説明
nscd は一般的なネームサービスに必要な多くのものを キャッシュとして提供するデーモンである。 デフォルトの設定ファイル /etc/nscd.conf でキャッシュデーモンの動作を決定する。 nscd.conf(5) を見よ。nscd は passwd(5), group(5), hosts(5) データベースへのアクセスのキャッシュを getpwnam(3), getpwuid(3), getgrnam(3), getgrgid(3), gethostbyname(3) などの標準 libc インターフェースを通して提供する。
各データベースには 2 つのキャッシュがある。 肯定的 (positive) なキャッシュは見つかったアイテムをキャッシュし、 否定的 (negative) なキャッシュは見つからなかったアイテムをキャッシュする。 各キャッシュはデータの TTL (time-to-live, 生存時間) を個別に持っている。 特例として shadow ファイルはキャッシュされない点に注意すること。 getspnam(3) を呼び出しても結果としてキャッシュされないままになる。
オプション
- --help
- 全てのオプションとその動作をリストして表示する。
注意
デーモンは( passwd データベースについては /etc/passwd、 hosts データベースについては /etc/hosts と /etc/resolv.conf というような)それぞれのデータベースのための設定ファイルを見張って、 これらが変更されるとキャッシュをフラッシュする。 しかし、これは( inotify(7) が利用可能で、glibc 2.9 以降が利用可能な場合を除いて) 短い遅延の後に起こり、またこの自動検出は非標準 NSS モジュールが /etc/nsswitch.conf で指定されている場合はその設定ファイルには対応しない。 この場合、データベースの設定ファイルを変更した後、 nscd のキャッシュを無効にするために以下のコマンドを実行する必要がある:
$ nscd -i <database>