書式
#include <wchar.h>
wchar_t *wcstok(wchar_t *wcs, const wchar_t *delim, wchar_t **ptr);
説明
wcstok() 関数は、 strtok(3) 関数に対応するワイド文字関数に、 マルチスレッドセーフの動作をさせるための引き数を追加したものである。 この関数を用いて、ワイド文字文字列 wcs をトークンに分解すること ができる。ここで、トークンは delim に列挙されている文字を含まな い部分文字列として定義される。検索は wcs が NULL でなければ wcs から開始され、wcs が NULL ならば *ptr から開始される。まず、全ての区切りワイド文字 がスキップされる。つまり、delim に含まれるワイド文字を超えるよう にポインタが前に進められる。 ワイド文字文字列の終わりに達したら、 wcstok() は NULL を返して トークンが全く見つからなかったことを示し、この後に wcstok() を呼び 出しても NULL が返されるように *ptr に適切な値を設定する。それ 以外の場合には、 wcstok() 関数はトークンの先頭を識別し、これを指す ポインタを返す。ただしこれを行う前に、トークンの後にある、delim に含まれている文字をヌルワイド文字 (L'\0') に置き換えること によってトークンを 0 で終端させる。さらに *ptr を更新し、後で wcstok() を呼び出した 際に、識別されたトークンの続きから検索できるようにする。
返り値
wcstok() 関数は次のトークンへのポインタを返す。トークンが見つから なければ NULL を返す。属性
マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
関数 wcstok() はスレッドセーフである。準拠
C99.注意
関数に与えたワイド文字列 wcs は、関数の動作によって完全に書き換 えられる。例
以下のコードは、ワイド文字文字列に含まれるトークンを取り出しながら ループする。
wchar_t *wcs = ...; wchar_t *token; wchar_t *state; for (token = wcstok(wcs, " \t\n", &state); token != NULL; token = wcstok(NULL, " \t\n", &state)) { ... }
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。