magic_file(3) マジックナンバー識別ライブラリ

Other Alias

magic_open, magic_close, magic_error, magic_buffer, magic_setflags, magic_check, magic_compile, magic_load

ライブラリ

Lb libmagic

書式

In magic.h Ft magic_t Fn magic_open int flags Ft void Fn magic_close magic_t cookie Ft const char * Fn magic_error magic_t cookie Ft int Fn magic_errno magic_t cookie Ft const char * Fn magic_file magic_t cookie, const char *filename Ft const char * Fn magic_buffer magic_t cookie, const void *buffer, size_t length Ft int Fn magic_setflags magic_t cookie, int flags Ft int Fn magic_check magic_t cookie, const char *filename Ft int Fn magic_compile magic_t cookie, const char *filename Ft int Fn magic_load magic_t cookie, const char *filename

説明

これらの関数は magic(4) に記述されている magic データベースファイルを操作する。

関数 Fn magic_open はマジッククッキーポインタを生成して返す。 マジッククッキーの割り当てにエラーがあった場合、 この関数は NULL を返す。 flags 引き数は、他のマジック関数の挙動を指定する。

MAGIC_NONE
特別な処理を行わない。
MAGIC_DEBUG
標準エラー出力にデバッグメッセージを表示する。
MAGIC_SYMLINK
クエリしたファイルがシンボリックリンクであった場合は、それを辿る。
MAGIC_COMPRESS
ファイルが圧縮されていた場合は、展開して内容を読み込む。
MAGIC_DEVICES
ファイルがブロックスペシャルデバイスまたは キャラクタスペシャルデバイスであった場合、 デバイスをオープンして内容を読み込もうとする。
MAGIC_MIME
説明文ではなく mime 文字列を返す。
MAGIC_CONTINUE
最初にマッチしたものだけではなく、マッチした全てを返す。
MAGIC_CHECK
magic データベースの整合性をチェックし、 標準エラー出力に警告を表示する。
MAGIC_PRESERVE_ATIME
utime(2) または utimes(2) をサポートするシステムでは、 解析されたファイルのアクセス時刻を保存しようとする。
MAGIC_RAW
印刷不能文字を \ooo のような 8 進数表現に変換しない。
MAGIC_ERROR
ファイルやシンボリックリンクをオープンしようとしている間に OS のエラーが起こった場合、 マジックバッファにエラーを表示せず、実際のエラーとして扱う。

Fn magic_close 関数は magic(4) データベースをクローズして、使用されている全てのリソースを解放する。

Fn magic_error 関数は最後に発生したエラーの説明文を返す。 エラーがない場合は NULL を返す。

Fn magic_errno 関数はシステムコールによって最後に発生した OS エラーの番号 (errno3) を返す。

Fn magic_file 関数は filename 引き数で指定されたファイルの内容についての説明文を返す。 エラーが起った場合は NULL を返す。 filename が NULL の場合は標準入力を使う。

Fn magic_buffer 関数はバイトサイズ length の引き数 buffer の内容について、説明文を返す。

Fn magic_setflags 関数は上記の flags を設定する。

Fn magic_check 関数を使って、データベースファイルのエントリが有効であるかを検証できる。 検証されるデータベースは、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename で指定される。 filename が NULL の場合はデフォルトのデータベースを検証する。 検証が成功した場合は 0 を返し、 失敗した場合は -1 を返す。

Fn magic_compile 関数を使って、データベースをコンパイルできる。 コンパイルされるデータベースは、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename で指定される。 filename が NULL の場合は、デフォルトのデータベースがコンパイルされる。 コンパイルが成功した場合は 0 を返し、 失敗した場合は -1 を返す。 コンパイルして生成されたファイルの名前は、 各ファイル引き数に basename(1) を適用して ".mgc" を追加したものになる。

何かマジッククエリを実行する前には、 Fn magic_load 関数を使ってデータベースファイルをロードしなければならない。 ロードするデータベースは、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename で指定される。 filename が NULL の場合は、デフォルトのデータベースがロードされる。

デフォルトのデータベースファイルは、 環境変数 MAGIC によって名前が指定される。 この環境変数が設定されない場合、 デフォルトのデータベースファイル名は /usr/share/file/magic である。

Fn magic_load データベースファイル名に ".mime" と ".mgc" を適宜追加する (どちらか一方の場合もある)。

返り値

関数 Fn magic_open が成功した場合はマジッククッキーが返される。 失敗した場合は NULL が返されて、 errno が適切な値に設定される。 サポートされていない値がフラグに指定された場合、 errno が EINVAL に設定される。 Fn magic_load , Fn magic_compile , Fn magic_check 関数が成功した場合は 0 が返され、失敗した場合は -1 が返される。 Fn magic_file , Fn magic_buffer 関数が成功した場合は文字列が返され、失敗した場合は NULL が返される。 Fn magic_error 関数は上記の関数のエラーの説明文を返す。 エラーがない場合は NULL を返す。 そして、 utime(2) または utimes(2) がサポートされていないシステムで MAGIC_PRESERVE_ATIME が設定されると、 Fn magic_setflags は -1 を返す。

ファイル

/usr/share/file/magic.mime
コンパイルされていないデフォルトの magic mime データベース。
/usr/share/file/magic.mime.mgc
コンパイル済みのデフォルトの magic mime データベース。
/usr/share/file/magic
コンパイルされていないデフォルトの magic データベース。
/usr/share/file/magic.mgc
コンパイル済みのデフォルトの magic データベース。

著者

Mans Rullgard が最初の libmagic の実装と構成を行った。 Christos Zoulas は API を整理し、 エラーコードと (マジッククッキーの) 割り当てを実装した。