書式
xkbcomp [option] source [ destination ]説明
xkbcomp キーマップコンパイラは、XKB キーマップの記述をいくつかの出力フォーマッ トのいずれかに変換する。xkbcomp の最も一般的な使い方は、コンパイルされ たキーマップファイル(拡張子は .xkm)を生成することである。XKB 対応の X サーバやユーティリティは、このファイルを直接読み込むことができる。キー マップコンパイラを使って C のヘッダファイルや XKB ソースファイルを作る こともできる。xkbcomp で作った C のヘッダファイルは、X サーバや組み込 みのデフォルトキーマップを必要とするユーティリティからインクルードする ことができる。 xkbcomp で生成した XKB のソースファイルは完全に解決され、通常 XKB キーマップを構成するファイルが正しくマージされたことを調べるためや、 キーマップの完全な記述を含む1つのファイルを作るために用いることができ る。
source には X のディスプレイや .xkb ファイル、.xkm ファイルを指定することができる。明示的に指定しない限り、 destination のフォーマットはソースのフォーマットによって決まる。 デフォルトでは .xkb ファイル(キーマップのソース)をコンパイルする と .xkm ファイル(コンパイルされたキーマップファイル)が生成される。 ソースが .xkm か X のディスプレイの場合には、xkbcomp はデ フォルトではキーマップのソースファイルを生成する。
destination が X のディスプレイならば、このディスプレイに対する キーマップはコンパイルされたキーマップに更新される。
通常、destination の名前はソースの名前の拡張子を適切に置換して決 める。複数のマップを含むファイルから1つのマップをコンパイルする際には、 xkbcom は使用するマップの名前に適切な拡張子を追加して出力先のファ イルの名前を作る。
オプション
- -a
- 全てのキーボード情報を表示し、暗黙の情報と派生的に得られた情報をコメン トとしてレポートする。このオプションは .xkb フォーマットの出力に しか影響しない。
- -C
- C のヘッダファイルを出力する(拡張子 .h)。
- -dflts
- 任意の欠けている要素(キーの名前等)に対するデフォルト値を計算する。
- -Idir
- キーマップ記述にインクルードされるファイルを検索するトップレベルのディ レクトリを指定する。
- -l
- コマンド行に列挙された任意のファイル中の map パターンを指定 するマップを列挙する(このオプションは未実装である)。
- -m name
- 複数エントリを持つファイルからコンパイルされるマップを指定する。
- -merge
- コンパイルされた情報をサーバから得たマップとマージする(このオプション は未実装である)。
- -o name
- 生成される出力ファイルの名前を指定する。デフォルト値はソースの名前の拡 張子を出力されるフォーマットに合わせて置き換えたものである。
- -opt parts
- オプション部分のリストを指定する。オプション部分におけるコンパイルエラー は致命的なものではない。引き数 parts は、文字 c,g,k,s,t の組み合わせからなる。この文字 はそれぞれ互換マップ、ジオメトリ、キーコード、シンボル、タイプを示す。
- -Rdir
- 相対パス名のルートディレクトリを指定する。
- -synch
- X のリクエストを強制的に同期させる。
- -w lvl
- コンパイル時の警告の通知を制御する。警告レベル0ならば、全ての警告は無 視される。警告レベル10ならば、全ての警告が通知される。
- -xkb
- キーボード記述を出力として生成する(拡張子 .xkb)。
- -xkm
- コンパイルされたキーマップを出力として生成する(拡張子 .xkm)。
著作権
Copyright 1994, Silicon Graphics Computer Systems and X Consortium, Inc.権利と許諾に関する正式な声明については X(7) を参照すること。
著者
Erik Fortune, Silicon Graphics