io_setup(2) 非同期 I/O コンテキストを作成する

書式

#include <linux/aio_abi.h> /* 必要な型の定義 */
int io_setup(unsigned nr_events, aio_context_t *ctx_idp);

: このシステムコールには glibc のラッパー関数は存在しない。「注意」の節を参照。

説明

io_setup() システムコールは、 nr_events 個のイベントを 同時に実行に適した非同期 I/O (AIO) コンテキストの作成を行う。 ctx_idp 引き数 は、すでに存在する AIO コンテキストを指していてはならず、 io_setup() の呼び出しの前に 0 に初期化されていなければならない。 AIO コンテキストの作成に成功すると、 *ctx_idp に作成された AIO コンテキストへのポインタがセットされる。

返り値

成功した場合、 io_setup() は 0 を返す。 失敗時の返り値については、「注意」の節を参照すること。

エラー

EAGAIN
指定された nr_events がユーザが使用できるイベント数の上限を越えている。イベント数の上限は /proc/sys/fs/aio-max-nr で定義されている。
EFAULT
ctx_idp に無効なポインタが指定されている。
EINVAL
ctx_idp が初期化されていないか、指定された nr_events が内部の 制限値を越えている。また、 nr_events は 0 より大きい値に設定 すべきである。
ENOMEM
必要なカーネル・リソースを得られない。
ENOSYS
io_setup() がこのアーキテクチャでは実装されていない。

バージョン

非同期 I/O システム・コールは Linux 2.5 で初めて登場した。

準拠

io_setup() は Linux 固有であり、移植を想定したプログラムで 使用すべきではない。

注意

glibc はこのシステムコールのラッパー関数を提供していない。 syscall(2) を使ってこのシステムコールを起動することができる。 しかし、たいていは、このシステムコールを呼び出したいのではなく、
 libaio が提供している io_setup ラッパー関数を呼び出したい 場合がほとんどであろう。

libaio のラッパー関数では ctx_idp 引き数に別の型 (io_context_t *) が使われることに注意すること。 また、libaio のラッパー関数は、エラーの通知が通常の C ライブラリの 慣習にしたがっておらず、エラーの場合には負のエラー番号 (エラーの節に列 挙されている値の一つを負にしたもの) が返り値となる点にも注意すること。 syscall(2) 経由でシステムコールを起動すると、返り値は通常のエラー 通知の慣習に したがってものとなり、エラーの場合には -1 が返り、 errno にエラーを示す (正の) 値が設定される。

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。