utime(2) ファイルの最終アクセス時刻と修正時刻を変更する

Other Alias

utimes

書式

#include <sys/types.h>
#include <utime.h>


int utime(const char *filename, const struct utimbuf *times);

#include <sys/time.h>

int utimes(const char *filename, const struct timeval times[2]);

説明

備考: 最近のアプリケーションの場合、 utimensat(2) で説明されているインターフェースを使いたいと思うかもしれない。

utime() システムコールは filename で示される inode のアクセス時刻と修正時刻を times 中の actimemodtime にそれぞれ変更する。

timesNULL の場合、ファイルのアクセス時刻と修正時刻は現在の時刻に設定される。

タイムスタンプの変更は以下のいずれかの場合に許可される。 プロセスに適切な特権がある場合、 実効 (effective) ユーザ ID がファイルのユーザ ID と等しい場合、 times が NULL かつ、プロセスがファイルへの書き込み許可を持っている場合。

構造体 utimbuf は以下に示すようになっている。

struct utimbuf {
    time_t actime;       /* アクセス時刻 */
    time_t modtime;      /* 修正時刻 */
};

utime() システムコールは 1 秒の分解能でタイムスタンプを指定することができる。

utimes() は utime() と同様であるが、 times 引き数が構造体ではなく配列を参照する。 この配列の要素は timeval 構造体で、タイムスタンプの指定を 1 マイクロ秒の分解能で行うことができる。 構造体 timeval は以下に示す通りである。

struct timeval {
    long tv_sec;        /* 秒 */
    long tv_usec;       /* マイクロ秒 */
};

times[0] は新しいアクセス時刻を、 times[1] は新しい修正時刻を規定する。 times が NULL の場合、 utime() 同様、ファイルのアクセス時刻と修正時刻は現在の時刻に設定される。

返り値

成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は -1 が返され、 errno が適切に設定される。

エラー

EACCES
path を構成する何れかのディレクトリに検索許可がない (path_resolution(7) も参照すること)。
EACCES
times が NULL である。 または、呼び出し元の実効ユーザ ID がファイルの所有者と一致しない。 または、呼び出し元がそのファイルへの書き込み許可を持たず、 特権も持っていない (Linux の場合、ケーパビリティ CAP_DAC_OVERRIDECAP_FOWNER も持っていない)。または、
ENOENT
filename が存在しない。
EPERM
times が NULL でなく、かつ呼び出し元の実効 UID がファイルの所有者と一致せず、 かつ呼び出し元が特権を持っていない (Linux の場合、ケーパビリティ CAP_FOWNER を持っていない)。
EROFS
path が読み込み専用のファイルシステム上にある。

準拠

utime(): SVr4, POSIX.1-2001. POSIX.1-2008 は utime() を廃止予定としている。
utimes(): 4.3BSD, POSIX.1-2001.

注意

Linux では、不変 (immutable) ファイルのタイムスタンプを変更したり、 追加専用 (append-only) のファイルに現在時刻以外のタイムスタンプを 設定したりすることは、許可されていない。

libc4 と libc5 では、 utimes() は単に utime() のラッパー (wrapper) である。 そのため秒以下を指定することはできない。

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。