xfs(1) X のフォントサーバ

説明

xfs [-config configuration_file] [-daemon] [-droppriv] [-ls listen_socket] [-nodaemon] [-port tcp_port] [-user username]

説明

xfs は X ウィンドウシステムのフォントサーバである。 xfs は X ウィンドウシステムのディスプレイサーバにフォントを提供する。

サーバの起動

このサーバは通常、 /etc/rc.local のような起動ファイルを使ってシステム管理者が起動する。 また、特定のフォント群を使うために個人用のサーバを実行してもよい。

OPTIONS

-config configuration_file
フォントサーバが使う設定ファイルを指定する。 この引き数を指定しなければ、デフォルトのファイルとして /usr/X11R6/lib/X11/fs/config が使われる。
-ls listen_socket
既に待ち状態ソケットとして準備されているファイルディスクリプタを指定する。 このオプションが意図しているのは、追加の接続を処理するためにフォント サーバが自分のコピーを自動的に生成する際に、そのフォントサーバ自身が 使う場合だけである。
-port tcp_port
フォントサーバが接続を待つ TCP ポート番号を指定する。 デフォルトのポート番号は7100である。
-daemon
フォントサーバの起動時に、自動的に fork してバックグラウンドで 動作するように指示する。 このオプションを指定しなければ(かつデフォルトでデーモンとして 動作するように xfs を構築していなければ)、xfs は通常プロセスとして動作 する。
-droppriv
このオプションを指定すると、xfs はユーザ xfs およびグループ xfs の権限で動作しようとする( -user オプションを指定していない場合)。 このオプションはセキュリティ上の理由で用意されている。 というのも、ローカルおよびリモートの両方からのアクセスに対して、 xfs には未発見のバッファオーバーフローがあるかもしれないし、 他にも悪用できる抜け穴があるかもしれないからである。 このオプションに加えて、設定ファイルで "no-listen = tcp" も指定するとよいだろう。 このオプションを指定すると、xfs はまったく TCP ポートを使わない。
-nodaemon
xfs がデフォルトでデーモンとして(バックグラウンドで)動作するように構築 されている場合、このオプションを指定するとデーモンとしての動作は行われ ず、xfs は通常プロセスとして起動される。
-user username
このオプションは -droppriv とよく似ているが、ユーザ username として xfs が動作する点が異なる。

シグナル

SIGTERM
このシグナルはフォントサーバを正常終了させる。
SIGUSR1
このシグナルを使うと、フォントサーバは設定ファイルを再読み込みする。
SIGUSR2
このシグナルを使うと、フォントサーバはもしキャッシュを持っていれば フラッシュさせる。
SIGHUP
このシグナルを使うと、フォントサーバがリセットされ、全てのアクティブな 接続は切断され、設定ファイルが再読み込みされる。

設定

設定言語は、キーワードと値のペアを並べたものである。 それぞれのキーワードの後には `=' と設定したい値を続ける。

認識されるキーワードは以下の通りである:

catalogue (文字列のリスト)
フォントパス要素名の順序付きのリスト。 現在のところは "catalogue" というキーワードを使っていることで紛らわし いことになっているが、現在の実装で対応しているカタログはひとつ("all") だけである。 "all" カタログは指定されたフォントを全て含む。
alternate-servers (文字列のリスト)
このフォントサーバに対する、代理フォントサーバのリスト。
client-limit (cardinal)
このフォントサーバがサービスを拒絶しないで受け入れるクライアントの数。 この設定は、個々のフォントサーバの負荷を調節するのに便利である。
clone-self (boolean)
接続するクライアントの数が制限に達した時、 フォントサーバが自分の複製を作るかどうかを指定する。
default-point-size (cardinal)
サイズが指定されていないフォントのデフォルトのポイントサイズ(単位は 1/10 ポイント)。 デフォルト値は 120 である。
default-resolutions (解像度のリスト)
サーバがデフォルトで対応する解像度。 この情報は、プレレンダリングのヒントとして使われたり、解像度が指定され ていないスケールフォントの値を決めるために使われることがある。 ひとつの解像度は、x, y の解像度の組をコンマで区切って表す(単位はピクセル毎インチ)。 解像度が複数個ある場合は、解像度をコンマで区切って並べる。
error-file (文字列)
エラーファイルのファイル名。 全てのウォーニングとエラーがここに記録される。
no-listen (通信の種類)
無効にする通信の種類。例えば、"no-listen tcp" を指定すると、 TCP/IP で接続できなくなる。
port (cardinal)
サーバが接続待ちをする TCP ポート。
use-syslog (boolean)
(syslog に対応しているシステムにおいて)エラー出力に syslog(3)を使うか どうかを指定する。
deferglyphs (文字列)
グリフの遅延引き出しとキャッシュのモードを指定する。 指定できる値は "none" (遅延グリフを使用しない), "all" (全てのフォント に適用する), "16" (16 ビットフォントだけに適用する)である。

設定例

#
# フォントサーバの設定ファイルの例
#
# 10 クライアントまでフォントサーバへの接続を許可する。
client-limit = 10
# フォントサーバへの接続数が制限に達したら、新しいフォントサーバを起動する。
clone-self = on
# クライアントが使える代理フォントサーバ
alternate-servers = hansen:7101,hansen:7102
# フォントを探す場所の指定:
# 最初に Speedo フォントのアウトラインフォントを探し、次に misc 
# フォントのビットマップを探し、最後に 100dpi フォントのビットマップを探す
# 
catalogue = /usr/X11R6/lib/X11/fonts/speedo,
        /usr/X11R6/lib/X11/fonts/misc,
        /usr/X11R6/lib/X11/fonts/100dpi/
#  12 point で (単位は 1/10 ポイント)
default-point-size = 120
# 100 x 100 と 75 x 75
default-resolutions = 100,100,75,75
use-syslog = off

フォントサーバの名前

TCP 接続を受けるフォントサーバの指定には、以下の書式のいずれかが使用 できる:

    tcp/hostname:port
    tcp/hostname:port/cataloguelist

hostname はフォントサーバが動作しているマシンの名前 (または10進表記でのアドレス)を指定する。 port はフォントサーバが接続待ちをしている TCP ポートの番号 (10進表記)である。 cataloguelist はカタログ名のリストを指定する。リストの区切り文字は '+' である。

指定例: tcp/fs.x.org:7100, tcp/18.30.0.212:7101/all.

DECnet 接続を受けるフォントサーバの指定には、以下の書式のいずれかが 使用できる。

    decnet/nodename::font$objname
    decnet/nodename::font$objname/cataloguelist

nodename はフォントサーバが動作しているマシンの名前(または 10進表記でのアドレス)を指定する。 objname は通常の DECnet のオブジェクト名である(大文字・小文字は 区別しない)。 cataloguelist はカタログ名のリストを指定する。リストの区切り文字は '+' である。

例: DECnet/SRVNOD::FONT$DEFAULT, decnet/44.70::font$special/symbols.

バグ

複数個のカタログを扱えるようにすべきである。

作者

Dave Lemke, Network Computing Devices, Inc
Keith Packard, Massachusetts Institute of Technology