書式
#include <linux/aio_abi.h> /* 必要な型の定義 */
int io_submit(aio_context_t ctx_id, long nr, struct iocb **iocbpp);
注: このシステムコールには glibc のラッパー関数は存在しない。「注意」の節を参照。
説明
io_submit() システムコールは、AIO コンテキスト ctx_id に nr 個 の I/O リクエストを処理待ちとしてキューに追加する。 iocbpp 引き数は、 AIO コンテキスト ctx_id に登録される nr 個の AIO 制御ブロックの 配列になっていなければならない。
返り値
成功すると、 io_submit() は登録した iocb の個数を返す (nr が 0 の場合は 0 を返す)。 失敗時の返り値については、「注意」の節を参照すること。エラー
- EAGAIN
- 何個かの iocb をキューに入れるのに必要なリソースが得られない。
- EBADF
- 先頭の iocb に指定されたファイル・ディスクリプタが無効である。
- EFAULT
- データ構造の中に無効なデータを指しているものがある。
- EINVAL
- ctx_id で指定された AIO コンテキストが無効である。 nr が 0 未満で ある。 *iocbpp[0] の iocb が適切に初期化されていないか、 指定された操作がその iocb 中のファイル・ディスクリプタに対して 無効 である。
- ENOSYS
- io_submit() はこのアーキテクチャでは実装されていない。
バージョン
非同期 I/O システム・コールは Linux 2.5 で初めて登場した。
準拠
io_submit() は Linux 固有であり、移植を想定したプログラムで 使用すべきではない。
注意
glibc はこのシステムコールのラッパー関数を提供していない。 syscall(2) を使ってこのシステムコールを起動することができる。 しかし、たいていは、このシステムコールを呼び出したいのではなく、libaio が提供している io_submit ラッパー関数を呼び出したい 場合がほとんどであろう。
libaio のラッパー関数では ctx_id 引き数に別の型 (io_context_t) が使われることに注意すること。 また、libaio のラッパー関数は、エラーの通知が通常の C ライブラリの 慣習にしたがっておらず、エラーの場合には負のエラー番号 (エラーの節に列 挙されている値の一つを負にしたもの) が返り値となる点にも注意すること。 syscall(2) 経由でシステムコールを起動すると、返り値は通常のエラー通 知の慣習に したがってものとなり、エラーの場合には -1 が返り、 errno にエラーを示す (正の) 値が設定される。
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。