書式
xclipboard [ -toolkitoption ... ] [ -w ] [ -nw ]説明
xclipboard は他のクライアントが CLIPBOARD に送ったテキストセレク ションの収集と表示を行うプログラムである。このプログラムは普通、 後で利用するために CLIPBOARD セレクションを保存しておくために使われる。 CLIPBOARD セレクションのそれぞれは別の文字列として格納され、別々に選択 することが可能である。他のクライアントが CLIPBOARD セレクションの所有 権を要求する度に、xclipboard はこのセレクションの内容を新しいバッ ファに転送し、これをテキストウィンドウに表示する。 バッファが自動的に削除されることはないので、不要になったものを削除する には delete ボタンを使うことになる。xclipboard はクリップボードの内容の表示に Text ウィジェットを使 うので、CLIPBOARD に送られたテキストを再び選択して他のアプリケーション で使うこともできる。xclipboard は他のクライアントからの CLIPBOARD セレクションへのリクエストにも応答する。この際には、現在表示 しているバッファの内容の全てを送る。
xclipboard のウィンドウの最上部には以下のボタンが横向きに並んで いる:
- quit
- このボタンを押すとxclipboardは終了する。
- delete
- このボタンを押すと現在のバッファが削除され、次のバッファが表示される。
- new
- 内容が空である新しいバッファを作る。手動で新しい CLIPBOARD セレクショ ンを作る時に便利である。
- save
- ファイル保存ダイアログを表示する。 Accept ボタンを押すと、現在表示されているバッファがテキストフィールド で指定したファイルに保存される。
- next
- リスト中の次のバッファを表示する。
- previous
- 前のバッファを表示する。
オプション
xclipboard プログラムでは、X ツールキットの標準のコマンド行 オプションに加えて次のものを使うことができる:- -w
- このオプションを指定すると、クリップボード上で1行に表示するには長すぎ るテキストを次の行に折り返して表示する。
- -nw
- このオプションを指定すると、長いテキストの折り返し表示を行わない。これ はデフォルトの動作である。
ウィジェット
リソース指定を行うには、xclipboard を構成するウィジェットの階層 を知っておくと良いだろう。以下で使う記法においては、インデントで階層構 造を示す。また、ウィジェットのクラス名、ウィジェットのインスタンス名の 順番で記述する。
XClipboard xclipboard Form form Command Quit Command delete Command new Command Save Command next Command prev Label index Text text TransientShell fileDialogShell Dialog fileDialog Label label Command accept Command cancel Text value TransientShell failDialogShell Dialog failDialog Label label Command continue
クリップボードの内容の授受
あるクライアントが CLIPBOARD セレクションの所有権を取得した場合、 テキストは必ずクリップボードへとコピーされる。また、あるクライアントが CLIPBOARD セレクションの内容を要求した場合、テキストは必ずクリッ プボードからコピーされる。クリップボードを使うためにユーザがリソース設 定ファイルに指定する、イベントの関連づけの例を以下に挙げる:
*VT100.Translations: #override \ <Btn3Up>: select-end(CLIPBOARD) \n\ <Btn2Up>: insert-selection(PRIMARY,CLIPBOARD) \n\ <Btn2Down>: ignore ()
環境変数
- DISPLAY
- デフォルトのホストとディスプレイ番号を取得する。
- XENVIRONMENT
- RESOURCE_MANAGER プロパティに格納されているグローバルなリソースを上書 きするために使うリソースファイルの名前を取得。
ファイル
<XRoot>/lib/X11/app-defaults/XClipboard - 必要なリソースを指定著者
Ralph R. Swick, DEC/MIT Project AthenaChris D. Peterson, MIT X Consortium
Keith Packard, MIT X Consortium