XFreeDeviceList(3) 利用可能な入力デバイスの列挙

Other Alias

XListInputDevices

書式

XDeviceInfo *XListInputDevices(display, ndevices_return)

      Display *display;

      int *ndevices_return;

XFreeDeviceList(list)

      XDeviceInfo *list;

引き数

display
X サーバへの接続を指定。
ndevices_return
利用可能なデバイスの数を返す領域へのポインタを指定。
list
解放するデバイスの数を指定。 関数 XFreeDeviceList は、利用可能な拡張入力のデバイスのリストを 解放する。

説明

XListInputDevices リクエストは、利用可能な拡張デバイスのリストを返す。このリストには、現 在X サーバを通じて利用可能な X のポインタ、X のキーボード、その他の入 力デバイスが含まれる。さらにこのリストには、現在は利用可能でないが要求 すれば X サーバを通じてアクセスすることができる入力デバイスも含まれる。

サーバの実装によっては、サーバを初期化したときに全ての入力デバイスを利 用可能にするものがあるかもしれない。あるいは、クライアントが入力デバイ スへのアクセスを要求するときまで待つものもあるかもしれない。後者の場合 には、ある時には入力デバイスは利用可能としてリストされ、別の時にはリス トされないこともある。

サーバが利用可能な各入力デバイスについて、XListInputDevices リクエスト は XDeviceInfo 構造体を返す。この構造体は構造体のリストへのポインタを 含んでおり、リストの各要素はデバイスがサポートしている入力のクラス1つ に関する情報を持っている。

XDeviceInfo 構造体は以下のように定義されている。

typedef struct _XDeviceInfo
{
        XID             id;        
        Atom            type;
        char            *name;
        int             num_classes;
        int             use;
        XAnyClassPtr    inputclassinfo;
} XDeviceInfo;

id メンバは 0-128 の範囲の数字で、デバイスを一意に特定する。この数字は サーバが初期化を行ったときに割り当てられる。

type フィールドは Atom 型であり、デバイスの性質を示す。

name フィールドは、定義されているデバイスのタイプの1つに対応する、 NULL で終る文字列へのポインタを持つ。この名前は以下に示す文字列のいず れかである(ヘッダファイル XI.h で定義されている):

XI_MOUSE XI_TABLET XI_KEYBOARD XI_TOUCHSCREEN XI_TOUCHPAD XI_BUTTONBOX XI_BARCODE XI_TRACKBALL XI_QUADRATURE XI_ID_MODULE XI_ONE_KNOB XI_NINE_KNOB XI_KNOB_BOX XI_SPACEBALL XI_DATAGLOVE XI_EYETRACKER XI_CURSORKEYS XI_FOOTMOUSE

これらの名前は XDeviceInfo 構造体の name フィールドと直接比較すること ができ、また、XDeviceInfo 構造体の type フィールドと比較することができ るアトムを取得するために XInternAtom リクエストで使うことができる。

num_classes フィールドは 0-255 の範囲の値であり、ListInputDevices が返 す情報について、デバイスがサポートしている入力クラスの数を示す。入力ク ラスによっては、ListInputDevices が情報を全く返さないものもある(Focus クラスや Proximiti クラスなど)。

use フィールドはデバイスが現在どのように使用されているかを示す。この値 が IsXKeyboard ならば、現在このデバイスは X のキーボードとして使 われている。値が IsXPointer ならば、このデバイスは現在 X のポイ ンタとして使われている。また、値が IsXExtensionDevice ならば、こ のデバイスは拡張デバイスとして使用することができる。

inputclassinfo フィールドは、入力クラスに依存する最初のデータへのポイ ンタを持っている。この最初の2つのフィールドは全てのクラスで共通である。

class フィールドは 0-255 の範囲の数である。この数は情報が返される入力 のクラスを一意に区別する。現在定義されているクラスは、KeyClass, ButtonClass, ValuatorClass である。

length フィールドは 0-255 の範囲の数である。この数は、この入力クラスに 含まれているデータのバイト数を示す。この長さは class フィールドと length フィールドを含んでいる。

XKeyInfo 構造体は、デバイス上のキーの特性を記述する。これは以下のよう に定義されている:

typedef struct _XKeyInfo {
        XID                     class;
        int                     length;
        unsigned short          min_keycode;
        unsigned short          max_keycode;
        unsigned short          num_keys;
} XKeyInfo;

min_keycode は KEYCODE 型である。これはデバイスが通知する最小のキーコー ドを指定する。最小のキーコードは8未満にはならない。

min_keycode は KEYCODE 型である。これはデバイスが通知する最大のキーコー ドを指定する。最大のキーコードは255より大きくはならない。

num_keys はデバイスが持っているキーの数を示す。

XButtonInfo 構造体は、デバイス上のボタンの特性を定義する。これは以下の ように定義されている:

typedef struct _XButtonInfo {
        XID             class;
        int             length;
        short           num_buttons;
} XButtonInfo;

num_bottons はデバイスが持っているボタンの数を示す。

XValuatorInfo 構造体は、デバイス上のバリュエータの特性を定義する。これ は以下のように定義されている:

typedef struct  _XValuatorInfo {
        XID                     class;
        int                     length;
        unsigned char           num_axes;
        unsigned char           mode;
        unsigned long           motion_buffer;
        XAxisInfoPtr            axes;
} XValuatorInfo;

num_axes はデバイスがサポートしている軸の数を示す。

mode は定数であり、Absolute と Relative のいずれかである。デバイスによっ ては、SetDeviceMode リクエストによって mode を動的に変えることができる。

motion_buffer_size はデバイスの動作履歴バッファが持つことができる要素 数を示す基数である。

axis フィールドは XAxisInfo 構造体へのポインタを持つ。

XAxisInfo 構造体は以下のように定義されている:

typedef struct _XAxisInfo {
        int     resolution;
        int     min_value;
        int     max_value;
} XAxisInfo;

解像度は、カウント数/メートルの値を持つ。

min_value フィールドは、この軸に対してデバイスが通知する最小値を示す。 モードが Relative であるデバイスに対しては、min_value フィールドは 0 となる。

max_value フィールドは、この軸に対してデバイスが通知する最大値を示す。 モードが Relative であるデバイスに対しては、max_value フィールドは 0 となる。

XListInputDevices によって生成された XDeviceInfo の配列を 解放するには、XFreeDeviceList を使用すること。

返り値

無し。