Other Alias
fonts.dir, fonts.scale, fonts.alias, encodings.dir書式
mkfontdir [-x suffix] [-r] [-p prefix] [-e encoding-directory-name] ... [--] [directory-name ... ]説明
引き数で指定したディレクトリのそれぞれに対し、 mkfontdir は "FONT" という名前のプロパティを探すか、(それに失敗した場合)拡張子を取り除いた 名前を探すことにより、そのディレクトリ内の全てのフォントファイルを読む。 これらの名前は小文字に変換されてフォント名として使われ、ディレクトリ内 の "fonts.dir" ファイルに出力される。 X サーバとフォントサーバは "fonts.dir" を使ってフォントファイルを見つ ける。mkfontdir が読む込むフォントの種類は設定パラメータによって決まる が、通常は PCF(拡張子 ".pcf"), SNF(拡張子 ".snf"), BDF(拡張子 ".bdf") 等である。 1 つのフォントに対して複数フォーマットのファイルがある場合の優先順位は、 PCF, SNF, BDF である。
fonts.dir の最初の行にはファイル中のフォント数が書かれる。 残りの行においては、1行につき1つのフォントが記述される。これは2つの項 目を含む。最初の項目はフォントのファイル名であり、空白を挟んだ次の項目 はフォント名である。
スケーラブルフォント
通常、スケーラブルフォントのファイルは X のフォント名を含まないため、 ディレクトリ内のスケーラブルフォントを指定するためには "fonts.scale" ファイルを使う。 mkfontdir は、このファイルに列挙されたフォントを fonts.dir にコピーする。 "fonts.scale" のフォーマットは "fonts.dir" と同じである。フォント名エイリアス
"fonts.alias" ファイルは既にあるフォントに新しい名前を対応づけるために 使われる。このファイルはフォントパス内の任意のディレクトリに置くことが できるが、内容は手で編集しなければならない。このファイルの形式は、 2つの項目を空白で区切ったものである。最初の項目はエイリアスであり、次 の項目はフォント名のパターンである。 "!" で始まる行はコメント行であり、無視される。エイリアスと値のいずれでもフォント名の size 項目が指定されていない場合、 これは スケーラブルなエイリアスである。このエイリアスにマッチする任意のサイズ のフォント名は、エイリアスを解決して得られる同じサイズのフォントに対応 づけられる。
フォント名エイリアスを使った場合、エイリアスが名前を参照する際の 検索方法は通常と同じである。 つまり、各フォントディレクトリが順番に検索される。 これは、エイリアスはエイリアスファイルと同じディレクトリにある フォントを記述する必要はないということである。
名前の途中に空白を含めるためには、単に二重引用符(")で囲む。二重引用符 (または他の任意の文字)を含めるためには、バックスラッシュで囲む。以下に その例を挙げる。
"magic-alias with spaces" "\"font name\" with quotes" regular-alias fixed
文字列 "FILE_NAMES_ALIASES" が単独で行に現れた場合、そのフォントに対す るエイリアスとしてはディレクトリ内のファイル名(の拡張子を取り除いたも の)が使われる。
エンコーディングファイル
オプション -e を使うと、ディレクトリをエンコーディングファイル付きで指定できる。 このように指定された全てのディレクトリからエンコーディングファイルが 検索され、そのリストが各フォントディレクトリに "encodings.dir" という 名前で書き出される。 "encodings.dir" ファイルは、サーバがエンコーディング情報を調べるために 使う。"encodings.dir" ファイルの書式は "fonts.dir" と同じである。 このファイルはエンコーディング名(「 文字集合のレジストリ-文字集合のエンコーディング 」の形式の文字列) をエンコーディングファイル名にマッピングする。
オプション
対応しているオプションは以下の通りである:- -e
- エンコーディングファイルが置かれているディレクトリを指定する。 -e オプションは複数回指定でき、指定された全てのディレクトリが読み込まれる。 項目の順序には意味がある。つまり、前のディレクトリで見つかった エンコーディングは後のディレクトリのものより優先されるからである。 また、同じディレクトリに置かれているエンコーディングファイルは 圧縮されている方が優先される。
- -p
- "encodings.dir" ファイルに出力する際、 エンコーディングファイルのパス名に付けるプレフィックスを指定する。 このプレフィックスは指定された文字列がそのまま使われる。 したがって、プレフィックスとパス名の間に `/' が必要ならば、 `/' をプレフィックス部分として明示的に指定しなければならない。
- -r
- "encodings.dir" ファイルを出力する際、相対パス指定のディレクトリを 相対パス指定のまま残す。 デフォルトの動作では、相対パス指定のエンコーディングディレクトリは カレントディレクトリを先頭に追加することにより、絶対パス指定に 変換される。このオプションを指定する位置には意味がある。つまり、 このオプションが適用されるのは、このオプションより後の -e に対してだけである。
- -x suffix
- suffix 型のフォントファイルを無視する。
- --
- オプション指定の終わりを示す。
ファイル
- fonts.dir
- ディレクトリ内のフォントとフォントを格納しているファイルのリスト。 mkfontdir が生成する。X サーバとフォントサーバは、フォントパスを 設定するときには必ずこのファイルを読む(xset(1) を参照)。
- fonts.scale
- ディレクトリ内のスケーラブルフォントのリスト。mkfontdir はこのファ イルの内容を fonts.dir にコピーする。
- fonts.alias
- フォント名エイリアスのリスト。 X サーバとフォントサーバは、フォントパスを設定するときには必ずこの ファイルを読む。
- encodings.dir
- 既知のエンコーディングと、それが格納されているファイルのリスト。 mkfontdir が生成する。 X サーバは、文字集合がわからないフォントを開くたびに このファイルを読み込む。