書式
dpkg-genchanges [option...]説明
dpkg-genchanges は展開されてビルドされた Debian ソースツリーおよび生成されたファイルから情報を読み取り、Debian アップロード制御ファイル (.changes ファイル) を生成する。オプション
- -b, -B, -A
- バイナリのみのビルドが実行された (ソースファイルが含まれていない) ことを指定する。-b, -B, -A に差異はなく、生成された .changes ファイルには、ビルドされたパッケージの binary-* ターゲットによって生成されたすべてのファイルが含まれる。
- -S
- ソースのみがアップロードされる (バイナリパッケージは含まれていないこと) を指定する。
-sx オプションは、(-b, -B が使われておらず) 何らかのソースが生成された場合に、オリジナルのソースアーカイブがアップロードに含まれるかどうかを決定する。
- -si
- デフォルト、もしくは明示的にこのオプションが指定された場合は、アップストリームのバージョン番号 (epoch および Debian リビジョンを含まない) が以前の changelog エントリに記録されたアップストリームのバージョン番号と異なる場合にのみ、オリジナルのソースが含まれる。
- -sa
- 強制的にオリジナルのソースを含める。
- -sd
- 強制的にオリジナルのソースを除外し、差分情報のみを含める。
- -vversion
- version 以降のバージョンすべてから changelog 情報を生成する。
- -Cchanges-description
- ソースツリーの changelog ファイルからの情報ではなく、changes-description ファイルにある変更点の情報を使用する。
- -mmaintainer-address
- ソースツリーの control ファイルからの情報ではなく、maintainer-address で指定した情報を、このパッケージのメンテナの名前とメールアドレスとして使用する。
- -emaintainer-address
- ソースツリーの changelog ファイルからの情報ではなく、maintainer-address で指定した情報を、今回のアップロードのメンテナの名前とメールアドレスとして使用する。
- -Vname=value
- 変数を設定する。出力時の置換に関する詳細は、deb-substvars(5) を参照のこと。
- -Tsubstvars-file
-
変数の設定を substvars-file から読み取る。デフォルトは debian/substvars
である。出力フィールドについては、変数置換は行われない。ただし、特別な変数である Format
については、同じ名称のフィールドを上書きする。このオプションを複数回設定することで、複数のファイルから変数置換の設定を読み取ることができる。
- -Dfield=value
- 出力制御ファイルのフィールドを上書きもしくは追加する。
- -Ufield
- 出力制御ファイルのフィールドを削除する。
- -ccontrolfile
- 情報の読み取り元となる主なソース制御ファイルを指定する。デフォルトは debian/control。
- -lchangelog-file
- 情報の読み取り元となる changelog ファイルを指定する。デフォルトは debian/changelog。
- -ffiles-list-file
- debian/files の代わりに、アップロードされるファイルの一覧を読み取るファイルを指定する。
- -Fchangelog-format
- changelog ファイルのフォーマットを指定する。指定可能なフォーマットについての情報は、dpkg-parsechangelog(1) を参照のこと。
- -uupload-files-dir
- アップロード対象となるファイルを、.. ではなく upload-files-dir から探し出す (dpkg-genchanges は .changes ファイルにファイルサイズとチェックサムを含めるため、対象となるファイルを確認する必要がある)。
- -q
- 通常、dpkg-genchanges は標準エラー出力に対して、アップロードされたパッケージに含まれるソースファイルの数といった有用なメッセージを出力する。-q により、こうしたメッセージの出力が抑止される。
- -?, --help
- 利用方法を表示して終了する。
- --version
- バージョン情報を表示して終了する。
ファイル
- debian/files
- アップロードの準備の一部をなす、生成されたファイルのリスト。dpkg-genchanges は .changes ファイルを生成する際の情報をここから読み取る。