hpftodit(1) groff -Tlj4 で用いるフォント記述ファイルを作成する

書式

hpftodit [ -sv ] [ -in ] tfm_file map_file font

-i コマンド行オプションとそのパラメータの間には空白があっても構いません。

解説

hpftodit は、HP のタグ付きフォントメトリックファイルから groff -Tlj4 で用いるフォントファイルを作成します。 tfm_file は、フォント作成に用いるタグ付きフォントメトリックファイル名です。 map_file は groff での文字名を記述したファイルです。 このファイルの各行は、下記のフォーマットから成ります。
n c1 c2 ...

ここで、 n はその文字の MSL 番号を与える 10 進の整数で、 c1, c2,... はその文字の groff 上の名前です。 font は、出力する groff フォントファイル名です。 groff フォントファイルは font という名前のファイルに出力されます。

特別フォント (カレントフォントの中に文字が見つからない場合に 検索されるフォント) に対しては -s オプションを指定する必要があります。 特別フォントは DESC ファイルの fonts コマンドで列挙します。特別フォント以外は列挙する必要はありません。 troff がそのフォントを最初に使用したときに自動的にマウントできるからです。

-i オプションが指定されていた場合、 hpftodit は各文字についてイタリック補正 (italic correction)、 左イタリック補正 (left italic correction) および 添字補正 (subscript correction) を自動生成します (これら補正パラメータの意味については、 groff_font(5) を参照してください)。

オプション

-v
バージョン番号を表示します。
-s
特別フォントであることを指定します。フォントファイルに special コマンドを追加します。
-in
各文字のイタリック補正を生成します。 文字幅とイタリック補正の和が、 n 設計単位と 「文字のバウンディングボックスの右端が文字の原点から どれだけ右にあるか」との和に等しくなるように イタリック補正が生成されます。 生成結果が負値になってしまう場合、 その値の代りに 0 がイタリック補正として使用されます。 Intellifont フォントでは、8782 設計単位で 1 em です。
同様に、各文字の添字補正も生成します。 そのフォントの傾斜パラメータの正接 (tangent) に そのフォントの x 方向の高さの 4/5 を掛けた値が、添字補正になります。 添字補正がイタリック補正より大きな値になってしまう 生成結果になった場合、 その値の代りにイタリック補正が添字補正として使用されます。
同様に、各文字の左イタリック補正も生成します。 左イタリック補正は、 n 設計単位と 「文字のバウンディングボックスの左端が文字の原点から どれだけ左にあるか」との和に等しくなるように生成されます。 左イタリック補正は、負値になる場合があります。
このパラメータは、通常はイタリック (または斜体) フォント でのみ必要とされます。

関連ファイル

u+2n
/usr/share/groff_font/devlj4/DESC デバイス記述ファイル
/usr/share/groff_font/devlj4/F
フォント F のフォント記述ファイル

バグ

このプログラムは、タグ付きフォントメトリック形式に関する 完全で公式な文書の助けを受けずに書かれました。 そのため、テストに使用した Laserjet 4 の内蔵フォントに似ていない tfm ファイルを扱おうとすると失敗する可能性があります。

TrueType tfm ファイルはサポートしていません。