xfd(1) X フォントの全ての文字を表示する

書式

xfd [-options ...] -fn fontname

説明

xfd ユーティリティはウィンドウを作成する。このウィンドウには、表 示されたフォントの名前、コマンドボタンの列、文字のメトリックを表示する テキストが数行、セル毎に 1 グリフを表示するグリッドが含まれる。フォン トの文字は、左から右、上から下の順に表示される。左上に表示される最初の 文字は、文字番号 0 の文字である。ただし -start オプションで使用 される番号によって変わる可能性がある。

フォント内の 1 文字を表示するのに十分な大きさのボックスのグリッド内に、 文字は表示される。各文字のグリフは、PolyText16 リクエストを用いて描画 される (Xlib のルーチンである XDrawString16 を使用する) 。 -box オプションが与えられている場合、各文字の周辺に長方形が描か れる。これは、ImageText16 リクエスト (Xlib ルーチンの XDrawImageString16 を使用する) が表示するバックグラウンドカラー によって描かれる。

グリッドセルの左上角に文字が描画されるように、普通各グリフの原点が設定 される。ただし、グリフの left bearing が負である場合、または ascent、 descent、right bearing のいずれかが非常に大きい場合 (例えば cursor フォント)、その文字のグリッドセルを外れて描画されるかもし れない。-center オプションは、全てのグリフを各セルの中央に配置 させることができる。

フォントの全ての文字が、一度にウィンドウに入るとは限らない。ウィンドウ の上部にある Next ボタンを押すと、グリフの次のページを見ることが できる。Prev を押すと前のページを見ることができ、また Quit を押すと xfd を終了させることができる。

個々の文字のメトリック (index, width, bearings, ascent, descent) は、 対象とする文字をクリックすることによってウィンドウの上部に表示される。

ウィンドウの上部に表示されたフォント名は、サーバによって確定されたフォ ントのフルネームである。メトリックとプロパティのより詳細な一覧だけでな く、フォントのリストを表示するには、xlsfonts を参考にすること。

オプション

xfd は、標準のツールキットのコマンド行オプション全てを利用できる。さらに以 下に示した追加オプションも利用できる。

-fn font
表示するフォントを指定する。これは、FontGrid の font リソースで も設定できる。フォントは必ず指定しなければならない。
-box
ImageText リクエストによって、バックグラウンドカラーで塗られた領域の輪 郭となる、ボックスの表示を指定する。 これは、FontGrid の boxChars リソースでも設定することができる。 デフォルトは False である。
-center
各グリフがグリッドの中央に位置するように指定する。これは、FontGrid の centerChars リソースでも設定できる。デフォルトは False で ある。
-start number
グリッドの左上角にある、グリフのインデックスを指定する。フォント内の 任意の位置にある文字を表示するために使用される。 これは、FontGrid の startChar リソースでも設定できる。デフォル トは 0 である。
-bc color
ImageText ボックスが描画される時に使用するカラーを指定する。 これは、 FontGrid の boxColor リソースでも設定できる。
-rows numrows
グリッドの行数を指定する。 これは、 FontGrid の cellRows リソースでも設定できる。
-columns numcols
グリッドの列数を指定する。 これは、FontGrid の cellColumns リソースでも指定できる。

ウィジェット

リソースを指定するために、xfd を構成するウィジェットを知っておく と便利である。下の表記は、字下げが階層型構造を示している。ウィジェット のクラス名が最初に記述され、続いてウィジェットのインスタンス名が記述さ れている。 アプリケーションのクラス名は Xfd である。

Xfd  xfd
     Paned  pane
          Label  fontname
          Box  box
               Command  quit
               Command  prev
               Command  next
          Label  select
          Label  metrics
          Label  range
          Label  start
          Form  form
               FontGrid  grid

フォントグリッド リソース

FontGrid ウィジェットは、Athena ウィジェットにおける Simple ウィジェッ トのサブクラスであり、アプリケーション特有のウィジェットである。このウ ィジェットのリソースの効果やインスタンス名は、オプション セクション で述べられている。リソースのインスタンス名における最初の文字を大文字に したものがクラス名である。

アプリケーション特有のリソース

アプリケーションに特有なリソースのインスタンス名を以下に記述した。一致 するクラス名を得るには、リソースのインスタンス名の最初の文字を大文字で 書くこと。 これらのリソースは、異なる言語用に xfd をローカライズするのでなければ、 あまり興味を引くものではない。
selectFormat
選択された文字に関する情報の表示に際して、printf スタイルのフォーマッ トである文字例の使用を指定する。 デフォルトは "character 0x%02x%02x (%u,%u) (%#o,%#o)" である。 フォーマットされた文字列の後に続く引き数は、char.byte1, char.byte2, char.byte1, char.byte2, char.byte1, char.byte2 である。 char.byte1 は、選択された文字の 1 バイト目である。 char.byte2 は、選択された文字の 2 バイト目である。
metricsFormat
文字のメトリックの表示に際して、printf スタイルのフォーマットである文 字列の使用を指定する。デフォルトは、 "width %d; left %d, right %d; ascent %d, descent %d (font %d, %d)" である。フォーマットされた文字列 の後に続く引き数は、文字のメトリック width, lbearing, rbearing, character ascent, character descent, font ascent, font descent である。
rangeFormat
現在表示される文字の範囲の表示に際して、printf スタイルのフォーマット である文字列の使用を指定する。 デフォルトは、"range: 0x%02x%02x (%u,%u) thru 0x%02x%02x (%u,%u)" であ る。フォーマットされた文字列の後に続く引き数は、フォントを開くと返される XFontStruct の以下のフィールドである。 min_byte1, min_char_or_byte2, min_byte1, min_char_or_byte2, max_byte1, max_char_or_byte2, max_byte1, max_char_or_byte2
startFormat
フォントグリッド左上角にある、先頭の文字に関する情報の表示に際して、 printf スタイルのフォーマットである文字列の使用を指定する。 デフォルトは、"upper left: 0x%04x (%d,%d)" である。 フォーマットされた文字列の後に続く引き数は、新しい文字、新しい文字の上位 バイト、新しい文字の下位バイトである。
nocharFormat
選択された文字が存在しないときに表示する、printf スタイルのフォーマッ トである文字列を指定する。 デフォルトは、"no such character 0x%02x%02x (%u,%u) (%#o,%#o)" である。 フォーマットされた文字列の後に続く引き数は、selectFormat リソース と同じである。

バグ

プログラムは、文字が 1 つもないページを飛ばすべきである。

著者

Jim Fulton, MIT X Consortium; Mark Lillibridge, MIT Project Athena (以前存在していた同名のプログラム の著者)