xwininfo(1) X のウィンドウ情報を表示するユーティリティ

書式

xwininfo [-help] [-id id] [-root] [-name name] [-int] [-children] [-tree] [-stats] [-bits] [-events] [-size] [-wm] [-shape] [-frame] [-all] [-english] [-metric] [-display display]

説明

xwininfo は、ウィンドウに関する情報を表示するユーティリティである。 選択したオプションにしたがって、様々な情報が表示される。 オプションが指定されなかった場合には、-stats を指定したものとみ なされる。

対象とするウィンドウを選択する方法は二つある。マウスによって選択する (そのウィンドウの中でマウスのボタンのいずれかをクリックする)方法と、コ マンドラインの -id オプションでウィンドウ ID を指定する方法であ る。 ウィンドウをIDで指定する代わりに、-name オプションを使って名前 でウィンドウを指定することもできる。 特殊なオプションである -root を指定すれば、スクリーンのルートウィ ンドウの情報を素早く得ることができる。

オプション

-help
コマンド文法の概要を出力する。

-id id
このオプションを使うことで、ユーザはマウスを使わずに、コマンド行か ら対象となるウィンドウを指定することができる。指定されるのは、ウィンド ウIDが id であるウィンドウである。 このオプションは、対象となるウィンドウがスクリーンにマップされなかった り、マウスの使用が不可能あるいはアプリケーションに干渉されるような、X アプリケーションのデバッグの際に便利である。

-name name
このオプションを使うことで、ユーザはマウスを使わずに、コマンド行か ら対象となるウィンドウを指定することができる。指定されるのは、名前が name であるウィンドウである。

-root
このオプションは、対象ウィンドウとして X のルートウィンドウを指定する。 このオプションは、ルートウィンドウが完全に他のウィンドウの陰になってい る場合に便利である。

-int
このオプションを使うと、全てのウィンドウのIDは10進数の値として表示され る。デフォルトでは、このIDは16進数の値で表示される。

-children
このオプションを使うと、選択したウィンドウのルートウィンドウ、親ウィン ドウ、子ウィンドウのIDと名前が表示される。

-tree
このオプションは -children と同様の動作であるが、全ての子孫ウィ ンドウを再帰的に表示する。

-stats
このオプションを指定すると、指定したウィンドウに関する位置や外見につい ての属性が表示される。 表示される情報は、ウィンドウの位置、幅と高さ、深さ、境界の幅、クラス、 (もしあれば)カラーマップID、マップの状態、バッキングストアのヒント、ウィ ンドウの隅の位置である。

-bits
このオプションを指定すると、指定したウィンドウに関する生のビット値や、 選択したウィンドウがどのように格納されているかについての属性が表示され る。 表示される情報は、選択したウィンドウの gravity ビット値、ウィンドウの gravity 値、バッキングストアのヒント、バッキングプレーン値、背景色ピク セル値、ウィンドウのセーブアンダの有無である。

-events
このオプションを指定すると、選択したウィンドウのイベントマスクが表示さ れる。 何らかのクライアントが求めるイベントのイベントマスクと、伝播しないイベ ントのイベントマスクの両方が表示される。

-size
このオプションを指定すると、ウィンドウのサイズヒントが表示される。 表示される情報は以下である: 通常サイズヒントとズームサイズヒント、 (もしあれば)ユーザが指定した位置、(もしあれば)プログラムが指定した位置、 (もしあれば)ユーザが指定したサイズ、(もしあれば)プログラムが指定したサ イズ、(もしあれば)最小と最大のサイズ、(もしあれば)サイズ変更の増分、 (もしあれば)最小と最大のアスペクト比。

-wm
このオプションを指定すると、選択したウィンドウのウィンドウマネージャに 対するヒントが表示される。 表示される情報は、アプリケーションが入力を受け付けるかどうか、ウィンド ウのアイコンウィンドウのIDと名前、ウィンドウのアイコンが表示されるべき 位置、ウィンドウが最初に表示されるべき位置、である。

-shape
このオプションを指定すると、選択したウィンドウとその境界の寸法が表示さ れる。
-frame
このオプションを指定すると、手動でウィンドウを選択する際にウィンドウマ ネージャのフレームも選択範囲に含まれる。

-metric
このオプションを指定すると、サーバが認識している解像度に基づいて、各ウィ ンドウの高さ、幅、x, y 座標をピクセル数とともにミリメートル単位でも表 示する。+x+y の形式でのジオメトリの指定は変化しない。
-english
このオプションを指定すると、各ウィンドウの高さ、幅、x, y 座標をピクセ ル数とともにインチ単位(必要に応じてフィート、ヤード、マイル単位)でも表 示する。このオプションと同時に、-metric オプションと -english オプションは同時に指定することもできる。

-all
このオプションは、表示可能な情報を全て問い合わせる簡単な方法である。

-display display
このオプションは、接続するサーバを指定する。 X(7) を参照すること。

オプションが指定されていない場合の動作の簡単な例を以下示す。

xwininfo: Window id: 0x60000f "xterm"


  Absolute upper-left X: 2
  Absolute upper-left Y: 85
  Relative upper-left X:  0
  Relative upper-left Y:  25
  Width: 579
  Height: 316
  Depth: 8
  Visual Class: PseudoColor
  Border width: 0
  Class: InputOutput
  Colormap: 0x27 (installed)
  Bit Gravity State: NorthWestGravity
  Window Gravity State: NorthWestGravity
  Backing Store State: NotUseful
  Save Under State: no
  Map State: IsViewable
  Override Redirect State: no
  Corners:  +2+85  -699+85  -699-623  +2-623
  -geometry 80x24+0+58

環境変数

DISPLAY
デフォルトのホストとディスプレイ番号を取得する。

バグ

-stats -bits オプションを使うと冗長な情報が表示される。

表示される -geometry 文字列には、ウィンドウ境界の幅、 アプリケーションやウィンドウマネージャの挙動などについての決め打ちが あるはずである。 その結果、得られる位置は必ずしも正しくない。

著者

Mark Lillibridge, MIT Project Athena