書式
#include <math.h>
double scalbln(double x, long int exp);
float scalblnf(float x, long int exp);
long double scalblnl(long double x, long int exp);
double scalbn(double x, int exp);
float scalbnf(float x, int exp);
long double scalbnl(long double x, int exp);
-lm でリンクする。
glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):
scalbln(), scalblnf(), scalblnl():
-
_XOPEN_SOURCE >= 600 || _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
or cc -std=c99
scalbn(), scalbnf(), scalbnl():
-
_BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 600 || _ISOC99_SOURCE
|| _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
or cc -std=c99
説明
これらの関数は最初の引き数 x に FLT_RADIX の exp 乗を掛ける (FLT_RADIX はおそらく 2 である)。つまり、以下の式の値を返す。x * FLT_RADIX ** exp
FLT_RADIX の定義は <float.h> をインクルードすることで得られる。
返り値
成功すると、これらの関数は x * FLT_RADIX ** exp を返す。x が NaN の場合、NaN が返される。
x が正の無限大 (負の無限大) の場合、正の無限大 (負の無限大) が返される。
x が +0 (-0) の場合、+0 (-0) が返される。
結果がオーバーフローする場合、 範囲エラー (range error) が発生し、 各関数はそれぞれ HUGE_VAL, HUGE_VALF, HUGE_VALL を返す。符号は x と同じになる。
結果がアンダーフローする場合、範囲エラーが発生し、 各関数は 0 を返す。符号は x と同じになる。
エラー
これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7) を参照のこと。以下のエラーが発生する可能性がある。
- 範囲エラー (range error)、オーバーフローの場合
- オーバーフロー浮動小数点例外 (FE_OVERFLOW) が上がる。
- 範囲エラー (range error)、アンダーフローの場合
- アンダーフロー浮動小数点例外 (FE_UNDERFLOW) が上がる。
これらの関数は errno を設定しない。
バージョン
これらの関数は glibc バージョン 2.1 で初めて登場した。属性
マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
関数 scalbn(), scalbnf(), scalbnl(), scalbln(), scalblnf(), scalblnl() はスレッドセーフである。準拠
C99, POSIX.1-2001.注意
これらの関数は、 scalb(3) に説明がある廃止予定の関数群とは二番目の 引き数の型が異なる。このページで説明する関数群は、二番目の引き数の型が 整数である。これに対して scalb(3) に説明がある関数群は、二番目の 引き数の型が double である。FLT_RADIX が 2 の場合 (これが普通だが)、 その場合は scalbn() は ldexp(3) と等価である。
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。