警告
kerneld は Linux カーネル 2.1.90 の時点で obsolete となり、 kmod カーネルスレッドと cron エントリによって置き換えられた。 2.0 カーネルを使っているのでなければ、 kerneld は使おうなどとも思わないほうがよい。書式
kerneld [ debug ] [ keep ] [ delay=<seconds> ] [ type=<message number> ]説明
kerneld は未使用モジュールを自動削除するほか、 専用の IPC メッセージキューを経由してカーネルからのリクエストに応答し、 カーネルの特定のタスクをユーザ空間で実行する。 ユーザ空間からこのキューへのアクセスは、 以下の操作でキューをオープンすることによって行える:
qid = msgget(IPC_PRIVATE, 0600 | IPC_KERNELD);
各タスクはメッセージタイプを使ってリクエストする。 これは <linux/kerneld.h> で指定されている。
kerneld メッセージの構造体は以下の通り。
struct kerneld_msg { long mtype; long id; char text[1]; };
ここで id フィールドは kerneld
からカーネルへの応答メッセージの数として使われる。
id フィールドが 0 ならば、kerneld からの応答はないということである。
(なお、要求側の pid をプロトコルヘッダに入れる、
新しい構造体が提案されている。)
応答が求められた場合には、kerneld の動作の終了ステータスが id フィールドに格納される。
text フィールドは、特定の kerneld 動作に カーネルから渡されたパラメータを保持するために使われる。
オプションを以下に示す:
- debug
- デバッグ機能を有効にすると、タスクを実行する度に kerneld の現在のステータスを見ることができるようになる。 デバッグ機能や他の全てのパラメータの制御は kdstat ユーティリティで行える。
- keep
- keep オプションを指定すると kerneld はアンロード中のモジュールに対する全てのリクエストを無視する。 このオプションは、(何らかの理由で) モジュールがアンロードされることが全く起こらないシステムでは 役立つかもしれない。 このオプションは、毎分 (あるいは <delay> 秒ごとに) 実行される未使用のモジュールの自動削除も禁止する。
- delay=<seconds>
- delay オプションは未使用モジュールの削除に関する kerneld のタイムアウト時間を変更する。 デフォルトの 60 秒から任意の時間に変更できる。
- type=<message type>
- デフォルトのタイプは -255 である。これは、kerneld がタイプの値が 255 以下である全てのメッセージを監視するという意味である。 正の数を指定すると、kerneld は指定されたタイプのメッセージだけを監視する。
kerneld はエラーメッセージを syslog の LOG_DAEMON ファシリティに送る。