ``Tek Options'' メニューで 選択できる。
エミュレーション
VT102 エミュレーションはだいたい完全であるが、オートリピートには 対応していない。 フォントサーバがスケーラブルフォントに対応していれば、倍角文字は正しく 表示される。 文字の点滅は一部だけ実装されている。 このように、エミュレーションは機能するが、見た目は本物の VT102 と異なる。 VT220 エミュレーションはソフトフォントに対応していないが、 その他の部分は完全である。 xterm で使用できる termcap(5) エントリには ``xterm'', ``vt102'', ``vt100'', ``ansi'' があり、 xterm は自動的に termcap ファイルをこの順序で検索して ``TERM'' と ``TERMCAP'' 環境変数を設定する。 ``vt220'' エントリを使用することもできるが、そのためには decTerminalID リソースで端末エミュレーションレベルを設定 しなければならない。xterm の特殊な機能の多くは、 VT102 の標準的エスケープシーケンスに含まれないエスケープシーケンスを用 いて、プログラムの制御のもとに変更することができる (ドキュメント Xterm Control Sequences を参照すること)。
Tektronix 4014 エミュレーションも、とても良くできている。 このエミュレーションでは、ウィンドウサイズでスケーリングされた、12 ビッ トのグラフィックスアドレス指定がサポートされている。 4 種類のフォントサイズと 5 種類の線のタイプがサポートされている。 透明描画モードやピンぼけモードはサポートされていない。 Tektronix のテキストとグラフィックスコマンドは xterm 内部に保存されており、COPY エスケープシーケンスを送ることによってファ イルに書き出すことができる。( Tektronix メニューでも書き出すことができる。これについては後で説明する。) 書き出されるファイルの名前は、 ``COPYyyyy-MM-dd.hh:mm:ss'' となる。 ここで、 yyyy, MM, dd, hh, mm , ss はそれぞれ COPY 操作を行った年・月・日・時・分・秒である (ファイルは xterm を起動したディレクトリか、ログイン xterm の場合は、ホームディレクトリに作成される)。
このバージョンの xterm で、このオンラインマニュアルで説明されている機 能が必ずしも全て使えるわけではない。一部の機能(例: 非 VT-220 拡張)は コンパイル時に組み込まれている場合しか利用できない。ただし、よく使われ る機能のほとんどはデフォルトの設定で組み込まれている。
その他の機能
xterm は、マウスポインタがウィンドウに入った (選択された) 時はテキストカーソ ルを自動的にハイライト表示し、ポインタがウィンドウの外に出た(選択が外 れた) 時は自動的にハイライト表示を取りやめる。 ウィンドウがフォーカスウィンドウであれば、テキストカーソルは ポインタの位置とは無関係にハイライト表示される。VT102 モードには、ウィンドウの表示領域と同じサイズの代替スクリーンバッ ファのアクティブ化や非アクティブ化を行うエスケープシーケンスが存在する。 アクティブ化された時は、カレントスクリーンが保存され、代替スクリーンに 置き換えられる。 通常のスクリーンに戻すまでは、ウィンドウ上部にスクロールして消えてしまっ た行を保存することはできない。 xterm 用の termcap(5) エントリを使えば、ビジュアル的なエディタである vi(1) での編集時には代替スクリーンに切り替わり、編集の終了時には元のスクリー ンに戻るようにすることができる。 ポップアップメニューの項目は、カットアンドペーストのために 通常のスクリーンと代替スクリーンを切り替える操作を簡単にする。
VT102 と Tektronix どちらのモードにも、ウィンドウ名を変更するエスケープ シーケンスが存在する。 それに加えて、VT102 モードでは、 xterm はウィンドウのリサイズ、スクリーン内の位置の設定などの dtterm 由来のウィンドウ制御用の制御シーケンスを実装している。
xterm には、キャラクタベースのアプリケーションにマウスイベント (現在はボタンを押した時と離した時のイベントのみ) を受け取らせる 機能がある。 詳しくはドキュメント Xterm Control Sequences を参照すること。
オプション
xterm 端末エミュレータは X ツールキットの標準的なコマンド行 オプションすべてに加え、以下のオプションを受け付ける (もしオプションが `-' ではなく `+' で始まる場合、オプションはデフォルトの値に戻される)。 -version と -help の両オプションは、 xterm がディスプレイを オープンできない場合でも解釈されるので、スクリプトのテストや設定の際に 便利である:- -version
- xterm に、標準出力へバージョン番号を出力させる。
- -help
- xterm に、オプションを記述する冗長なメッセージを出力させる。 このメッセージは標準エラー出力に書き出される。
その他のオプションはプログラムの見た目と振舞いの制御に用いられる。 必ずしも全てのオプションがお使いの xterm に組み込まれているとは 限らない。
- -132
- 通常は、 80 桁モードと 132 桁モードの間を行き来する VT102 DECCOLM エスケープシーケンスは無視される。 このオプションを用いると xterm は DEFCOLM エスケープシーケンスを認識するようになり、 ウィンドウのリサイズを適切に処理する。
- -ah
- このオプションを指定すると、 xterm はテキストカーソルを常にハイライト表示する。 デフォルトでは、 xterm は、フォーカスが失われたりポインタがウィンドウから外れたときは常に、 テキストカーソルは外枠だけの表示となる。
- +ah
- このオプションを指定すると、 xterm がフォーカスに基づいてテキストカーソルのハイライト表示を行う。
- -ai
- アクティブアイコン機能がコンパイル時に指定されている場合、 このオプションは xterm にそのサポートを停止させる。 これは、 vt100 リソースの activeIcon を FALSE に 設定することと同じである。
- +ai
- このオプションは、アクティブアイコン機能がコンパイル時に追加されている場合、 その機能を利用可能にする。 これは、 vt100 リソースの activeIcon を TRUE に 設定することと同じである。
- -aw
- このオプションを指定すると、行の自動折り返しを有効となる。 これにより、カーソルが行の右端の位置にあるときにテキストが出力されると、 カーソルが次の行の始めに自動的に戻るようになる。
- +aw
- このオプションを指定すると、行の自動折り曲げが許されなくなる。
- -b number
- このオプションは境界内側の幅(文字の外側の端とウィンドウ境界の間の距離) をピクセル単位で指定する。デフォルト値は 2 である。
- +bc
- カーソルの点滅を無効にする。 このオプションは cursorBlink リソースの指定を上書きする。
- -bc
- カーソルの点滅を有効にする。 このオプションは cursorBlink リソースの指定を上書きする。
- -bcf milliseconds
- 点滅時にテキストカーソルが消えている時間。
- -bcn milliseconds
- 点滅時にテキストカーソルが表示されている時間。
- -bdc
- vt100 のリソース colorBDMode に FALSE を設定する。 これにより、ボールド属性を持つ文字のカラー表示が無効となる。
- +bdc
- vt100 のリソース colorBDMode に TRUE を設定する。 これにより、ボールド属性を持つ文字はボールド表示でなくカラー表示される ようになる。
- -cb
- vt100 リソース cutToBeginningOfLine を FALSE に設定する。
- +cb
- vt100 リソース cutToBeginningOfLine を TRUE に設定する。
- -cc characterclassrange:value[,...]
- この構文は、 単語単位のセレクションに用いられる文字クラスを指定された範囲に設定する。 キャラクタクラスについて記したセクションを参照のこと。
- -class string
- このオプションを使うと xterm のリソースクラスを上書きできる。 通常のリソースクラスは ``XTerm'' であるが、選択されるリソースを上書き するために ``UXTerm'' といった別のクラスを設定することができる。
- -cm
- このオプションは ANSI の表示色変更エスケープシーケンスを認識しないようにする。
- +cm
- このオプションは ANSI の表示色変更エスケープシーケンスを認識するようにする。 これは vt100 のリソース colorMode と同じものである。
- -cn
- このオプションを指定すると、行モードのセレクションで改行文字を取り除か なくなる。
- +cn
- このオプションを指定すると、行モードのセレクションで改行を取り除かれる。
- -cr color
- このオプションはテキストカーソルとして使用する色を指定する。 デフォルトでは、テキストと同じ描画色が使われる。
- -cu
- このオプションは xterm が more(1) プログラムに含まれる、 ウィンドウ幅とちょうど同じ長さの行とタブで始まる行が続く場合の表示に関 するバグ(行頭のタブが表示されない)を避けて動作するように指示する。 このオプション名は、このバグが curses(3x) カーソル移動パッケージに含まれていたと考えられていることから付けられている。
- +cu
- このオプションを指定すると、xterm は上記の more(1) のバグに対する回避の処理を行わない。
- -dc
- このオプションはエスケープシーケンスによる動的な色の変更を無効にする: 無効になる色には、 vt100 の前景色と背景色、テキストカーソル、マウスカーソルの前景色と背景色、 Tektronix エミュレータの前景色と背景色、ハイライト表示色が含まれる。
- +dc
- このオプションは、エスケープシーケンスによる動的な色の変更を有効にする。
- -e program [ arguments ... ]
- このオプションは xterm ウィンドウ内で実行されるプログラム (と、そのコマンド行引き数)を指定する。この指定を行うと、コマンドラ イン上で -T オプションや -n を指定していない限り、ウィン ドウタイトルおよびアイコン名も、実行されるプログラム名のベース名にセッ トされる。 このオプションはコマンド行の最後に置かなくてはならない。
- -fb font
- このオプションはボールドテキストを表示する際に用いられるフォントを指定する。 このフォントは幅・高さともにノーマル表示のフォントと等しくなくてはならない。 ノーマルとボールドの片方のフォントだけが指定された場合、 ノーマルフォントとして使用され、ボールドフォントはこのフォントを 重ね打ちすることにより生成される。 デフォルトでは、ノーマルフォントを重ね打ちする。 boldFont リソースおよび boldMode リソースについての 説明も参照すること。
- -fa pattern
- このオプションは、FreeType ライブラリから選択されたフォントに 対してパターンを設定する(xterm に FreeType ライブラリが組み込まれて いる場合)。 このオプションは faceName リソースに対応する。
- -fi font
- このオプションは、アクティブなアイコンに対してフォントを設定する(この 機能が xterm に組み込まれている場合)。 iconFont リソースの説明も参照すること。
- -fs size
- このオプションは、FreeType ライブラリから選択したフォントに 対してポイント数を設定する(xterm に FreeType ライブラリが組み込まれて いる場合)。 このオプションは faceSize リソースに対応する。
- -fw font
- このオプションはワイドテキストの表示に使うフォントを指定する。 デフォルトでは、xterm は通常テキストの表示に使うフォントの幅を 2 倍に して使おうとする。 倍角フォントが見つからなければ、通常フォントを拡大することにより 倍角フォントを間に合わせで作る。
- -fwb font
- このオプションはワイドテキストの表示に使うボールド体のフォントを指定する。 デフォルトでは、xterm は通常テキストの表示に使うフォントの幅を 2 倍に して使おうとする。 倍角フォントが見つからなければ、通常フォントを拡大することにより 倍角フォントを間に合わせで作る。
- -hc color
- このオプションは、選択状態か、あるいはハイライト表示状態のテキ ストの背景に用いる色を指定する。 指定がない場合には、反転表示が行われる。
- -hf
- このオプションは、ファンクションキーに対して、HP のファンクションキー のエスケープコードを生成すべきことを指定する。
- +hf
- このオプションは、ファンクションキーに対して、HP のファンクションキー のエスケープコードを生成してはならないことを指定する。
- -hold
- hold リソースを有効にする。 つまり、xterm はシェルコマンドが終了した時に、すぐにはウィンドウを破棄 しなくなる。 xterm は、ユーザがウィンドウマネージャからウィンドウを destroy/kill す るか、シグナル(HUP や KILL)を送るメニューを使うまで待つ。
- +hold
- hold リソースを無効にする。 つまり、xterm はシェルコマンドが終了するとすぐにウィンドウを破棄するよ うになる。
- -ie
- ptyInitialErase リソースを有効にする。つまり、仮想端末が持ってい る stty の erase 値を用いる。
- +ie
- ptyInitialErase リソースを無効にする。つまり、(利用可能であれば) termcap エントリの kD 文字列を参照して stty の erase 値を設定する。
- -im
- useInsertMode リソースをオンにする。
- +im
- useInsertMode リソースをオフにする。
- -j
- このオプションは xterm にジャンプスクロールするよう指示する。 通常、テキストは一度に 1 行ずつスクロールする: このオプションを使うと xterm で一度に複数行移動することが可能に なるので、スクロール遅れがそれほどでもなくなる。 大量のテキストを見るときには速度の差が顕著になるので、このオプションをぜ ひ使用べきである。 スムーススクロールの使用を可能にしたり抑止したりする VT100 エスケープ シーケンスや、``VT Options'' メニューを用いて、この機能をオンまたはオフに 変更できる。
- +j
- このオプションは xterm がジャンプスクロールをしないようにする。
- -l
- ロギングを行う。 セキュリティ上の理由から、通常はロギングはサポートされていない。 一部のバージョンの xterm ではロギングが有効になっているかもしれ ない。
- +l
- ロギングを行わない。
- -leftbar
- スクロールバーの位置を VT100 スクリーンの左側にする。 ユーザが rightScrollBar リソースを設定しなければ、この動作がデフォル トである。
- -lf filename
- ログのファイル名を指定する。 -l オプションを参照すること。
- -ls
-
このオプションは、xterm ウィンドウ内部で起動したシェルが
ログインシェル (すなわち、argv[0] の最初の文字がダッシュであり、これは
ユーザの .login か .profile を読み込む必要があることをシェルに対して指
定する)であることを指定する。
このオプションは -e オプションとの互換性がない点に注意すること。 というのも login プログラムには、新しいシェルで実行するコマンドを 指定する方法がないからである。 両方のオプションを指定すると xterm は -ls オプションを使う。
- +ls
- このオプションは起動したシェルがログインシェルではないことを指定する (すなわち、通常の「サブシェル」であることを指定する)。
- -mb
- このオプションを指定すると、ユーザが行の右端近くまで文字入力したときに、 xterm はマージンベルを鳴らす。 このオプションは ``VT Options''メニューでオフにすることができる。
- +mb
- このオプションは、マージンベルを鳴らさないようにする。
- -mc milliseconds
- このオプションはマルチクリックセレクションの間の最大時間を指定する。
- -mesg
- messages リソースを無効にする。 つまり、端末への書き込みアクセスを許可しない。
- +mesg
- messages リソースを有効にする。 つまり、端末への書き込みアクセスを許可する。
- -ms color
- このオプションはポインタの色として使用する色を指定する。 デフォルトでは前景色を使用する。
- -nb number
- このオプションは、マージンベルが利用可能なときに、行の右端から何文字の ところでベルを鳴らすかを指定する。デフォルト値は 10 文字である。
- -nul
- このオプションはアンダーラインの表示を無効にする。
- +nul
- このオプションはアンダーラインの表示を有効にする。
- -pc
- このオプションはボールドカラーの PC 式の使い方を有効にする (boldColors リソースを参照のこと)。
- +pc
- このオプションはボールドカラーの PC 式の使い方を無効にする。
- -pob
- このオプションを指定すると、Ctrl-G を受信すると必ずウィンドウ が最前面に出るようになる。
- +pob
- このオプションを指定すると、Ctrl-G を受信すると必ずウィンドウ が最前面に出る動作を行わないようになる。
- -rightbar
- スクロールバーの位置を VT100 スクリーンの右側にする。
- -rvc
- このオプションは反転属性を持つ文字のカラー表示を無効にする。
- +rvc
- このオプションは反転属性を持つ文字のカラー表示を有効にする。
- -rw
- このオプションを指定すると、逆方向の折り返しが許される。これにより、カー ソルがある行の左端カラムから直前行の右端カラムにバックすることが可能に なる。 これは非常に長いシェルコマンド行を編集するのにとても役立つので お勧めである。 このオプションは ``VT Options'' メニューからオン、オフの切替えができる。
- +rw
- このオプションは、逆方向の折り返しが許されないことを指示する。
- -s
- このオプションを指定された場合、xterm はスクロール処理を非同期に 行ってもよい。すなわち、スクリーンがスクロールしている間、常に最新の状態 を保っていなくてもよい。これにより、ネットワークの遅延時間が非常に大き いときの xterm の動作が高速になる。この機能が特に役立つのは、非 常に大きな相互接続ネットワークや多くのゲートウェイを経由してコマンドを 実行するときである。
- +s
- このオプションを指定した場合、xterm がスクロール処理を同期的に行 わなければならない。
- -samename
- タイトルとアイコン名変更のリクエストが無意味ならばリクエストを送信しな い。これには、ちらつきが無くなるという利点があり、前の値を調べるために サーバと余分のやりとりが必要であるという欠点がある。実際には、このやり とりのコストは問題にならないはずである。
- +samename
- タイトルとアイコン名変更のリクエストを常に送る。
- -sb
- このオプションを指定すると、ウィンドウ上部へスクロールして消えた行は一 定量保存され、それらの行を見るためのスクロールバーが表示される。このオ プションは ``VT Options'' メニューからオン・オフすることができる。
- +sb
- このオプションを指定すると、スクロールバーは表示されない。
- -sf
- このオプションを指定すると、ファンクションキーが押された時に Sun の ファンクションキー用エスケープコードを生成されるようになる。
- +sf
- このオプションを指定すると、ファンクションキーが押された時に標準のエス ケープコードが生成される。
- -si
- このオプションを指定すると、ウィンドウへの出力がされた時にも、スクリーン位 置が自動的にスクロール範囲の末尾に移動されなくなる。 このオプションは ``VT Options'' メニューからオン・オフすることができる。
- +si
- このオプションを指定すると、ウィンドウへの出力がされた時には末尾までス クロールされる。
- -sk
- このオプションを指定した場合、スクロールバーを使って以前表示された テキスト行を見 返している最中にキーを押すと、ウィンドウの位置はスクロール範囲の末尾の 通常位置に自動的に変更される。
- +sk
- このオプションを指定した場合、スクロールバー使用中にキーを押しても、ウィ ンドウの表示箇所の再調整は起こらない。
- -sl number
- このオプションは、画面上端からスクロールして消えた行の保存量(行数)を指 定する。デフォルト値は 64 行である。
- -sp
- このオプションを指定すると、キーボードは Sun または PC のものであると 仮定される。すなわち、テンキーの '+' は ',' へと置換えられ、 CTRL-F1 は F13 へ、CTRL-F2 は F14 へというふうに置換えられる。
- +sp
- このオプションを指定すると、テンキーとファンクションキーが標準のエスケー プコードを生成するようになる。
- -t
- このオプションを指定すると、xterm が VT102 モードではなく、 Tektronix モードで起動される。二つのウィンドウ間の切替えは ``Options'' メニューを使って行われる。
- +t
- このオプションを指定すると、xterm が VT102 モードで起動する。
- -ti term_id
- 端末 ID の問い合わせに対して正しい応答を選ぶために xterm が使う 名前を指定する。 このオプションはエミュレーションのレベルも指定する。 これは DA 制御シーケンスに対する応答の種類を決めるために使われる。 デフォルト値は vt100 である。 term_id 引き数は使用する端末 ID を指定する。 (これは decTerminalID リソースと同じものである。)
- -tm string
- このオプションを使うと、端末設定キーワードとその値となる文字列の組を複 数個まとめて指定できる。この指定は stty プログラムと同様である。 使用可能なキーワードは以下の通りである: intr, quit, erase, kill, eof, eol, swtch, start, stop, brk, susp, dsusp, rprnt, flush, weras, lnext. 制御文字は ^文字 (例えば、^c や ^u のように)の形式で指定でき、 delete (127) の指定は ^? のようになる。
- -tn name
- このオプションは TERM 環境変数に設定される端末タイプの名前を指定する。 この端末タイプは、termcap(5) データベース内に存在し、 li# と co# エントリを含んでいる必要がある。
- -u8
- このオプションは utf8 リソースを設定する。 utf8 リソースが設定されている時、xterm は受け取るデータを UTF-8 と解釈する。 このオプションは副作用として wideChars を設定する。
- +u8
- このオプションは utf8 リソースをリセットする。
- -ulc
- このオプションを指定すると、アンダーライン属性を持つ文字はカラーで表 示されずにアンダーライン表示される。
- +ulc
- このオプションを指定すると、アンダーライン属性を持つ文字はアンダーライ ン表示されずにカラー表示される。
- -ut
- このオプションを指定すると、xterm はシステムの utmp ログファイルへのレコード書き込みを行わない。
- +ut
- このオプションを指定すると、xterm はシステムの utmp ログファイルへのレコードを書き込みを行う。
- -vb
- このオプションを指定すると、音のベルではなく可視ベルが使われる。 Control-G を受け取ると必ず、端末のベルを鳴らさずに、ウィンドウを フラッシュさせる。
- +vb
- このオプションを指定すると、可視ベルは使われなくなる。
- -wc
- このオプションは wideChars リソースを設定する。 wideChars リソースが設定されていると、xterm は内部構造体の管理を 16 ビットの文字に合わせて行う。
- +wc
- このオプションは wideChars リソースをリセットする。
- -wf
- このオプションを指定すると、xterm はサブプロセス起動の前に、自身の ウィンドウが最初にマップされて端末の初期サイズと環境変数が正しく設定さ れるのを待つ。それ以降に起こった端末のサイズ変更を捕捉するのはアプリケー ションの仕事である。
- +wf
- このオプションを指定すると、xterm がサブプロセスの起動前に自身の ウィンドウのマップを待つことは行われない。
- -ziconbeep percent
- zIconBeep リソースと同じである。percent がゼロでなければ、アイコン化さ れている間に出力を行った xterm は、指定された音量で XBell の音を鳴らし、 アイコンのタイトルの後に "***" を追加する。ほとんどのウィンドウマネー ジャはこの変更を即座に検出し、どのウィンドウに出力があったかを知らせる。 (似た機能は X10 の xterm にあった。)
- -C
- このオプションを指定すると、このウィンドウはコンソール出力を受け取る。 この機能は全てのシステムでサポートされているわけではない。 コンソール出力を取得するためには、xterm を実行したユーザがコンソー ルデバイスの所有者であり、コンソールデバイスに対する読み書きの権限を持っ ていなくてはならない。もし X がコンソールスクリーンの xdm の下で 動作している場合、このオプションを正しく働かせるためには、セッションの 起動とリセットのプログラムで明示的にコンソールデバイスの所有者を変更す るようにしなくてはならないだろう。
- -Sccn
-
このオプションは、xterm を既存のプログラムのための入出力チャネル
として使えるようにする。
このオプションは特殊なアプリケーションで使われることがある。
オプションの値には、スレーブモードで使う仮想端末の名前の最後の数文字に
継承したファイルデスクリプタの数を加えた文字列を指定する。
オプションには ``/'' 文字が含まれている場合、この文字は仮想端末名に
使われる文字列とファイルデスクリプタを区切る。
そうでない場合は、オプションのちょうど 2 文字だけが仮想端末名に使われ、
残りがファイルデスクリプタとなる。
例:
- -S123/45 -Sab34
以下のコマンド行引き数は、過去のバージョンとの互換性のために用意さ れているものである。これらと同じ機能の標準オプションを X ツールキット が提供しているので、次のリリースではこれらの引き数はサポートされなくな るだろう。
- %geom
- このオプションは Tektronix ウィンドウの希望のサイズと位置を指定する。 これは ``*tekGeometry'' リソースへの指定を短縮した形である。
- #geom
- このオプションはアイコンウィンドウの希望の位置を指定する。 これは ``*iconGeometry'' リソースの指定を短縮した形である。
- -T string
- このオプションは xterm のウィンドウのタイトルを指定する。 これは -title と同じである。
- -n string
- このオプションは xterm のウィンドウのアイコン名を指定する。 これは ``*iconName'' リソースの指定を短縮した形である。 これはツールキットオプション -name (以下を参照) と同じではない ことに注意せよ。デフォルトのアイコン名はアプリケーション名である。
- -r
- -rv. このオプションを指定すると、反転表示は前景色と背景色の交換によってシミュ レートされる。 これは -rv と同じである。
- +rv
- 前景色と背景色の交換による反転表示のシミュレートを無効にする。
- -w number
- このオプションはウィンドウを取り囲む境界の幅をピクセル単位で指定する。 これは -borderwidth または -bw と等価である。
以下の標準 X ツールキットコマンド行引き数は xterm でも 一般的に使われる:
- -bd color
- このオプションはウィンドウの境界として使用する色を指定する。 デフォルト値は ``black'' である。
- -bg color
- このオプションはウィンドウの背景として使用する色を指定する。 デフォルト値は ``white'' である。
- -bw number
- このオプションはウィンドウを取り囲む境界の幅をピクセル単位で指定する。
- -display display
- このオプションは接続する X サーバを指定する; X(7) を参照のこと。
- -fg color
- このオプションはテキストの表示に用いる色を指定する。 デフォルト値は ``black'' である。
- -fn font
- このオプションは通常モードのテキストの表示に用いるフォントを指定する。 デフォルト値は fixed である。
- -geometry geometry
- このオプションは VT102 ウィンドウの希望のサイズと位置を指定する; X(7) を参照のこと。
- -iconic
- このオプションを指定すると、xterm は通常のウィンドウ表示ではなく、 アイコン表示で起動することをウィンドウマネージャに要求する。
- -name name
- このオプションは、リソース名を取得する元となるアプリケーション名を指定する。 デフォルト値は、実行ファイル名である。 name には文字 ``.'' や ``*'' を含めてはならない。
- -rv
- このオプションを指定すると、前景色と背景色の交換によって反転表示がシミュ レートされる。
- -title string
- このオプションはウィンドウのタイトル文字列を指定する。この文字列は、ユー ザの選択によってはウィンドウマネージャが表示することがある。デフォルト のタイトルは、-e オプションによって指定されたコマンド行が存 在すればその値となり、存在しない場合はアプリケーション名となる。
- -xrm resourcestring
- このオプションは使用するリソース文字列を指定する。 これは、独立したコマンド行オプションが存在しないリソースを設定するときに 特に便利である。
リソース
プログラムはコアの X ツールキットのリソース名およびクラス全てに加え、 以下のリソースを認識する:- backarrowKeyIsErase (class BackarrowKeyIsErase)
- VTxxx の backarrowKey リソースと ptyInitialErase リソース を一緒にする。これは、stty の erase 値の初期値がバックスペース文字か デリート文字に基づいて DECBKM 状態を設定することによって行う。 デフォルト値は ``false'' であり、この機能は無効になっている。
- hold (class Hold)
- このリソースが true の場合、xterm はシェルコマンドが終了しても即座に ウィンドウを破棄しない。 xterm はユーザがウィンドウマネージャを使ってウィンドウを destroy/kill するか、メニューを使って HUP や KILL といったシグナルを送ってくるのを 待つ。 スクロールバックやテキストの選択などを行え、ほとんどの GUI 操作を実行できる。 ただし表示サイズの変更を行うとデータはなくなってしまう。というのも、 この操作には既に動作していないシェルとの通信が必要だからである。
- hpFunctionKeys (class HpFunctionKeys)
- ファンクションキーに対して、標準のエスケープシーケンスでなく HP の ファンクションキーのエスケープコードを生成するかどうかを指定する。
- iconGeometry (class IconGeometry)
- アプリケーションがアイコン化されたときの希望のサイズと位置を指定する。 必ずしも、すべてのウィンドウマネージャがこの値に従うわけではない。
- iconName (class IconName)
- アイコン名を指定する。デフォルト値はアプリケーション名である。
- messages (class Messages)
- 初期状態で端末への書き込みアクセスが許されるかどうかを指定する。 mesg(1) を参照すること。 デフォルト値は ``true'' である。
- ptyInitialErase (class PtyInitialErase)
- このリソースが ``true'' ならば、xterm は仮想端末上が持っている stty の erase 値を用いる。 このリソースが ``false'' ならば、xterm は独自の設定に合うように stty の erase 値を設定する。この際には、利用可能であれば termcap エントリの kb 文字列を参照する。 いずれの場合にも、この結果は xterm が設定する TERMCAP 変数に反映 される。 デフォルト値は ``false'' である。
- sameName (class SameName)
- このリソース値が ``true'' である場合、タイトルとアイコン名変更のリクエス トが無意味(つまり名前が変わらない)ならば、xterm はリクエストを送らない。 これにはちらつきが無くなるという利点があるが、前の値を調べるためにサー バと余分のやりとりが必要であるという欠点がある。実際には、このやりとり のコストは問題にならない。デフォルト値は ``true'' である。
- sunFunctionKeys (class SunFunctionKeys)
- 標準のエスケープシーケンスではなく、Sunのファンクションキーエスケープ コードを用いるかどうかを指定する。
- sunKeyboard (class SunKeyboard)
- DEC VT220 のキーボード配置ではなく、Sun または PCのキーボード配列を仮 定するかどうかを指定する。 このリソースが設定されているとテンキーの `+' は `,' に置き換えられる。 また、ctrlFKeys リソースの設定によっては、 CTRL F1-F12 は F11-F20 に、CTRL-F2 は F14 に置き換えられる。 これにより xterm は DEC VT220 をさらに正確にエミュレートできる。 設定されていない場合には(デフォルトでは、sunKeyboard は ``false'' に設定されている)、xterm はファンクションキーと テンキーに PC 形式の割り当てを適用する。
- termName (class TermName)
- TERM 環境変数に設定される端末タイプの名称を指定する。
- title (class Title)
- このアプリケーションを表示するときに、ウィンドウマネージャが用いる 文字列を指定する。
- ttyModes (class TtyModes)
-
端末設定キーワードとそれに対応付ける文字の組からなる文字列を指定する。
使用可能なキーワードは以下の通りである:
intr,
quit,
erase,
kill,
eof,
eol,
swtch,
start,
stop,
brk,
susp,
dsusp,
rprnt,
flush,
weras,
lnext,
status。
制御文字は ^文字 (例、^c や ^u) の形式で指定でき、^? を使って
delete (127) 文字を指定できる。
定義取り消しを指示するには ^- を使う。
^\ を表すには \034 を使うこと。というのも、X のリソース
内ではバックスラッシュ文字は次の文字をエスケープさせるからである。
これは、端末設定をデフォルトから変える際に非常に便利であり、この機能を 利用すれば xterm の起動のたびに stty を実行しなくてもすむ。 ただし、ホストによっては使われる stty プログラムのキーワードが違うかも しれない。xterm は表を組み込みで持っている。
- useInsertMode (class UseInsertMode)
- TERMCAP 環境変数に適切なエントリを追加することにより、強制的に挿入モー ドを使うようにする。これはシステムの termcap が壊れているときに役立つ。 デフォルト値は ``false'' である。
- utmpInhibit (class UtmpInhibit)
- xterm がユーザの端末をシステムの utmp ログファイル に記録 しようとするかどうかを指定する。
- waitForMap (class WaitForMap)
- xtermがサブプロセスの起動の前に最初のウィンドウがマップされるのを 待つかどうかを指定する。デフォルト値は ``false'' である。
- zIconBeep (class ZIconBeep)
-
コマンド行引き数の -ziconbeep と同じである。このリソースの値がゼ
ロでなければ、アイコン化されている間に出力を行った xterm は、指定され
た音量で XBell の音を鳴らし、アイコンのタイトルの後に "***" を追加する。
ほとんどのウィンドウマネージャはこの変更を即座に検出し、出力を行った
xterm を知らせる。(似た機能は X10 の xterm にあった。)
以下のリソースは vt100 ウィジェット (class VT100) の一部として 指定される:
- activeIcon (class ActiveIcon)
- xterm のウィンドウがアイコン化された時にアクティブアイコンウィン ドウを使用するかどうか指定する。指定が有効なのは、この機能がコンパイル 時に xterm に組み込まれている場合だけである。アクティブアイコン はウィンドウの内容を縮小表示したものであり、内容が変更されるとそれに従っ て更新される。必ずしも全てのウィンドウマネージャがアプリケーションアイ コンウィンドウをサポートしているわけではない。 ウィンドウマネージャによっては、アクティブアイコンウィンドウでもキー入 力することができる。デフォルト値は ``false'' である。
- allowSendEvents (class AllowSendEvents)
- 作りもののキーイベントやボタンイベント(X プロトコルの SendEvent リクエ ストを用いて生成されたもの)を解釈するか無視するかを指定する。デフォル ト値は ``false'' であり、これらのイベントを無視するようになっている。 この手のイベントを受け付けると、非常に大きなセキュリティホールができてし まう点に注意せよ。
- answerbackString (class AnswerbackString)
- xterm がホストから受け取った ENZ (Ctrl-E) 文字に対する応答として 送る文字列を指定する。 デフォルト値は空文字列、つまり ``'' である。 ハードウェアの VT100 はこの機能を設定オプションとして持っていた。
- alwaysHighlight (class AlwaysHighlight)
- xterm がテキストカーソルを常にハイライト表示するかどうかを指定す る。デフォルトでは、ポインタがウィンドウから外れたり入力フォーカスを失っ たときはテキストカーソル表示は常に中空となる。
- alwaysUseMods (class AlwaysUseMods)
- numLock リソースを上書きし、Alt モディファイアと Meta モディファイア がトランスレーションリソース内に現われていても、 これらのモディファイアがファンクションキーシーケンスのパラメータを作るように xterm に指示する。
- appcursorDefault (class AppcursorDefault)
- ``true'' の場合は、カーソルキーの初期状態がアプリケーションモードになる。 デフォルト値は ``false'' である。
- appkeypadDefault (class AppkeypadDefault)
- ``true'' の場合は、テンキーの初期状態がアプリケーションモードになる。 デフォルト値は ``false'' である。
- autoWrap (class AutoWrap)
- 自動折り返しを有効にするかどうかを指定する。 デフォルト値は ``true'' である。
- awaitInput (class AwaitInput)
- xterm が(すなわち、Xaw3d のアロースクロールバーをサポートするため)入力 待ちに 50 ミリ秒のタイムアウトを使用するかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- backarrowKey (class BackarrowKey)
- バックアローキーがバックスペース(8)を送出するか、 それともデリート文字(127)を送出するかを指定する。 これは DECBKM 制御シーケンスに対応する。 デフォルト値(バックスペースへの変換)は ``false'' である。 コントロールキーを押すことにより、この動作はトグルする。
- background (class Background)
- ウィンドウの背景色を指定する。 デフォルト値は ``white''である。
- bellSuppressTime (class BellSuppressTime)
- 一度ベルコマンドが送った後に、次のベルを鳴らないようにしておく時間をミ リ秒単位で指定する。デフォルト値は 200 である。 ゼロでない値が設定されている場合、サーバが最初のベルの処理終了を報告 するまでは次のベルは処理されない; この機能は可視ベルに対してとくに有益 である。
- boldColors (class ColorMode)
- ボールド属性に IBM PC のような色を割り当てる(すなわち、0 から 7 までの 色を 8 から 15 までの色に割り当てる)かどうかを指定する。これらは通常最 初の 8 色の明るさをより明るくしたもの、つまりボールドである。デフォルト値 は ``true'' である。
- boldFont (class BoldFont)
- 重ね打ちの代わりに使うボールドフォントを指定する。
- boldMode (class BoldMode)
- このリソースは、解決されたボールドフォントが通常フォントと同じ場合に、 ボールドフォントをシミュレートするためにボールド属性を持つフォントを 重ね打ちするかどうかを指定する。 ボールド属性をカラー表示する場合にはボールドフォントは無効にしておくこ とが望ましい。 xterm は、明示的に設定してもよいボールドフォントをひとつ 持っている点に注意すること。 xterm は他のフォントを選んだとき(font1 〜 font6) にもボールドフォントを当てはめようとする。 通常フォントとボールドフォントがまったく別であれば、 このリソースは|効果を持たない。
- brokenSelections (class BrokenSelections)
- このリソースが true ならば、8 ビットモード時の xterm は STRING セレクションに現在のロケールのエンコーディングのテキストが 格納されていると解釈する。 通常は STRING セレクションは ISO-8859-1 エンコーディングのテキストである。 このリソースに ``true'' を設定するのは ICCCM 違反である。 しかし、バグがある一部の X クライアントとやりとりする際には、 この設定が役立つこともある。
- c132 (class C132)
- VT102 DECCOLM エスケープシーケンスを受け付けるかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- cutNewline (class CutNewline)
- この値が ``false'' ならば、トリプルクリックで 1 行を選択したとき、行末の改 行文字を含めない。``true'' の場合は、改行文字も選択される。デフォルト値は ``true'' である。
- cutToBeginningOfLine (class CutToBeginningOfLine)
- この値が ``false'' ならば、トリプルクリックで 1 行をセレクトしたとき、カー ソル位置の単語から先だけを選択する。``true'' の場合は、行全体が選択される。 デフォルト値は ``true'' である。
- cacheDoublesize (class CacheDoublesize)
- xterm がキャッシュする倍角フォントの最大数を指定する。 メモリが少ない一部の X ではデフォルト値(8)は大きすぎるかもしれない。 この値を 0 にすると、倍角フォントも一緒に無効にされる。
- charClass (class CharClass)
- 文字クラスを与えるコンマ区切りのリストを [low-]high:value の書式で指定する。 このリストは、カットアンドペーストを行うときに、同じ種類として扱う文字 の集合を決めるために用いる。「文字クラス」のセクションを参照のこと。
- curses (class Curses)
- more(1) にある、最終カラムのバグに対する回避処理を行うかどうかを指定する。詳し くは、 -cu オプションに関する説明を参照のこと。 デフォルト値は ``false'' である。
- colorAttrMode (class ColorMode)
- ``colorBD'', ``colorBL'', ``colorUL'', ``colorRV'' を ANSI の色指定 よりも優先させるかどうかを指定する。 優先させない場合、これらが表示されるのは、対応する位置に ANSI の色指定 が設定されていないときだけである。 デフォルト値は ``false'' である。
- colorMode (class ColorMode)
- ANSI (ISO 6429) の表示色変更エスケープシーケンスを有効にするかどうかを 指定する。デフォルト値は ``true'' である。
- colorBDMode (class ColorMode)
- ボールド属性を持つ文字をカラーで表示するか、それとも太字として表示する かを指定する。 ``colorMode'' をオフに設定すると、ボールド指定を含めた全てのカラー表示 が無効になる点に注意すること。
- colorBLMode (class ColorMode)
- ブリンク属性を持つ文字をカラーで表示するかどうかを指定する。 ``colorMode'' をオフに設定すると、これを含めた全てのカラー表示が無効に なる点に注意すること。
- colorRVMode (class ColorMode)
- 反転属性を持つ文字をカラーで表示するかどうかを指定する。 ``colorMode'' をオフに設定すると、これを含めた全てのカラー表示が無効に なる点に注意すること。
- colorULMode (class ColorMode)
- アンダーライン属性を持つ文字をカラーで表示するか、アンダーライン付きの 文字として表示するかを指定する。 ``colorMode'' をオフに設定すると、アンダーラインを含めた全ての カラー表示が無効になる点に注意すること。
- color0 (class Foreground)
- color1 (class Foreground)
- color2 (class Foreground)
- color3 (class Foreground)
- color4 (class Foreground)
- color5 (class Foreground)
- color6 (class Foreground)
- color7 (class Foreground)
- これらは ISO 6429 拡張で使用する色を指定する。デフォルト値はそれぞれ、黒、 赤、緑、黄色、青、マゼンタ、シアン、白である。
- color8 (class Foreground)
- color9 (class Foreground)
- color10 (class Foreground)
- color11 (class Foreground)
- color12 (class Foreground)
- color13 (class Foreground)
- color14 (class Foreground)
- color15 (class Foreground)
- これらは、ボールド属性も使用可能になっているときに ISO 6429 拡張 で使用する色を指定する。デフォルト値はそれぞれ、黒、赤、緑、黄色、青、 マゼンタ、シアン、白である。
- colorBD (class Foreground)
- これは、``colorBDMode'' リソースが使用可能になっているときにボールドの 文字の表示に用いる色を指定する。
- color16 (class Foreground)
- から
- color255 class Foreground)
- これらは 256 色拡張のための色を指定する。 デフォルトでは カラー 16 から 231 までは 6x6x6 の色立方体を構成し、 232 から 355 はグレースケールが濃さの順に並んでいる。
- colorBL (class Foreground)
- これは、``colorBLMode'' リソースが有効になっているときにブリンク属性の 文字の表示に使う色を指定する。
- colorRV (class Foreground)
- これは、``colorRVMode'' リソースが有効になっているときに反転属性の 文字の表示に使う色を指定する。
- colorUL (class Foreground)
- これは、``colorULMode'' リソースが有効になっているときに アンダーライン属性の文字の表示に用いる色を指定する。
- ctrlFKeys (class CtrlFKeys)
- VT220 のキーボードモードにおいて(sunKeyboard リソースを参照)、 与えられたコントロールモディファイア(CTRL)によって F1-F12 がシフトする 量を指定する。 デフォルト値は ``10'' である。これは Ctrl F1 が F11 のキーシンボルを 生成するという意味である。
- cursorBlink (class CursorBlink)
- cursorColor (class Foreground)
- テキストカーソルを表示するための色を指定する。デフォルトは ``black'' である。
- highlightColor (class Foreground)
- 選択されているテキストとハイライト表示されているテキストの背景色を指定 する。指定されていない場合には反転表示が使用される。
- cursorOffTime (class CursorOffTime)
- カーソルの点滅のサイクルにおける「オフ」部分の長さをミリ秒単位で指定する。 デフォルト値は 300 である。
- cursorOnTime (class CursorOnTime)
- カーソルの点滅のサイクルにおける「オン」部分の長さをミリ秒単位で指定する。 デフォルト値は 600 である。
- decTerminalID (class DecTerminalID)
- DA 制御シーケンスへの応答のタイプを決定するために用いる、エミュレーショ ンレベル (100=VT100, 220=VT220、など) を指定する。 デフォルト値は 100 である。
- dynamicColors (class DynamicColors)
- 異なる属性に割り当てられた表示色変更のエスケープシーケンスを 認識するかどうかを指定する。
- deleteIsDEL (class DeleteIsDEL)
- 編集用キーパッドの Delete キーが DEL (127) を送るか、 VT220 形式の Remove エスケープシーケンスを送るかを指定する。 デフォルト値は ``false'' であり、後者が送られる。
- eightBitControl (class EightBitControl)
- 端末によって送られた制御シーケンスを、 8 ビット文字にするか、 エスケープシーケンスにするかを指定する。デフォルト値は ``false'' である。
- eightBitInput (class EightBitInput)
- もし ``true'' なら、キーボードからのメタ文字の入力は 8 ビット目をオンにした 1 個の文字として渡され、端末は 8 ビットモードに移行する。 ``false'' ならば、メタ文字は、ESC と入力文字自身が続く 2 文字からなる エスケープシーケンスに変換され、端末は 7 ビットモードに移行する。 metaSendsEscape リソースはこの指定を上書きすhできる。 デフォルト値は ``true'' である。
- eightBitOutput (class EightBitOutput)
- ホストから送られた 8 ビット文字を、表示の時にそのまま受け取るか 8 ビット目を取り除くかを指定する。 デフォルト値は ``true'' であり、文字をそのまま受け取る。
- faceName (class FaceName)
- FreeType ライブラリから選択されたフォントに対してパターンを指定する (xterm に FreeType ライブラリが組み込まれている場合)。 デフォルト値はない。 指定されていない場合や通常フォントにもボールドフォントにも マッチしない場合には、xterm は font およびこれに関連する リソースを使う。
- faceSize (class FaceSize)
- FreeType ライブラリから選択したフォントに対してポイント数を設定する (xterm に FreeType ライブラリが組み込まれている場合)。 デフォルト値は ``14'' である。
- font (class Font)
- 通常フォントの名前を指定する。デフォルト値は ``fixed'' である。
- font1 (class Font1)
- 1 番目の代替フォントの名前を指定する。
- font2 (class Font2)
- 2 番目の代替フォントの名前を指定する。
- font3 (class Font3)
- 3 番目の代替フォントの名前を指定する。
- font4 (class Font4)
- 4 番目の代替フォントの名前を指定する。
- font5 (class Font5)
- 5 番目の代替フォントの名前を指定する。
- font6 (class Font6)
- 6 番目の代替フォントの名前を指定する。
- fontDoublesize (class FontDoublesize)
- xterm が倍角文字を描画する際にフォントのスケーリングを 試みるかどうかを指定する。 一部の古いフォントサーバはこの処理を正しく行えず、フォントの誤った寸法を返す。 デフォルト値は ``true'' である。 このリソースが無効の場合、xterm は通常サイズ文字の間に空白文字を 入れることによって倍角文字をシミュレートする。
- foreground (class Foreground)
- ウィンドウ内でテキスト表示に使う色を指定する。インスタンス名でなく クラス名で設定すると、通常はテキスト色で表示されているもの全ての色を簡 単に変更することができる。デフォルト値は ``black'' である。
- geometry (class Geometry)
- VT102 ウィンドウの好ましいサイズと位置を指定する。
- highlightSelection (class HighlightSelection)
- この値が ``false'' の場合、マウスによってセレクションを行うと、セレクショ ンの開始位置と現在位置の間のすべての場所がハイライト表示される。 この値が ``true'' の場合、xterm がハイライト表示するのは、選択された 範囲内でテキストを含む場所のみになる。デフォルト値は ``false'' である。
アプリケーションの画面描画のやりかたによっては、行の末尾にブランク文字 が入ることがある。 xterm は画面に表示されているままの形でデータを持っている。 画面消去は各セルの内部状態を変化させるので、これはセレクションの用途に おいてはブランクとして扱われない。 ブランクが書かれるのは最後の erase 文字が選択可能になってからである。 行末のブランクをセレクションに取り込みたい場合には、 trimSelection を使うこと。
- hpLowerleftBugCompat (class HpLowerleftBugCompat)
- HP の xdb に含まれるバグを回避する処理を行うかどうかを指定する。 このバグは、左下の隅に移動するためには termcap を無視して常に ESC F を 送るというものである。この値が ``true'' ならば、xterm は ESC F を左下隅への移動のリクエストとして解釈するようになる。デフォルト値は ``false'' である。
- i18nSelections (class I18nSelections)
- false の場合、xterm はターゲット COMPOUND_TEXT や TEXT. を要求しない。 デフォルト値は ``true'' である。 他の X クライアントによる ICCCM 違反を回避するために false を設定して もよい。
- iconBorderColor (class BorderColor)
- xterm のコンパイル時にアクティブアイコンウィンドウ機能が指定されている 場合、この機能で使用する境界色を指定する。全てのウィンドウマネージャが アイコンの境界を表示するとは限らない。
- iconBorderWidth (class BorderWidth)
- xterm コンパイル時にアクティブアイコンウィンドウ機能が指定されている場合、 この機能で使用するウィンドウの境界線幅を指定する。デフォルト値は 0 (境 界なし) である。全てのウィンドウマネージャが境界を表示するとは限らない。
- iconFont (class IconFont)
- xterm コンパイル時にアクティブアイコンウィンドウ機能が指定されている場 合、縮小表示のアクティブアイコンウィンドウ用のフォントを指定する。デフォ ルト値は ``nil2'' である。
- internalBorder (class BorderWidth)
- ウィンドウの境界と文字の間のピクセル数を指定する。 デフォルト値は 2 である。
- jumpScroll (class JumpScroll)
- ジャンプスクロールを使用するかどうかを指定する。 デフォルト値は ``true'' である。
- keyboardDialect (class KeyboardDialect)
- 初期状態でのキーボードの地域言語を指定する。 同時に端末がリセットされた時のデフォルト値を指定する。 指定された値は、文字集合を変更する制御シーケンスの最後の文字と同じであ る。 デフォルト値は ``B'' であり、これは US ASCII を表す。
- limitResize (class LimitResize)
- 制御シーケンスを使った画面のサイズ変更を、指定した大きさの倍数に制限する。 デフォルト値は ``1'' である。
- loginShell (class LoginShell)
- ウィンドウ内でシェルを実行する際にログインシェルとして実行するかどうかを 指定する。
- marginBell (class MarginBell)
- ユーザが右マージンの近くで入力した時にベルを鳴らすかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- metaSendsEscape (class MetaSendsEscape)
- このリソースが ``true'' の場合は、メタ文字は 2 文字のシーケンスに変換 される。このシーケンスは ESC の後に文字そのものが続く形式である。 この指定はファンクションキーの制御シーケンスにも適用される。 ただし、ユーザのキートランスレーションに Meta が使われていると xterm が知った場合は除く。 ``false'' の場合は、キーボードから入力した Meta 文字は eightBitInput リソースに従って処理される。 デフォルト値は ``false'' である。
- multiClickTime (class MultiClickTime)
- マルチクリックによるセレクトイベントの間隔の最大時間をミリ秒単位で 指定する。デフォルト値は 250 ミリ秒である。
- multiScroll (class MultiScroll)
- 非同期スクロールを行うかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- nMarginBell (class Column)
- マージンベルが使用可能なとき、ベルを鳴らす位置となる右マージンの 文字数を指定する。
- numLock (class NumLock)
- ``true'' ならば、xterm は NumLock がモディファイアとして使われているか どうかをチェックする(xmodmap(1) を参照)。 モディファイアとして使われているならば、このモディファイアは sunKeyboard リソースに対する特殊な NumLock を提供する時の ロジックの簡略化に使われる。 また(sunKeyboard が false の時には)、左右の Alt キーに対応するモ ディファイアを検出するためにも同様のロジックが使われる。 デフォルト値は ``true'' である。
- oldXtermFKeys (class OldXtermFKeys)
- ``true'' の場合、X コンソーシアムの xterm との互換性のために、F1 から F4 までの機能キーに対して古い制御シーケンスを使用する。false の場合 には、F1 から F4 に対して VT100 のコードを使用する。デフォル ト値は ``false'' である。
- pointerColor (class Foreground)
- ポインタの前景色を指定する。 デフォルト値は ``XtDefaultForeground'' である。
- pointerColorBackground (class Background)
- ポインタの背景色を指定する。 デフォルト値は ``XtDefaultBackground'' である。
- pointerShape (class Cursor)
- ポインタの形状を指定する。デフォルト値は ``xterm'' である。
- printAttributes (class PrintAttributes)
- テキストに付けられているグラフィックス属性を印刷するかどうかを指定する。 実際の DEC VTxxx 端末はアンダーライン、ハイライトコードを印刷したが、 プリンタがこれを処理できるとは限らない。 ``0'' を指定すると属性は無効となる。 ``1'' を指定すると通常属性(ボールド、アンダーライン、反転、点滅)が VT100 形式の制御シーケンスとして印刷される。 ``2'' を指定すると、同様に ANSI 色属性で印刷される。 デフォルト値は ``1'' である。
- printerAutoClose (class PrinterAutoClose)
- ``true'' ならば、アプリケーションが Media Copy コマンドを使ってプリンタを オフライン状態に切替えた時に、xterm はプリンタ(パイプ)を閉じる。デフォ ルト値は ``false'' である。
- printerCommand (class PrinterCommand)
- 最初の MC (Media Copy) コマンドが開始されたときに xterm がパイプをオープンした先のシェルコマンドを指定する。 デフォルト値は ``lpr'' である。
- printerControlMode (class PrinterControlMode)
- プリンタ制御モードを指定する。``1'' で自動印刷モードを選択する。このモー ドでは、ラインフィード文字やフォームフィード文字、垂直タブ文字が現われ たり、自動折り返しが起こったりしたためにカーソルがある行から別の行に 移った時、 xterm はスクリーンからその行を出力する。自動印刷モードはプリンタ制御モード (``2'')で上書きされる。このモードでは、全ての出力がプリンタにリダイレ クトされる。デフォルト値は ``0'' である。
- printerExtent (class PrinterExtent)
- ページ印刷機能がページ全体を印刷する(true の場合)か、表 示中の範囲のみを印刷する (false の場合)かを制御する。 デフォルト値は ``false'' である。
- printerFormFeed (class PrinterFormFeed)
- ページ印刷関数の終わりでフォームフィード文字をプリンタに送るかどうかを 制御する。 デフォルト値は ``false'' である。
- resizeGravity (class ResizeGravity)
- ウィンドウが上下にリサイズされたときの動作に影響する。NorthWest を指定すると、画面の上端の行は固定されたままになる。つまり、ウィンドウが 縮められると下端の行が取り除かれ、ウィンドウが伸ばされたなら下端に空 白行が追加される。 これは R4 のときの動作と互換である。 SouthWest(デフォルト)を指定すると、画面の最下行が固定される。ウィ ンドウが伸ばされたならば、セーブされている行が追加され画面上で逆スクロー ルする。逆にウィンドウが縮められたならば、その分の行が画面上部からスク ロールして見えなくなり、セーブされている先頭の行が取り除かれる。
- reverseVideo (class ReverseVideo)
- 反転表示をシミュレートするかどうかを指定する。 デフォルト値は``false'' である。
- reverseWrap (class ReverseWrap)
- 逆向きの折り返しを可能にするかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- rightScrollBar (class RightScrollBar)
- スクロールバーを右に表示するか、それとも左に表示するかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- saveLines (class SaveLines)
- スクロールバーが表示されているときに、画面の最上部から何行遡って保存す るかを指定する。 デフォルト値は 64 行である。
- scrollBar (class ScrollBar)
- スクロールバーを表示するかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- scrollKey (class ScrollCond)
- キーを押したときにスクロールバーが自動的にスクロール範囲の末尾へ移るか どうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- scrollLines (class ScrollLines)
- scroll-back と scroll-forw の操作がデフォルトとして 使用する行数を指定する。 デフォルト値は 1 である。
- scrollTtyOutput (class ScrollCond)
- 端末への出力があったときにスクロールバーが自動的にスクロール範囲の 末尾へ移るかどうかを指定する。 デフォルト値は ``true'' である。
- shiftFonts (class ShiftFonts)
- アクション larger-vt-font() および smaller-vt-font() を 有効にするかどうかを指定する。 これらのアクションは通常、「シフト + KP_Add」と「シフト + KP_Subtract」 に割り当てられている。 デフォルト値は ``true'' である。
- signalInhibit (class SignalInhibit)
- ``Main Options'' メニューの中の、 xterm へのシグナル送信用の 項目を使用禁止にするかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- tekGeometry (class Geometry)
- Tektronix ウィンドウの希望するサイズと位置を指定する。
- tekInhibit (class TekInhibit)
- Tektronix モードに入るためのエスケープシーケンスを無視するかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- tekSmall (class TekSmall)
- Tektronix モードウィンドウのジオメトリを指定していない場合に、 ウィンドウ表示を最小サイズで開始するかどうかを指定する。 これは、xterm を小さなスクリーンで起動しているときに役に立つ。 デフォルト値は ``false'' である。
- tekStartup (class TekStartup)
- xterm が Tektronix モードで起動するかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- titeInhibit (class TiteInhibit)
- xterm が、TERMCAP の文字列から得られる ti と te の termcap エントリを取り除くかどうかを指定する (スクリーン指向の プログラムの多くで、起動時に代替画面と行き来するのに用いられる)。 これが設定されていると、xterm は代替画面と切替えるための エスケープシーケンスも無視するようになる。 xterm は別の方法でも terminfo に対応している。すなわち 元々の 47 番制御シーケンスと同じ効果を持つ 複合制御シーケンス(プライベートモードと呼ばれる) 1047, 1048, 1049 に対応する方法である。
- translations (class Translations)
- メニュー、セレクション、``プログラムされた文字列'' などへの キーとボタンの割当てを変更する。 後述の「アクション」セクションを参照のこと。
- trimSelection (class TrimSelection)
- highlightSelection が設定されている場合、テキストが選択されてい るときに行末の空白文字も含めて選択されていることに気づくかもしれない。 画面(または行を)クリアすると、これは空白を含まない状態にリセットされる。 一部の行は、アプリケーションが画面に出力した時に行末に空白が付けられる。 しかし、ペーストの際にはこの行末の空白は入れたくないと思うだろう。 このリソースが true の場合、xterm は選択されているテキストから 行末の空白を取り除く。 この指定は行の折り返しの結果含まれている空白には影響しないし、 選択されているテキストの末尾の改行も取り除かない。 デフォルト値は ``false'' である。
- underLine (class UnderLine)
- これは、アンダーライン属性の付いたテキストを下線付きで表示するかどうかを 指定する。アンダーライン属性を表すためにカラーを使用しているときには、 下線表示を無効にするほうが好まれるだろう。
- utf8 (class Utf8)
- このリソースは xterm を UTF-8 モードで動作させるかどうかを 指定する。 このリソースが設定されている場合、xterm は副作用として wideChars リソースも設定する。 リソース経由を使って UTF-8 モードが設定されている場合、xterm は 制御シーケンスを使って UTF-8 モードから出ることはできない。 デフォルト値は ``0'' (オフ)である。 それ以外の値を設定すると UTF-8 モードは有効となる。
- visualBell (class VisualBell)
- Control-G を受け取ったときに、音声ベルの代わりに可視ベル(例えば、 画面フラッシュのような)を用いるかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- popOnBell (class PopOnBell)
- Ctrl-G を受信したときにウィンドウを最前面に出すかどうかを指定する。 デフォルト値は ``false'' である。
- wideChars (class WideChars)
-
xterm は 16 ビット文字を処理する制御シーケンスに応答すべきか
どうかを設定する。
以下のリソースは tek4014 ウィジェット (class Tek4014) の 一部として指定される:
- font2 (class Font)
- Tektronix ウィンドウで使用する 2 番目のフォントを指定する。
- font3 (class Font)
- Tektronix ウィンドウで使用する 3 番目のフォントを指定する。
- fontLarge (class Font)
- Tektronix ウィンドウで使用する大きいフォントを指定する。
- fontSmall (class Font)
- Tektronix ウィンドウで使用する小さいフォントを指定する。
- ginTerminator (class GinTerminator)
- GIN レポートまたは状態レポートの後にどういう文字(列)を繋げるかを指定する。 選択肢は、終端文字列が無いことを示す ``none''、CR を送る ``CRonly''、 CR と EOT の両方を送る ``CR&EOT'' である。 デフォルト値は ``none'' である。
- height (class Height)
- Tektronix ウィンドウの高さをピクセル単位で指定する。
- initialFont (class InitialFont)
- 初期状態で、4 つの Tektronix フォントのどれを使うかを指定する。 値は、set-tek-text アクションのものと同じである。 デフォルトは ``large'' である。
- width (class Width)
-
Tektronix ウィンドウの幅をピクセル単位で指定する。
各種のメニューで指定可能なリソースは Athena SimpleMenu ウィジェット の文書で説明されている。 各メニューのエントリの名前とクラスは以下に挙げる通りである。
mainMenu には以下のエントリが含まれる:
- securekbd (class SmeBSB)
- このエントリは secure() アクションを起動する。
- allowsends (class SmeBSB)
- このエントリは allow-send-events(toggle) アクションを起動する。
- logging (class SmeBSB)
- このエントリは logging(toggle) アクションを起動する。
- print (class SmeBSB)
- このエントリは print() アクションを起動する。
- redraw (class SmeBSB)
- このエントリは redraw() アクションを起動する。
- line1 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- 8-bit-control (class SmeBSB)
- このエントリは set-8-bit-control(toggle) アクションを起動する。
- backarrow key (class SmeBSB)
- このエントリは set-backarrow(toggle) アクションを起動する。
- num-lock (class SmeBSB)
- このエントリは set-num-lock(toggle) アクションを起動する。
- meta-esc (class SmeBSB)
- このエントリは meta-sends-escape(toggle) アクションを起動する。
- delete-is-del (class SmeBSB)
- このエントリは delete-is-del(toggle) アクションを起動する。
- oldFunctionKeys (class SmeBSB)
- このエントリは old-function-keys(toggle) アクションを起動する。
- hpFunctionKeys (class SmeBSB)
- このエントリは hp-function-keys(toggle) アクションを起動する。
- scoFunctionKeys (class SmeBSB)
- このエントリは sco-function-keys(toggle) アクションを起動する。
- sunFunctionKeys (class SmeBSB)
- このエントリは sun-function-keys(toggle) アクションを起動する。
- sunKeyboard (class SmeBSB)
- このエントリは sunKeyboard(toggle) アクションを起動する。
- line2 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- suspend (class SmeBSB)
- ジョブ制御をサポートするシステムでは、このエントリは send-signal(tstp) アクションを起動する。
- continue (class SmeBSB)
- ジョブ制御をサポートするシステムでは、このエントリは send-signal(cont) アクションを起動する。
- interrupt (class SmeBSB)
- このエントリは send-signal(int) アクションを起動する。
- hangup (class SmeBSB)
- このエントリは send-signal(hup) アクションを起動する。
- terminate (class SmeBSB)
- このエントリは send-signal(term) アクションを起動する。
- kill (class SmeBSB)
- このエントリは send-signal(kill) アクションを起動する。
- line3 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- quit (class SmeBSB)
-
このエントリは quit() アクションを起動する。
vtMenu には以下のエントリが含まれる:
- scrollbar (class SmeBSB)
- このエントリは set-scrollbar(toggle) アクションを起動する。
- jumpscroll (class SmeBSB)
- このエントリは set-jumpscroll(toggle) アクションを起動する。
- reversevideo (class SmeBSB)
- このエントリは set-reverse-video(toggle) アクションを起動する。
- autowrap (class SmeBSB)
- このエントリは set-autowrap(toggle) アクションを起動する。
- reversewrap (class SmeBSB)
- このエントリは set-reversewrap(toggle) アクションを起動する。
- autolinefeed (class SmeBSB)
- このエントリは set-autolinefeed(toggle) アクションを起動する。
- appcursor (class SmeBSB)
- このエントリは set-appcursor(toggle) アクションを起動する。
- appkeypad (class SmeBSB)
- このエントリは set-appkeypad(toggle) アクションを起動する。
- scrollkey (class SmeBSB)
- このエントリは set-scroll-on-key(toggle) アクションを起動する。
- scrollttyoutput (class SmeBSB)
- このエントリは set-scroll-on-tty-output(toggle) アクションを起動する。
- allow132 (class SmeBSB)
- このエントリは set-allow132(toggle) アクションを起動する。
- cursesemul (class SmeBSB)
- このエントリは set-cursesemul(toggle) アクションを起動する。
- visualbell (class SmeBSB)
- このエントリは set-visualbell(toggle) アクションを起動する。
- poponbell (class SmeBSB)
- このエントリは set-poponbell(toggle) アクションを起動する。
- marginbell (class SmeBSB)
- このエントリは set-marginbell(toggle) アクションを起動する。
- cursorblink (class SmeBSB)
- このエントリは set-cursorblink(toggle) アクションを起動する。
- titeInhibit (class SmeBSB)
- このエントリは set-titeInhibit(toggle) アクションを起動する。
- activeicon (class SmeBSB)
- アクティブアイコン機能が xterm コンパイル時に指定されている場合、 このエントリはアクティブアイコンのオンとオフを切り替える。 このアクションは、xterm をコマンド行オプション +ai を つけて起動した場合か、activeIcon リソースが ``True'' に 設定されている場合にのみ有効になる。
- line1 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- softreset (class SmeBSB)
- このエントリは soft-reset() アクションを起動する。
- hardreset (class SmeBSB)
- このエントリは hard-reset() アクションを起動する。
- clearsavedlines (class SmeBSB)
- このエントリは clear-saved-lines() アクションを起動する。
- line2 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- tekshow (class SmeBSB)
- このエントリは set-visibility(tek,toggle) アクションを起動する。
- tekmode (class SmeBSB)
- このエントリは set-terminal-type(tek) アクションを起動する。
- vthide (class SmeBSB)
- このエントリは set-visibility(vt,off) アクションを起動する。
- altscreen (class SmeBSB)
-
このエントリは set-altscreen(toggle) アクションを起動する。
fontMenu には以下のエントリが含まれる:
- fontdefault (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(d) アクションを起動する。
- font1 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(1) アクションを起動する。
- font2 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(2) アクションを起動する。
- font3 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(3) アクションを起動する。
- font4 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(4) アクションを起動する。
- font5 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(5) アクションを起動する。
- font6 (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(6) アクションを起動する。
- fontescape (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(e) アクションを起動する。
- fontsel (class SmeBSB)
- このエントリは set-vt-font(s) アクションを起動する。
- line1 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- font-linedrawing (class SmeBSB)
- このエントリは set-font-linedrawing(s) アクションを起動する。
- font-doublesize (class SmeBSB)
-
このエントリは set-font-doublesize(s) アクションを起動する。
tekMenu には以下のエントリが含まれる:
- tektextlarge (class SmeBSB)
- このエントリは set-tek-text(l) アクションを起動する。
- tektext2 (class SmeBSB)
- このエントリは set-tek-text(2) アクションを起動する。
- tektext3 (class SmeBSB)
- このエントリは set-tek-text(3) アクションを起動する。
- tektextsmall (class SmeBSB)
- このエントリは set-tek-text(s) アクションを起動する。
- line1 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- tekpage (class SmeBSB)
- このエントリは tek-page() アクションを起動する。
- tekreset (class SmeBSB)
- このエントリは tek-reset() アクションを起動する。
- tekcopy (class SmeBSB)
- このエントリは tek-copy() アクションを起動する。
- line2 (class SmeLine)
- これはセパレータである。
- vtshow (class SmeBSB)
- このエントリは set-visibility(vt,toggle) アクションを起動する。
- vtmode (class SmeBSB)
- このエントリは set-terminal-type(vt) アクションを起動する。
- tekhide (class SmeBSB)
-
このエントリは set-visibility(tek,toggle) アクションを起動する。
以下のリソースは、Athena ウィジェットセットのスクロールバーウィジェッ トに対して指定すると便利である:
- thickness (class Thickness)
- スクロールバーの幅をピクセル単位で指定する。
- background (class Background)
- スクロールバーの背景色として使用する色を指定する。
- foreground (class Foreground)
- スクロールバーの前景色として使用する色を指定する。 スクロールバーの「つまみ」部分は、前景色と背景色のピクセルが交互に現れる 単純な市松模様パターンになる。
ポインタの使用方法
ひとたび VT102 ウィンドウが生成されると、 xterm のテキストをセレクトして、 同じウィンドウや他のウィンドウの内部にコピーすることができるようになる。
セレクション機能は、モディファイアキーを押さずにポインタボタンを使用した ときと、``shift''キーを押しながらボタンを使用したときに起動される。 以下に記されている関数の割り当ては、リソースデータベースを通じて 変更することができる; 以下の「アクション」セクションを参照のこと。
ポインタのボタン 1 (通常は左ボタン) は、カットバッファにテキストを セーブするのに用いる。 テキストの先頭にカーソルを移動し、そこでボタンを押し下げ、 そのままカーソルを選択範囲の最後まで持って行ってボタンを離す。 選択されたテキストはハイライト表示され、グローバルバッファの中に格納さ れ、ボタンが解放されたときに PRIMARY セレクションとなる。 ダブルクリックでは単語単位の選択を行なう。 トリプルクリックでは行単位の選択を行なう。 4 度クリックを行なうと再び文字選択に戻り、以下それを繰り返す。 複数クリックは、ボタンを放してから次に押すまでの時間によって 判断されるので、セレクションを行なっている途中でセレクションの単位を 変更することができる。 ウィンドウ中で実行しているアプリケーションではなく、xterm が行の 折り返しを行っている場合、ダブルクリックやトリプルクリックで選択される 論理的な単語や行は、複数のスクリーン行にわたることができる。 X のセレクションを行なうために割り当てられているキーやボタンの 操作が行なわれたなら、xterm がセレクションの所有者である 限りは、選択されたテキストはハイライト表示されたままである。
ポインタのボタン 2 (通常は中ボタン) は、テキストをキーボードから入力さ れたかのように `打鍵' (ペースト) する。入力は、PRIMARY のセレクション があればそこから、無ければカットバッファから行われる。
ポインタのボタン 3 (通常は右ボタン) は現在のセレクション領域を拡大する。 (一般性を失わず、この段落の以下の記述では ``右'' と ``左'' を 入れ換えることができる。) もしセレクション領域の左端よりも右側の場所で押した場合、 セレクション範囲の右端が拡張/短縮される。もしセレクション範囲を 今までのセレクションの左端を越えて短縮したならば、 xterm は、本当は左端を指定しているのだと仮定して、元のセレクションを 復元し、それからセレクション領域の左端を拡張/短縮する。 範囲拡張は、最後にセレクションあるいは範囲拡張を行った時の選択単位で 始められる; 複数クリックによってこれを循環的に切り替えることができる。
末尾の改行を含まないテキストの部分をカットアンドペーストすることにより、 テキストを異なるウィンドウ内のいくつかの場所に置き、 シェルへのコマンドを作り出すことができる。 例えば、あるプログラムからの出力を取り出し、好みのエディタ内に 挿入することができる。 カットバッファは異なるアプリケーション間で共有されるので、 それは中身が分かっている `ファイル' であると考えるべきである。 端末エミュレータとその他のテキストプログラムは、バッファをテキストファイル のように、すなわち、テキストが改行で区切られているかのように扱うべきである。
スクロール範囲は、実際にセーブされているテキストの量に対する、 現在ウィンドウ内で表示しているテキストの位置と量を (ハイライト表示で) 表示する。 より多くのテキストが (最大限に至るまで) セーブされるに従って、 ハイライト表示された領域は減少する。
スクロール範囲内のポインタをボタン 1 クリックすると、次の行を 表示ウィンドウの最上部に移動する。
ボタン 3 をクリックすると、表示ウィンドウの最上行がポインタ位置 にくるまで下方に移動する。
ボタン 2 をクリックすると、表示位置をセーブされたテキストの、 スクロールバー内のポインタ位置に対応する場所に移動する。
VT102 ウィンドウと異なり、Tektronix ウィンドウではテキストのコピーを行 うことができない。 これは Tektronix の GIN モードでは可能であり、このモードにおいてはカー ソルが矢印から十字に変化する。 キーを押すとそのキーと十字カーソルの現在の座標を送る。 ボタン 1, 2, および 3 を押すとそれぞれ文字 `l', `m' と `r' を返す。 ポインタボタンが押されたときに `shift' キーが押されていると、 大文字の対応する字が送られる。 ポインタボタンをキーと区別するために、文字の上位ビットが設定される (しかし端末モードが RAW でないときは通常、このビットは通常取り除かれる。 詳細は tty(4) を参照のこと)。
メニュー
xterm には 4 つのメニューがあり、それぞれ mainMenu, vtMenu, fontMenu, tekMenu と呼ばれる。 各メニューは、キーとボタンを正しく組み合わせて押すとポップアップする。 ほとんどのメニューは 2 つのセクションに分けられ、その区切りは横線であ る。 上側の部分は変更可能なさまざまのモードを含んでいる。 現在アクティブなモードの横にはチェックマークが現れる。 これらのモードの 1 つを選ぶと、その状態がトグルする。 メニューの下側の部分はコマンドエントリである; これらの 1 つを 選ぶと表示された関数を実行する。
xterm メニューは、``control'' キーとポインタボタン 1 が同時に押されたとき ポップアップする。 mainMenu は VT102 と Tektronix の両ウィンドウで適用可能な 項目を含む。 Secure Keyboard モードは、安全でない環境でパスワードやその他の注意を要するデータを 打鍵するときに用いるための物である; 後述の「セキュリティ」セクショ ンを参照のこと。 コマンドセクションの特筆に値するメニューは、 Continue, Suspend, Interrupt, Hangup, Terminate および Kill であり、それぞれ SIGCONT, SIGTSTP, SIGINT, SIGHUP, SIGTERM および SIGKILL シグナルを、 xterm の下で実行中のプロセス (通常はシェル) のプロセスグループに送る。 Continue 関数は、ユーザが間違って CTRL-Z を押してしまい、プロセスをサスペンド したときにとくに有益である。
vtMenu は VT102 エミュレーションにおけるさまざまなモードを設定するもので、 ``control'' キーとポインタボタン 2 が VT102 ウィンドウ内で 押されたときにポップアップする。 このメニューのコマンドセクションでは、「soft reset」エントリはスクロー ル範囲をリセットする。 これは、ある種のプログラムがスクロール範囲を間違った値に設定して しまったとき (VMS や TOPS-20 を使用しているときにこの問題がよく生じる) に便利である。 「full reset」エントリは画面を消去し、タブを初期状態である 8 桁毎に戻 し、端末モード (折り返しやスムーススクロールのような) を xterm がコマンド行オプションを処理し終わった直後と全く同じ初期状態に戻す。
fontMenu は VT102 ウィンドウで使われるフォントを設定する。 デフォルトのフォントとリソースによって設定されたいくつかの選択肢に 加え、メニューは Set Font エスケープシーケンスを用いて最後に指定した フォント(ドキュメント Xterm Control Sequences を参照すること) お よび現在のセレクション (PRIMARY セレクションがある場合) をフォント名と して解釈したものを選択肢として提供する。
tekMenu は Tektronix エミュレーションにおけるさまざまなモードを設定するもので、 ``control'' キーとポインタボタン 2 が Tektronix ウィンドウで押されたときに ポップアップする。 現在のフォントサイズはメニューの modes セクションで登録される。 コマンドセクションの PAGE エントリは Tektronix ウィンドウをクリアする。
セキュリティ
X の実行環境は、セキュリティを意識する度合によってさまざまである。 ほとんどのサーバは xdm の下で実行されており、多くの人々には十分 なレベルのセキュリティを提供できる``マジッククッキー'' 認証スキームを 使用できる。 システムがホストベースのサーバへのアクセス制御機能(xhost(1) を参 照せよ) のみを使用している場合、あるホストからのアクセスを可能になって いて、なおかつ誰か他のユーザがそのホスト上でクライアントを実行できるな らば、誰かが X プロトコルの基本的サービスを使用してユーザの作業内容を 覗き見ることは簡単で、ユーザがキーボードから入力したすべての内容の写し を奪われる潜在的可能性がある。 パスワード等の注意を要するデータを入力するときには、この点に特に注意す るべきである。 この問題に対する最善の解決法は、ホストベースの制御よりも優れた 認証メカニズムを使用することであるが、xterm にもキーボード入力を 防護する単純な仕組みが存在する。
xterm メニュー (上記の メニュー を参照のこと) は Secure Keyboard エントリが存在し、これが使用可能になっている ときは、すべてのキーボード入力が (GrabKeyboard プロトコル要求を用いて) xterm のみに渡されることが保証されている。 アプリケーションがパスワード (あるいはその他の注意を要するデータ) の 入力を促した時、メニューを使用して Secure Keyboard を有効化し、 データを入力し、それからもう一度メニューを用いて Secure Keyboard を 取り消すことができる。 キーボードを防護することができるのは、一度にただ一つのプログラムだけで あるので、Secure Keyboard を有効化しようとしても、失敗する 可能性がある。その場合にはベルが鳴る。 Secure Keyboard が成功したならば、前景色と背景色は反転する (Modes メニューの Reverse Video エントリを選択した 場合と同様である); ユーザが防護モードを抜けたときに再び反転する。 もし表示色が反転しなかったならば、そのときは、自分の作業が覗 かれていることを強く疑うべきである。 ユーザが実行しているアプリケーションが、パスワードを要求する前にプロン プトを出すならば、プロンプトが表示される前に防護モードに入り、プ ロンプトが (反転した表示色で) 正しく表示されることを確認し、覗き見され る可能性を極力小さくするのが最も安全な方法である。 メニューを再び表示させ、チェックマークがそのエントリの隣に現れることを 確認してもよい。
Secure Keyboard モードは、xterm のウィンドウがアイコン化された (またはその他の方法でアンマップされた) 時、もしくは Secure Keyboard モードにいる最中に、親を切り替えるウィンドウマネージャ (これはタイトルバー などの飾りをウィンドウの周囲に取り付ける) を起動した時に自動的に取り消される。 (これは X プロトコルの性質に依存しており容易には変更できない。) これが起こったとき、前景色と背景色は反転し、警告の意味でベルが鳴らされる。
文字クラス
マウスの中ボタンを続けて 2 回素早く押すと、同じクラスのすべての文字(例、 英字・空白文字・句読点) が選択される。何を選択すべきかは人により好みが 異なる (例えば、ファイル名全体をひとまとまりとして選択するか、分割され た部分名だけを選択するか)ため、charClass (class CharClass)リソースを使って、デフォルトのマッピングを上書きするこ とができる。このリソースは、range:value のペアをコンマで区切って並べた ものである。 range は 0 から 65535 の範囲内の数値 1 個か low-high のいずれかの形式であり、それぞれの数値は設定したい文字または文字区間の コードである。 value の値は任意であるが、デフォルトのテーブルでは集合の中で最初に 現れる文字の文字番号を使っている。 UTF-I モードでない場合は、このテーブルの最初の 256 バイトだけが使われる。
デフォルトのテーブルの先頭部分は以下の通りである:
static int charClass[256] = { 32, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 32, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 91, 92, 93, 94, 48, 96, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 123, 124, 125, 126, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 1, 160, 161, 162, 163, 164, 165, 166, 167, 168, 169, 170, 171, 172, 173, 174, 175, 176, 177, 178, 179, 180, 181, 182, 183, 184, 185, 186, 187, 188, 189, 190, 191, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 216, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 248, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48};
例えば、文字列 ``33:48,37:48,45-47:48,64:48'' は感嘆符、パーセント記号、 ダッシュ、ピリオド、スラッシュ、アンパサンド文字を英数字と同様に扱うこ とを意味する。これは、電子メールアドレスとファイル名をカットアンドペー ストする際に便利である。
アクション
キー(またはキーシーケンス)を任意の文字列の入力に再割り当てすることがで きる。この割り当ては、vt100 ウィジェットや tek4014 ウィジェットのトラ ンスレーションを変更することで行う。キーイベントやボタンイベント以外の イベントのトランスレーションの変更は想定されておらず、この変更を行った 際の動作は予測できない。以下のアクションが提供されており、vt100 や tek4014 のトランスレーションリソースで使うことができる:- allow-send-events(on/off/toggle)
- このアクションは allowSendEvents リソースの設定またはトグルを行 う。このアクションは mainMenu 内の allowsends エントリから も呼び出される。
- bell([percent])
- このアクションはキーボードベルを鳴らす。音量は、基本ボリュームより指定 されたパーセンテージだけ大きいか小さい。
- clear-saved-lines()
- このアクションは、hard-reset() (後述)を行い、スクリーンの上へ消 えてしまった行の履歴もクリアする。このアクションは vtMenu 内の clearsavedlines エントリからも呼び出される。 この効果はハードウェアリセット(RIS)制御シーケンスと同じである。
- create-menu(m/v/f/t)
- このアクションは、xterm が使うメニューのどれかがまだ作成されてい ない場合、これを作成する。引き数はメニュー名であり、m,v,f,t はそれぞれ mainMenu, vtMenu, fontMenu, tekMenu に対応する。
- deiconify()
- ウィンドウがアイコン化されている場合、ウィンドウを通常の状態に戻す。
- delete-is-del()
- このアクションは deleteIsDEL リソースの状態をトグルさせる。
- dired-button()
-
ボタンイベント(押した場合と離した場合以外のもの)を扱うに際し、イベン
トの位置(つまりキャラクタ行とカラム)を以下のフォーマットで表示する:
^X ESC G <line+' '> <col+' '>
- iconify()
- ウィンドウをアイコン化する。
- hard-reset()
- このアクションはスクロール範囲、タブ、ウィンドウサイズ、カーソルキーを リセットし、スクリーンをクリアする。このアクションは、vtMenu 内 の hardreset エントリからも呼び出される。
- ignore()
- このアクションはイベントを無視するが、特別なポインタ位置エスケープシー ケンスはチェックする。
- insert()
- このアクションは、押されたキーに対応する文字または文字列を挿入する。
- insert-eight-bit()
- このアクションは、押されたキーに対応する8ビット(メタ)の文字または文字 列を挿入する。 正確なアクションは、metaSendsEscape リソースと eightBitInput リソースの値によって異なる。
- insert-selection(sourcename [, ...])
- このアクションは、sourcename が示すセレクションやカットバッ ファ中の文字列を挿入する。文字列が1つ見つかるまで、ソースは指定された 順番でチェックされる(大文字・小文字は区別される)。一般的に使われるセク レションは、PRIMARY, SECONDARY, CLIPBOARD である。カッ トバッファの名前は普通 CUT_BUFFER0 から CUT_BUFFER7 までで ある。
- insert-seven-bit()
- このアクションは insert() と同じである。
- interpret(control-sequence)
- 与えられた制御シーケンスをローカルで解釈する。つまり、ホストに渡さずに 処理する。 これは制御シーケンスを入力バッファの前に入れることにより動作する。 文字列中の 8 進値は "\" を使ってエスケープすること。 Xt では、文字列中にヌル文字(つまり "\000")を入れることは許されない。
- keymap(name)
- このアクションは新しいトランスレーションテーブルを動的に定義する。この リソース名は name にサフィックス Keymap が付いたものである (大文字・小文字は区別される)。None という名前を指定すると、元の トランスレーションテーブルが復元される。
- larger-vt-font()
- フォントの寸法に基づいて、次に大きいフォントを設定する。 set-vt-font() も参照すること。
- maximize()
- ウィンドウを画面いっぱいになるようにリサイズする。
- meta-sends-escape()
- このアクションは metaSendsEscape リソースの状態をトグルさせる。
- popup-menu(menuname)
- このアクションは指定されたポップアップメニューを表示する。有効な名前 (大文字・小文字は区別される)は、mainMenu, vtMenu, fontMenu, tekMenu である。
- print()
- このアクションはウィンドウを印刷する。このアクションは mainMenu の print エントリからも呼び出される。
- quit()
- このアクションを行うと、xterm は子プロセスに SIGHUP を送り、自分自身も 終了する。このアクションは mainMenu の quit から呼び出され る。
- redraw()
- このアクションはウィンドウを再描画する。このアクションは mainMenu の redraw エントリからも呼び出される。
- restore()
- 最後に最大化される前の状態にウィンドウを復元する。
- scroll-back(count [,units [,mouse] ])
- このアクションはテキストウィンドウを逆方向にスクロールさせる。これによ り、以前にスクリーンから消えたテキストが見えるようになる。引き数 count は、スクロールする units の数を示す(units は page, halfpage, pixel, line のいずれかである)。 3 番目の引き数 mouse が与えられた場合、マウスの報告が有効である 時にこのアクションは無視される。
- scroll-forw(count [,units [,mouse] ])
- このアクションは scroll-back と同様であるが、スクロールの方向が 逆である。
- secure()
- このアクションは Secure Keyboard モードをトグルさせる。このモー ドについては セキュリティ セクションで説明されている。このアクショ ンは、mainMenu の securekbd エントリから呼び出される。
- select-cursor-end(destname [, ...])
- このアクションは select-end に似ているが、 select-cursor-start と組み合わせて使う点が異なる。
- select-cursor-start()
- このアクションは select-start に似ているが、テキスト中の現在の カーソル位置からセレクションが始まる点が異なる。
- select-end(destname [, ...])
- このアクションは現在選択されているテキストを、destname で指定した セレクションとカットバッファの全てに格納する。
- select-extend()
- このアクションは、ポインタの移動に追従してセレクションを広げる。このア クションは Motion イベント以外に割り当てるべきではない。
- select-set()
- このアクションは、現在のセレクションに対応するテキストを格納する。その 際には、セレクションのモードに影響を与えない。
- select-start()
- このアクションは、現在のポインタ位置からセレクションを開始する。セレク ションの作り方については、ポインタの使用方法 のセクションを参照 すること。
- send-signal(signame)
- このアクションは、signame で指定されたシグナルを xterm の サブプロセス(-e コマンド行オプションで指定されたシェルやプ ログラム)に送る。このアクションは mainMenu の suspend, continue, interrupt, hangup, terminate, kill エントリからも呼び出される。使用できるシグナル名(大文字・小文字の区別 はない)は、 tstp (OS がサポートしている場合), suspend (tstpと同 じ), cont(OS がサポートしている場合), int, hup, term, quit, alrm, alarm (alrm と同じ), kill である。
- set-allow132(on/off/toggle)
- このアクションは、c132 リソースをトグルする。このアクションは vtMenu の allow132 から呼び出される。
- set-altscreen(on/off/toggle)
- このアクションは代替画面と現在の画面をトグルさせる。
- set-appcursor(on/off/toggle)
- このアクションはアプリケーションカーソルキーモードの処理をトグルさせる。 このアクションは vtMenu の appcursor エントリからも呼び出さ れる。
- set-appkeypad(on/off/toggle)
- このアクションは、アプリケーションキーパッドモードの処理をトグルさせる。 このアクションは vtMenu の appkeypad エントリからも呼び出さ れる。
- set-autolinefeed(on/off/toggle)
- このアクションはラインフィード文字の自動挿入をトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の autolinefeed エントリからも呼び出される。
- set-autowrap(on/off/toggle)
- このアクションは長い行の自動折り返しをトグルさせる。 このアクションは vtMenu の autowrap エントリからも呼び出される。
- set-backarrow(on/off/toggle)
- このアクションは backarrowKey リソースをトグルさせる。 このアクションは vtMenu の backarrow key エントリからも呼 び出される。
- set-cursorblink(on/off/toggle)
- このアクションは cursorBlink リソースをトグルさせる。 このアクションは vtMenu の cursorblink エントリからも呼 び出される。
- set-cursesemul(on/off/toggle)
- このアクションは curses リソースをトグルさせる。このアクションは vtMenu の cursesemul エントリからも呼び出される。
- set-font-doublesize(on/off/toggle)
- このアクションは fontDoublesize リソースをトグルさせる。 このアクションは fontMenu の font-doublesize エントリからも呼び出される。
- set-hp-function-keys(on/off/toggle)
- このアクションは hpFunctionKeys リソースをトグルさせる。 このアクションは mainMenu の hpFunctionKeys エントリからも呼び出される。
- set-jumpscroll(on/off/toggle)
- このアクションは jumpscroll リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の jumpscroll エントリからも呼び出される。
- set-font-linedrawing(on/off/toggle)
- このアクションは、現在のフォントが罫線文字を持っているかどうかと、 それらを直接描画すべきかどうかに関する xterm の状態をトグルさせる。
- このアクションは fontMenu の font-linedrawing エントリからも呼び出される。
- set-logging() このアクションはログ記録オプションの状態をトグルさせる。
- set-old-function-keys(on/off/toggle)
- このアクションは旧式のファンクションキーの状態をトグルさせる。 このアクションは mainMenu の oldFunctionKeys エントリからも呼び出される。
- set-marginbell(on/off/toggle)
- このアクションは marginBell リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の marginbell エントリからも呼び出される。
- set-num-lock()
- このアクションは numLock リソースの状態をトグルさせる。
- set-pop-on-bell(on/off/toggle)
- このアクションは popOnBell をトグルさせる。 このアクションは vtMenuの poponbell エントリからも呼び出さ れる。
- set-reverse-video(on/off/toggle)
- このアクションは reverseVideo リソースをトグルさせる。 このアクションは vtMenu の reversevideo エントリからも呼び 出される。
- set-reversewrap(on/off/toggle)
- このアクションは reverseWrap リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の reversewrap エントリからも呼び出される。
- set-scroll-on-key(on/off/toggle)
- このアクションは、scrollKey リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の scrollkey エントリからも呼び出される。
- set-scroll-on-tty-output(on/off/toggle)
- このアクションは scrollTtyOutput リソースをトグルさせる。このア クションは vtMenu の scrollttyoutput エントリからも呼び出さ れる。
- set-scrollbar(on/off/toggle)
- このアクションは scrollbar リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の scrollbar エントリからも呼び出される。
- set-sco-function-keys(on/off/toggle)
- このアクションは scoFunctionKeys リソースをトグルさせる。 このアクションは mainMenu の scoFunctionKeys エントリからも呼び出される。
- set-sun-function-keys(on/off/toggle)
- このアクションは sunFunctionKeys リソースをトグルさせる。 このアクションは mainMenu の sunFunctionKeys エントリからも呼び出される。
- set-sun-keyboard(on/off/toggle)
- このアクションは sunKeyboard リソースをトグルさせる。 このアクションは mainMenu の sunKeyboard エントリからも呼び出される。
- set-tek-text(large/2/3/small)
- このアクションは Tektronix ウィンドウで使われるフォントを設定する。 引き数に従って、フォントは tektextlarge, tektext2, tektext3, tektextsmall リソースいずれかの値に設定される。 フォントは tekMenu 中のリソースと同じ名前のエントリでも設定できる。
- set-terminal-type(type)
- このアクションは type 文字列に従って、出力を vt ウィンドウ と tek ウィンドウのどちらに行うのかを決める。このアクションは vtMenu の tekmode エントリと tekMenu の vtmode エントリからも呼び出される。
- set-titeInhibit(on/off/toggle)
- このアクションは titeInhibit リソースをトグルさせる。 このリソースは代替スクリーンと現在のスクリーンの切り替えを制御する。
- set-visibility(vt/tek,on/off/toggle)
- このアクションは、vt ウィンドウや tek ウィンドウの可視状態 を制御する。このアクションは vtMenu の tekshow エントリと vthide エントリ、tekMenu の vtshow エントリと tekhide エントリからも呼び出される。
- set-visual-bell(on/off/toggle)
- このアクションは visualBell リソースをトグルさせる。このアクショ ンは vtMenu の visualbell エントリからも呼び出される。
- set-vt-font(d/1/2/3/4/5/6/e/s [,normalfont [, boldfont]])
- このアクションは VT102 ウィンドウで現在使われているフォントを設定する。 最初の引き数は文字1つであり、使うフォントを指定する: d あるいは D はデフォルトのフォント(xterm の起動時に 使われるフォント)を示し、1 から 6 までの数字は font1 から font6 を示す。 e あるいは E は、エスケープコードで設定される通常フォント とボールド体フォント、倍角文字フォントを示す(それぞれ2番目、3番目、4 番目の引き数として指定された場合)。s あるいは S を2番目の 引き数で指定した場合はフォント選択が指示される(xfontsel(1) 等の プログラムで設定する)。
- smaller-vt-font()
- フォントの寸法に基づいて、次に小さいフォントを設定する。 set-vt-font() も参照すること。
- soft-reset()
- このアクションはスクロール範囲をリセットする。このアクションは vtMenu の softreset エントリからも呼び出される。 この効果はソフトリセット(DECSTR)制御シーケンスと同じである。
- start-extend()
- このアクションは select-start と似ているが、セレクションが現在の ポインタ位置まで広げられる点が異なる。
- start-cursor-extend()
- このアクションは select-extend と似ているが、セレクションが現在 のテキストカーソル位置まで拡張される点が異なる。
- string(string)
- このアクションは指定されたテキスト文字列を、あたかも入力されたかのよう に挿入する。文字列が空白文字や英数字以外の文字を含む場合にはクォートす る必要がある。引き数 string が ``0x'' で始まる場合には、この文字列は16 進の文字定数と解釈される。
- tek-copy()
- このアクションは、現在のウィンドウの表示を生成するために使ったエスケー プコードを、「COPY」で始まるファイル名でカレントディレクトリにコピーす る。このアクションは tekMenu の tekcopy エントリからも呼び出 される。
- tek-page()
- このアクションは、Tektronix ウィンドウをクリアする。このアクションは tekMenu の tekpage エントリからも呼び出される。
- tek-reset()
- このアクションは Tektronix ウィンドウをリセットする。このアクションは tekMenu の tekreset エントリからも呼び出される。
- vi-button()
-
イベントが起きた行番号から計算した制御シーケンスを表示して、ボタンイベ
ント(キーを押すことと離すことは除く)を処理する。行番号は現在の行からの
相対値である:
ESC ^P または ESC ^N
前者はイベントが現在の行より前で起きたことを表し、後者は現在の行より後 で起きたことを表す。^N (または ^P)は、イベントが現在の行より1行ずれて いるごとに1回ずつ繰り返される。ボタンイベントが現在の行で起きた場合に は、制御シーケンスは全て省略される。
- visual-bell()
- このアクションはウィンドウを瞬間的に点滅させる。
Tektronix ウィンドウでは以下のアクションも使用できる:
- gin-press(l/L/m/M/r/R)
- このアクションは指定されたグラフィックス入力コードを送る。
VT102 ウィンドウのデフォルトのバインディングは以下である:
Shift <KeyPress> Prior:scroll-back(1,halfpage) \n\ Shift <KeyPress> Next:scroll-forw(1,halfpage) \n\ Shift <KeyPress> Select:select-cursor-start() \ select-cursor-end(PRIMARY, CUT_BUFFER0) \n\ Shift <KeyPress> Insert:insert-selection(PRIMARY, CUT_BUFFER0) \n\ Shift <KeyPress> KP_Add:larger-vt-font() \n\ Shift <KeyPress> KP_Subtract:smaller-vt-font() \n\ ~Meta <KeyPress>:insert-seven-bit() \n\ Meta <KeyPress>:insert-eight-bit() \n\ !Ctrl <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ !Lock Ctrl <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ !Lock Ctrl @Num_Lock <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ ! @Num_Lock Ctrl <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ ~Meta <Btn1Down>:select-start() \n\ ~Meta <Btn1Motion>:select-extend() \n\ !Ctrl <Btn2Down>:popup-menu(vtMenu) \n\ !Lock Ctrl <Btn2Down>:popup-menu(vtMenu) \n\ !Lock Ctrl @Num_Lock <Btn2Down>:popup-menu(vtMenu) \n\ ! @Num_Lock Ctrl <Btn2Down>:popup-menu(vtMenu) \n\ ~Ctrl ~Meta <Btn2Down>:ignore() \n\ Meta <Btn2Down>:clear-saved-lines() \n\ ~Ctrl ~Meta <Btn2Up>:insert-selection(PRIMARY, CUT_BUFFER0) \n\ !Ctrl <Btn3Down>:popup-menu(fontMenu) \n\ !Lock Ctrl <Btn3Down>:popup-menu(fontMenu) \n\ !Lock Ctrl @Num_Lock <Btn3Down>:popup-menu(fontMenu) \n\ ! @Num_Lock Ctrl <Btn3Down>:popup-menu(fontMenu) \n\ ~Ctrl ~Meta <Btn3Down>:start-extend() \n\ ~Meta <Btn3Motion>:select-extend() \n\ Ctrl <Btn4Down>:scroll-back(1,halfpage,m) \n\ Lock Ctrl <Btn4Down>:scroll-back(1,halfpage,m) \n\ Lock @Num_Lock Ctrl <Btn4Down>:scroll-back(1,halfpage,m) \n\ @Num_Lock Ctrl <Btn4Down>:scroll-back(1,halfpage,m) \n\ <Btn4Down>:scroll-back(5,line,m) \n\ Ctrl <Btn5Down>:scroll-forw(1,halfpage,m) \n\ Lock Ctrl <Btn5Down>:scroll-forw(1,halfpage,m) \n\ Lock @Num_Lock Ctrl <Btn5Down>:scroll-forw(1,halfpage,m) \n\ @Num_Lock Ctrl <Btn5Down>:scroll-forw(1,halfpage,m) \n\ <Btn5Down>:scroll-forw(5,line,m) \n\ <BtnUp>:select-end(PRIMARY, CUT_BUFFER0) \n\ <BtnDown>:bell(0)
Textronix ウィンドウのデフォルトのバインディングは以下である:
~Meta<KeyPress>: insert-seven-bit() \n\ Meta<KeyPress>: insert-eight-bit() \n\ !Ctrl <Btn1Down>: popup-menu(mainMenu) \n\ !Lock Ctrl <Btn1Down>: popup-menu(mainMenu) \n\ !Lock Ctrl @Num_Lock <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ !Ctrl @Num_Lock <Btn1Down>:popup-menu(mainMenu) \n\ !Ctrl <Btn2Down>: popup-menu(tekMenu) \n\ !Lock Ctrl <Btn2Down>: popup-menu(tekMenu) \n\ !Lock Ctrl @Num_Lock <Btn2Down>:popup-menu(tekMenu) \n\ !Ctrl @Num_Lock <Btn2Down>:popup-menu(tekMenu) \n\ Shift ~Meta<Btn1Down>:gin-press(L) \n\ ~Meta<Btn1Down>:gin-press(l) \n\ Shift ~Meta<Btn2Down>:gin-press(M) \n\ ~Meta<Btn2Down>:gin-press(m) \n\ Shift ~Meta<Btn3Down>:gin-press(R) \n\ ~Meta<Btn3Down>:gin-press(r)
keymap() アクションの使用例として、よく使う文字列を入力する特殊 キーを追加する方法を以下に示す。
*VT100.Translations: #override <Key>F13: keymap(dbx) *VT100.dbxKeymap.translations: \ <Key>F14: keymap(None) \n\ <Key>F17: string("next") string(0x0d) \n\ <Key>F18: string("step") string(0x0d) \n\ <Key>F19: string("continue") string(0x0d) \n\ <Key>F20: string("print ") insert-selection(PRIMARY, CUT_BUFFER0)
制御シーケンスとキーボード
文書「Xterm Control Sequences 」にはアプリケーションが xterm に送信して各種操作を行える制御シーケンスが列挙されている。 これらのほとんどの操作は、DEC や Tektronix の端末、あるいは ISO 6429 といった広く使われている規格を元に標準化されている。環境変数
xterm は環境変数 ``TERM'' にユーザが作ったウィンドウの大きさを設定する。 また、どのビットマップディスプレイ端末を使用するかを指定するために、 環境変数 ``DISPLAY'' を使用し、値を設定する。 環境変数 ``WINDOWID'' は、その xterm ウィンドウの X における ウィンドウ ID 番号を設定する。システム構成によって異なるが、xterm は以下の値も設定することがある:
- COLUMNS
- xterm の文字単位での幅 ("stty columns" を参照)。
- HOME
- xterm が utmp を更新するように設定されている場合。
- LINES
- xterm の文字単位での高さ ("stty rows" を参照)。
- LOGNAME
- xterm が utmp を更新するように設定されている場合。
- SHELL
- xterm が utmp を更新するように設定されている場合。
- TERMCAP
- $TERM に対応する termcap エントリの内容。 この値には、実際に生成されたウィンドウのサイズに基づいて 行数と桁数が代入される。
- TERMINFO
- 設定スクリプトにおいて、標準でない位置が定義されることがある。
ファイル
実際のパス名はシステムによって異なる場合がある。- /etc/utmp
- システムのログファイル。ユーザのログインが記録される。
- /etc/wtmp
- システムのログファイル。ユーザのログインとログアウトが記録される。
- /usr/lib/X11/app-defaults/XTerm
- xterm のデフォルトのアプリケーションリソース。
- /usr/lib/X11/app-defaults/XTerm-color
- xterm の色に関するアプリケーションリソース。 カラーディスプレイを使っている場合は *customization: -color を .Xdefaults に書いておけば、xterm と xterm 系の アプリケーションでは自動的にカラー表示が有効になる。
バグ
システムによっては大量のペーストがうまくできない。 これは xterm のバグではない; それらのシステムの仮想端末ドライバの バグである。 大量のペーストの際、xterm は pty がデータを受け付けられるだけの 速さでデータを渡すが、pty ドライバの中には書き込みの成功を判定できるだ けの情報を返さないものがある。
多くのオプションは、 xterm が起動してから再設定することができない。
このプログラムはまだ書き直しを行う必要がある。 非常に良くモジュール化されたセクションに切り分け、 完全に分割されて互いに無関係なウィジェットとなった 多数のエミュレータから構成されるべきである。 理想的には、ユーザが 好みのエミュレータウィジェットを選択して 1 個の制御ウィジェットに貼り 付けられるようにすべきである。
Tek COPY ファイル名のエントリを可能にするダイアログボックスが必要である。
作者
以下を含む非常に多数の方々:Loretta Guarino Reid (DEC-UEG-WSL), Joel McCormack (DEC-UEG-WSL), Terry Weissman (DEC-UEG-WSL), Edward Moy (Berkeley), Ralph R. Swick (MIT-Athena), Mark Vandevoorde (MIT-Athena), Bob McNamara (DEC-MAD), Jim Gettys (MIT-Athena), Bob Scheifler (MIT X Consortium), Doug Mink (SAO), Steve Pitschke (Stellar), Ron Newman (MIT-Athena), Jim Fulton (MIT X Consortium), Dave Serisky (HP), Jonathan Kamens (MIT-Athena), Jason Bacon <[email protected]>, Stephen P. Wall <[email protected]>, David Wexelblat, Thomas Dickey (XFree86 プロジェクト)