man twm (1): X ウィンドウシステム用のタブウィンドウマネージャ(Tab Window Manager)

書式

twm [ -display dpy ] [ -s ] [ -f initfile ] [ -v ]

説明

twm は X ウィンドウシステム用のウィンドウマネージャである。このウィンドウマネージャは、タイトルバー、非矩形ウィンドウ、複数の方法でのアイコン管理、ユーザ定義マクロ関数、キーボードフォーカス変更におけるクリックとポインタ移動の両方のサポート、ユーザ定義のキーとポインタのボタンの関連づけ等の機能を持つ。

通常、このプログラムはセッションマネージャか起動スクリプトによって起動される。セッションマネージャを使わずに xdm(1) または xinit(1) から起動するときには、twm は最後のクライアントとしてフォアグラウンドで実行されることが多い。このように実行した場合、 twm を終了するとセッションは終了する(つまりログアウトとなる)。

デフォルトではアプリケーションのウィンドウは、上部にタイトルバーがあり、ウィンドウの周りの特別な境界である「フレーム」で囲まれる。タイトルバーには、ウィンドウの名前、キーボードから入力できる時にハイライト状態になる長方形領域がある。またタイトルバーの右端と左端には「タイトルボタン」として知られる機能ボタンがある。

タイトルボタン上でポインタのボタン1(xmodmap を使って変更していなければ、普通は左端のボタン)を押すと、そのボタンに関連づけられた機能が呼び出される。デフォルトのインタフェースでは、左のタイトルボタン(点のように見えるボタン)をクリックする(ボタンを押し、すぐ離す)とウィンドウがアイコン化される。対応するアイコンかアイコンマネージャのエントリをクリックするとアイコン化を解除することができる(変数 ShowIconManager または関数 f.showiconmgr の説明を参照すること)。

右のタイトルボタン(四角が入れ子になっているもの)を押し、移動させたい辺を越えてポインタをドラッグし、ウィンドウの外形が望むようになったときにポインタを離すことにより、ウィンドウのサイズ変更を行うことができる。同様に、タイトルやハイライト領域を押し、ウィンドウの外形を新しい位置にドラッグし、外形が望む位置に移動したときに離すことにより、ウィンドウを移動させることができる。タイトルやハイライト領域を単にクリックすると、ウィンドウを移動させずに最前面に出すことができる。

新しいウィンドウを生成する際には、twm はユーザが要求したサイズと位置の情報を優先して扱う(通常はコマンド行オプション -geometry または個々のアプリケーションのリソースで指定される)。これが指定されていない場合には、ウィンドウのデフォルトの大きさの外形、タイトルバー、ウィンドウを 3x3 の格子に区切る線が表示される。これはポインタの動きに従って移動する。ポインタのボタン1を押すと、ウィンドウが現在の位置にデフォルトの大きさで配置される。ボタン2(通常は真ん中のボタン)を押して外形をドラッグすると、ウィンドウは現在の位置に配置されるが、前で説明した方法でリサイズすることができる。ボタン3(通常はポインタの右ボタン)をクリックすると、ウィンドウは現在の位置に配置されるが、ウィンドウの高さをスクリーンの最下部まで届くように変更しようとする。

オプション

Twm に対しては、以下のコマンド行オプションが指定できる。

-display dpy: 利用する X サーバを指定する。
-s: デフォルトのスクリーン(-display オプションや DISPLAY 環境変数で指定する)だけを管理することを指定する。デフォルトでは、twm はディスプレイ上の全てのスクリーンを管理しようとする。
-f filename: 使用する設定ファイルの名前を指定する。デフォルトでは twm はユーザのホームディレクトリの .twmrc.num (num はスクリーン番号) または .twmrc という名前のファイルを探す。
-v: twm が予期しない X のエラーイベントを受け取ったとき、必ずエラーメッセージを出力するように指定する。このオプションはアプリケーションのデバッグ時には便利であるが、通常の使用時には邪魔かもしれない。

カスタマイズ

twm の見栄えと挙動のほとんどは設定ファイルで制御できる。設定ファイルは以下で挙げる場所のいずれかに置かれる(twm の起動時に管理されているスクリーンそれぞれに対して順番に検索される)。

$HOME/.twmrc.screennumber: screennumber はスクリーン番号(環境変数 DISPLAY host:displaynum.screennum の最後の数)を表す正の小さい数(0,1等)であり、そのディスプレイのスクリーンと接続するために用いられる。これは異なるビジュアルタイプの複数のスクリーンを持つディスプレイのためのものである。
$HOME/.twmrc: 個別ユーザの設定ファイルの通常の名前である。
<XRoot>/lib/X11/twm/system.twmrc: 先に挙げたファイルのいずれも見つからない場合、twm はこのファイルを使ってデフォルトの設定を行う。サイト管理者がこのファイルを修正してメニューを便利にしたり、初心者に使いやすい操作にすることも多い。<XRoot> は X11 をインストールしたディレクトリを指す。

設定ファイルがまったく無い場合には、twm は上述のような組み込みのデフォルトの動作をする。twm が使う唯一のリソースは bitmapFilePath である。これはビットマップファイルを探すときに検索するディレクトリをコロンで区切って並べたリストである(詳しくは Athena Widgets のマニュアルと xrdb(1) を参照すること)。

Twm の設定ファイルの内容は論理的には3つのタイプ指定、すなわち変数、関連づけ、メニューに分類できる。変数セクションにはフォント、色、カーソル、境界幅、アイコンとウィンドウの配置、ハイライト、自動レイズ、タイトルバーのレイアウト、ワープ、アイコンマネージャの利用について記述する。このセクションは最初でなければならない。 関連づけ セクションは普通は2番目にある。このセクションでは、キーボードやアイコン、タイトル、フレームの内側でキーボードやボタンが押されたときに呼び出される関数を指定する。メニュー セクションでは、ユーザ定義のメニューを設定する(呼び出される関数や実行されるコマンドも指定する)。

変数名やキーワードでは大文字・小文字は区別されない。文字列はダブルクォート文字で括らなければならず(例: "blue")、また大文字・小文字は区別される。文字列の外側にポンド記号(#)があると、その行における以降の部分はコメントとして扱われる。

変数

twm のユーザインタフェースは、ユーザ各自の設定ファイルを設定することにより、さまざまな点を制御できる。オプションには特定キーワードの有無によって有効・無効になるものや、キーワード、数値、文字列、またはこれらのリストを必要とするものがある。

リストは中括弧("{}")で括られ、要素は普通、空白文字か改行で区切られる。以下に例を示す:

AutoRaise { "emacs" "XTerm" "Xmh" }

または

AutoRaise
{
   "emacs"
   "XTerm"
   "Xmh"
}

ウィンドウを表す文字列のリストを含む変数を調べる場合(例えば、先に述べた自動レイズの有効・無効を指定する場合)、文字列はウィンドウ名(ウィンドウの WM_NAME プロパティで与えられる)、リソース名、クラス名(いずれもウィンドウの WM_NAME プロパティで与えられる)に対して大文字・小文字も含めて正確に一致しなければならない。先に挙げた例では、``emacs'' という名前のウィンドウ、任意の xterm のウィンドウ(クラスが ``XTerm'' だから)、任意の xmh のウィンドウ(クラスが ``Xmh'' だから)の自動レイズが有効となる。

ファイル名として解釈される文字列である引き数(後述の Pixmaps, Cursors, IconDirectory を参照)は、最初の文字がチルダ (~)ならばユーザのディレクトリ(環境変数 HOME で指定される)の後に追加される。最初の文字がコロン(:)ならば、その名前はデフォルトのタイトルバーのシンボルを生成するために使われる内部ビットマップのどれかを参照しているものとして扱われる。利用できるビットマップは :xlogo または :delete (どちらも X のロゴを指す), :dot または :iconify (どちらも点を指す), :resize (リサイズのボタンに使われる入れ子になっている四角形), :menu (線が入ったページ), :question (存在しないビットマップファイルに対して使われる疑問符)である。

以下の変数は twm 設定ファイルの先頭で使うことができる。ウィンドウ名プレフィックス文字列のリストは win-list で示す。省略可能な引き数は大括弧("[]")内に示す。

AutoRaise { win-list }

この変数は、ポインタがウィンドウ内部に入ったときに自動的にレイズされるウィンドウのリストを指定する。関数 f.autoraise を使ってこの動作を個別のウィンドウに対して対話的に有効/無効にすることができる。

AutoRelativeResize

この変数はウィンドウサイズをドラッグで調整するとき(最初にポインタのボタン2でウィンドウサイズを指定するときや、サイズ変更を行うとき)、ポインタがウィンドウの端をまたぐのを待たないように指定する。その代わりに、ポインタに最も近い辺(複数のこともある)が、ポインタを動かしたのと同じ量だけ自動的に移動する。これにより、スクリーンの端から外に出るようなウィンドウのサイズ変更が可能になる。ポインタがウィンドウの中心にある場合、またはサイズ変更がタイトルボタンを押して始められた場合は、twm はポインタが(不慮の事態を避けるため)ウィンドウの辺をまたぐのを待つ。このオプションは、「ボタンを押す-ドラッグ-ボタンを離す」という操作でウィンドウを広げるのを好むユーザには大変便利である。

BorderColor string [{ wincolorlist }]

この変数は、アイコン化されていない全てのウィンドウを囲むウィンドウ境界のデフォルトの色を指定する。この変数には Color, Grayscale, Monochrome いずれかのリストしか指定できない。オプションの wincolorlist は、異なるタイプのウィンドウに対して特定の境界色を指定するための、ウィンドウと色の組のリストを指定する。例を以下に示す:

BorderColor "gray50"
{
   "XTerm"  "red"
   "xmh" "green"
}

デフォルト値は "black" である。

BorderTileBackground string [{ wincolorlist }]

この変数は、ハイライトされていない時の境界(NoHighlight が設定されていない時だけ)で使われる灰色のパターンにおけるデフォルトの背景色を指定する。この変数には Color, Grayscale, Monochrome のいずれかのリストしか指定できない。オプションの wincolorlist を使って、ウィンドウごとに色を指定することができる。デフォルト値は "white" である。

BorderTileForeground string [{ wincolorlist }]

この変数は、ハイライトされていない時の境界(NoHighlight が設定されていない時だけ)で使われる gray パターンにおけるデフォルトの前景色を指定する。この変数には Color, Grayscale, Monochrome のいずれかのリストしか指定できない。オプションの wincolorlist を使って、ウィンドウごとに色を指定することができる。

BorderWidth pixels

この変数は ClientBorderWidth が指定されていない場合に使われる、全てのクライアントのフレームの周りの境界の幅をピクセル数で指定する。この値は twm が作るウィンドウ(アイコンマネージャ等)の境界幅の設定にも使われる。デフォルト値は2である。

ButtonIndent pixels

この変数は、タイトルボタンが両端からインデントされる量を指定する。正の値を指定すると、ウィンドウのテキストとハイライト領域が目立つようにするため、ボタンはこれらの領域よりも小さくなる。この変数と TitleButtonBorderWidth の値を 0 にすると、タイトルボタンはできる限り大きくなる。デフォルト値は1である。

ClientBorderWidth

この変数はウィンドウのフレームの境界幅に BorderWidth の値ではなく、ウィンドウの初期境界幅を設定するように指定する。

Color { colors-list }

この変数は、デフォルトのディスプレイで白黒以外の表示が可能ならば行われる、色の割り当てのリストを指定する。colors-list は以下の色変数とその値からなる: DefaultBackground, DefaultForeground, MenuBackground, MenuForeground, MenuTitleBackground, MenuTitleForeground, MenuShadowColor, PointerForeground, PointerBackground. 以下の色変数においては、ウィンドウと色名の組を与えてウィンドウごとの色を指定することができる(詳しくは BorderColor を参照)。 BorderColor, IconManagerHighlight, BorderTitleBackground, BorderTitleForeground, TitleBackground, TitleForeground, IconBackground, IconForeground, IconBorderColor, IconManagerBackground, IconManagerForeground. 例を示す:

Color
{
   MenuBackground "gray50"
   MenuForeground "blue"
   BorderColor    "red" { "XTerm" "yellow" }
   TitleForeground"yellow"
   TitleBackground"blue"
}

これらの色変数の全ては、Monochrome 変数に対しても指定することができ、カラーディスプレイとモノクロディスプレイで同じ設定ファイルを使うことができる。

ConstrainedMoveTime milliseconds

この変数は、制約付きの移動操作を始めるために必要なボタンのクリックの時間間隔を指定する。f.move が呼び出された時、この時間以内にダブルクリックされれば、ウィンドウは水平または垂直方向にしか動かなくなる。この値に0を指定すると、制約付きの移動は無効にされる。デフォルト値は400ミリ秒である。

Cursors { cursor-list }

この変数は、twm が各種ポインタカーソルに使うグリフを指定する。カーソルはそれぞれ cursor フォントかビットマップファイルで定義できる。 cursor フォントから得る形状は、次のようにして直接指定することができる:

   cursorname  "string"

ここで cursorname は後述するカーソル名の1つであり、string は<XRoot>/include/X11/cursorfont.h ファイルに記述されているグリフ名である(ただしプレフィックス ``XC_'' は取り除く)。カーソルフォントがビットマップファイルで定義されている場合には、代わりに次の記法を用いる:

   cursorname  "image""mask"

文字列 image と mask は、グリフとマスクのイメージ (bitmap(1) 形式)を持つファイルの名前を示す。ビットマップファイルはアイコンのビットマップファイルと同じように配置する。以下の例は、デフォルトのカーソル定義を表すものである:

Cursors
{
   Frame    "top_left_arrow"
   Title    "top_left_arrow"
   Icon     "top_left_arrow"
   IconMgr  "top_left_arrow"
   Move     "fleur"
   Resize      "fleur"
   Menu     "sb_left_arrow"
   Button      "hand2"
   Wait     "watch"
   Select      "dot"
   Destroy  "pirate"
}

DecorateTransients

この変数は、一時ウィンドウ(WM_TRANSIENT_FOR プロパティを持つウィンドウ) がタイトルバーを持つことを指定する。デフォルトでは、一時ウィンドウはリペアレントされない。

DefaultBackground string

この変数は、サイズ表示と情報ウィンドウで用いる背景色を指定する。デフォルト値は "white" である。

DefaultForeground string

この変数は、サイズ表示と情報ウィンドウで用いる前景色を指定する。デフォルト値は "black" である。

DontIconifyByUnmapping { win-list }

この変数は、(IconifyByUnmapping が設定されている場合のように) 単にウィンドウをアンマップしただけではアイコン化されないウィンドウのリストを指定する。これは、アイコンとして扱いたいウィンドウもアイコンマネージャに扱わせたいウィンドウもある場合によく用いられる。

DontMoveOff

この変数はウィンドウのスクリーンの外側への移動をできなくする。この設定は f.forcemove 関数で上書きできる。

DontSqueezeTitle [{ win-list }]

この変数は、後述する SqueezeTitle のようにタイトルバーをスクイーズしてサイズを最小にするという動作を行わないことを示す。オプションのウィンドウリストを与えた場合、指定したウィンドウだけがスクイーズされないようになる。

ForceIcons

この変数は、Icons 変数で指定したアイコンのピックスマップをクライアントが持っているピックスマップより優先させることを指定する。

FramePadding pixels

この変数は、タイトルバーのデコレーション(ボタンとテキスト)とウィンドウの枠の間の距離を指定する。デフォルト値は2ピクセルである。

Grayscale { colors }

この変数は、スクリーンのデフォルトのビジュアルが GrayScale の場合に作る色の割り当てリストを指定する。Colorsの説明を参照すること。

IconBackground string [{ win-list }]

この変数はアイコンの背景色を指定する。これは Color, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "white" である。

IconBorderColor string [{ win-list }]

この変数はアイコンのウィンドウの境界に用いる色を指定する。これは Color, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "black" である。

IconBorderWidth pixels

この変数は、アイコンのウィンドウ周りの境界幅をピクセル数で指定する。デフォルト値は2である。

IconDirectory string

この変数は bitmapFilePath で指定されたどのディレクトリでも見つからないビットマップファイルを探すディレクトリを指定する。

IconFont string

この変数は、アイコンウィンドウでアイコン名の表示に使うフォントを指定する。デフォルト値は "variable" である。

IconForeground string [{ win-list }]

この変数はアイコンを表示するときに使う前景色を指定する。これは Color, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "black" である。

IconifyByUnmapping [{ win-list }]

この変数は、アイコンを割り当てずに、ウィンドウをアンマップすることによってアイコン化を行うことを指定する。これは、ユーザがアイコンマネージャや f.warpto 関数、TwmWindows メニューを使ってウィンドウを再マップすることを想定している。オプションの win-list が指定された場合は、指定されたウィンドウだけがアンマップによってアイコン化される。このオプションと IconManagerDontShow オプションの両方が設定されているウィンドウは、ユーザの設定ファイルで TwmWindows に関連づけられていなければアクセスできなくなってしまう。

IconManagerBackground string [{ win-list }]

この変数はアイコンマネージャのエントリで使う背景色を指定する。これは Color, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "white" である。

IconManagerDontShow [{ win-list }]

この変数を設定すると、アイコンマネージャはウィンドウを全く表示しない。オプションの win-list を指定すると、指定したウィンドウだけが表示されなくなる。この変数を使うと、滅多にアイコン化しないウィンドウ (xclockや xload等)がアイコンマネージャ上に場所を取るのを避けることができる。

IconManagerFont string

この変数はアイコンマネージャのエントリを表示するときに使うフォントを指定する。デフォルト値は "variable" である。

IconManagerForeground string [{ win-list }]

この変数はアイコンマネージャのエントリを表示するときに使う前景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "black" である。

IconManagerGeometry string [ columns ]

この変数はアイコンマネージャのウィンドウのジオメトリを指定する。引き数 string は標準的なジオメトリ指定であり、アイコンマネージャの初期状態における全体のサイズを指定する。その後、アイコンマネージャのウィンドウは columns 個のカラムに分割され、アイコンマネージャが管理するエントリの数に従って拡大・縮小される。追加のエントリは折り返され、追加の列となる。デフォルトのカラム数は1である。

IconManagerHighlight string [{ win-list }]

この変数は、現在フォーカスを持っているアイコンマネージャのエントリをハイライトさせるときに使う境界の色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。win-list の詳しい説明については BorderColor 変数を参照すること。デフォルト値は "black" である。

IconManagers { iconmgr-list }

この変数は生成するアイコンマネージャのリストを指定する。 iconmgr-list の各アイテムのフォーマットは以下である。

   "winname" ["iconname"]"geometry" columns

ここで、winname はこのアイコンマネージャに入れるウィンドウの名前、 iconname はアイコンマネージャのウィンドウのアイコンの名前、 geometry は標準のジオメトリ指定、columns はこのアイコンマネージャにカラム数(IconManagerGeometry で説明)である。以下に例を示す:

IconManagers
{
   "XTerm"  "=300x5+800+5"5
   "myhost" "=400x5+100+5"2
}

名前かクラスが ``XTerm'' であるクライアントは、``XTerm'' というアイコンマネージャ内にエントリが生成される。名前が ``myhost'' であるクライアントは ``myhost'' というアイコンマネージャに入れられる。

IconManagerShow { win-list }

この変数は、アイコンマネージャに表示するウィンドウのリストを指定する。 IconManagerDontShow 変数と組み合わせて用いた場合、このリストに含まれるウィンドウだけがアイコンマネージャに表示される。

IconRegion geomstring vgrav hgrav gridwidth gridheight

この変数は、クライアントがアイコンの位置を指定しなかった場合にアイコンを配置するルートウィンドウ上の領域を指定する。geomstring は、標準のジオメトリ指定を行うクォートされた文字列である。複数の IconRegion が与えられた場合、アイコンは最初に指定した領域から順に埋められていく。引き数 vgrav は North または South のどちらかでなければならない。この値を使って、アイコン領域の上部と下部のどちらから配置していくかを制御する。同様に、hgrav は East またはWest でなければならない引き数で、右辺と左辺のどちらからアイコンを配置していくかを制御する。アイコンは、アイコン領域内で幅が gridwidth ピクセルで高さがgridheight ピクセルのセルを持つ格子内に配置される。

Icons { win-list }

この変数はウィンドウ名と、そのアイコンとして使うビットマップのファイル名のリストを指定する。以下に例を示す:

Icons
{
   "XTerm"  "xterm.icon"
   "xfd"    "xfd_icon"
}

``XTerm'' にマッチし、アンマップによるアイコン化が行われないウィンドウは、ファイル ``xterm.icon'' が持つビットマップアイコンを使おうとする。 ForceIcons が指定されている場合には、クライアントが自分自身のアイコンピックスマップの利用をリクエストしていても、このビットマップが使われる。

InterpolateMenuColors

この変数はメニューエントリの色はエントリ固有の色を補間して求めることを指定する。以下に例を示す:

Menu "mymenu"
{
   "Title"     ("black":"red")f.title
   "entry1"       f.nop
   "entry2"       f.nop
   "entry3" ("white":"green")f.nop
   "entry4"       f.nop
   "entry5" ("red":"white")f.nop
}

``entry1'' と ``entry2'' の前景色は black と white を補間して求められ、背景色は red と green を補間して求められる。同様に、``entry4'' の前景色は white と red の中間色になり、背景色は green と white の中間色となる。

MakeTitle { win-list }

この変数は、ウィンドウ上部にタイトルバーを配置するウィンドウのリストを指定する。また、NoTitle が設定されているときに、特定ウィンドウにタイトルを要求するために用いる。

MaxWindowSize string

この変数は、与えられたウィンドウの最大サイズを与える幅と高さであるジオメトリを指定する。通常、これはウィンドウのサイズをスクリーンのサイズに制限するために使われる。デフォルトの幅は (32767 - スクリーンの幅) であり、デフォルトの高さは (32767 - スクリーンの高さ) である。

MenuBackground string

この変数はメニューで使う背景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。デフォルト値は "white" である。

MenuFont string

この変数は、メニューの表示に使うフォントを指定する。デフォルト値は "variable" である。

MenuForeground string

この変数はメニューで使う前景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。デフォルト値は "black" である。

MenuShadowColor string

この変数はプルダウンメニューの背後の影の色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。デフォルト値は "black" である。

MenuTitleBackground string

この変数は、メニューの f.title エントリの背景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。デフォルト値は "white" である。

MenuTitleForeground string

この変数は、メニューの f.title エントリの前景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。デフォルト値は "black" である。

Monochrome { colors }

この変数は、スクリーンの深さが1の場合に行われる色割り当てのリストを指定する。Colors の説明を参照すること。

MoveDelta pixels

この変数は、f.move 関数が動作を始める前にポインタが移動しなければならないピクセル数を指定する。f.deltastop 関数も参照すること。デフォルト値は0ピクセルである。

NoBackingStore

この変数は、twm のメニューの再描画をできるだけ少なくするためのバッキングストアのリクエストをしないことを指定する。これは通常、バッキングストアの処理よりも再描画の方が早いサーバの場合に用いられる。

NoCaseSensitive

この変数を設定すると、アイコンマネージャにおいてアイコン名をソートするときに大文字と小文字の区別は行われない。このオプションは通常、アイコン名の最初の文字を大文字にするアプリケーションとがあるときに用いる。

NoDefaults

このオプションを指定すると、twm はデフォルトのタイトルボタンと関連づけを与えない。このオプションは、起動ファイルにおいて完全な関連づけと定義がなされている場合に限って使うべきである。

NoGrabServer

この変数を設定すると、twm はメニューをポップアップさせるときや opaque ウィンドウを移動させるときにサーバをグラブしない。

NoHighlight [{ win-list }]

この変数を設定すると、ポインタの位置を追跡するための境界のハイライトを行わない。オプションの win-list を与えると、指定したウィンドウに対してのみハイライトが無効になる。境界がハイライト状態のとき、これは現在の BorderColor で描画される。境界がハイライト状態でないときは、現在の BorderTileForeground と BorderTileBackground を使って gray パターンでスティプルする。

NoIconManagers

この変数を設定すると、アイコンマネージャは生成されない。

NoMenuShadows

この変数を設定すると、メニューの背後に影が落ちなくなる。少しメニューが読みにくくなるだけでメニュー描画の速度が速くなるので、このオプションは通常、遅いサーバの場合に用いられる。

NoRaiseOnDeiconify

この変数を設定すると、アイコン化を解除されたウィンドウがレイズされなくなる。

NoRaiseOnMove

この変数を設定すると、ウィンドウを動かすときにレイズを行わない。これは、相手ウィンドウの下側にある状態でウィンドウを動かしたいときに使われる。

NoRaiseOnResize

この変数を設定すると、ウィンドウはサイズ変更時にレイズされない。これは、相手ウィンドウの下側にある状態でサイズ変更をしたいときに使われる。

NoRaiseOnWarp

この変数を設定すると、f.warpto 関数を使ってポインタをウィンドウに移動させた際にそのウィンドウはレイズされない。このオプションが設定されていると、他のウィンドウの陰になっているウィンドウへポインタを移動させようとすると、このウィンドウではなく、これを隠しているウィンドウにポインタが移動してしまうことがある(これにより f.warpring は予期しない挙動を示す)。

NoSaveUnders

この変数を設定すると、メニュー選択後のウィンドウの再描画を最小限にするためのセーブアンダー機能を使わなくなる。この設定は、セーブアンダーの処理よりも再描画の方が速いサーバで用いる。

NoStackMode [{ win-list }]

この変数を設定すると、クライアントウィンドウのスタック順変更のリクエストは無視されるようになる。オプションの win-list を指定すると、指定したウィンドウについてのリクエストだけが無視される。この変数は、アプリケーションが自分自身をウィンドウスタックの前面に絶えずポップアップするのを防ぐために使われる。

NoTitle [{ win-list }]

この変数を設定すると、ウィンドウにタイトルバーが付かなくなる。オプションの win-list を指定すると、指定されたウィンドウだけにタイトルバーが付かなくなる。 MakeTitle 変数をこのオプションと共に用いて、特定のウィンドウにタイトルバーを付けることができる。

NoTitleFocus

この変数を設定すると、twm はタイトルバーにキーボード入力フォーカスを設定しなくなる。通常は twm は、タイトルバーとアイコンマネージャからのフォーカスとキーイベントをアプリケーションに送るようにフォーカスを設定する。ポインタが速く動くのに twm の反応が遅い場合、入力は移動後のウィンドウではなく移動前のウィンドウに送られる。このオプションは通常、この「入力のずれ」とフォーカスイベントの扱いに問題がある古いアプリケーションのバグを避けるために使われる。

NoTitleHighlight [{ win-list }]

この変数を設定すると、タイトルバーのハイライト領域が表示されなくなる。 (ハイライト領域は現在入力フォーカスを持っているウィンドウを示すために使われる。)オプションの win-list を指定すると、指定されたウィンドウだけがハイライト領域を持たなくなる。このオプションと SqueezeTitle を設定すると、タイトルバーに必要なスクリーン領域をかなり減らすことができる。

OpaqueMove

この変数を設定すると、f.move 関数がウィンドウの外形だけでなく実際にウィンドウを動かすようになる。これにより、ユーザはウィンドウが新しい位置でどのように見えるかをすぐに知ることができる。このオプションは普通は高速なディスプレイで使う(NoGrabServer 変数が設定されている場合は特に)。

Pixmaps { pixmaps }

この変数は、各種イメージの見た目を定義するピックスマップのリストを指定する。各エントリは、設定するピックスマップを示すキーワードとビットマップのファイル名の文字列を並べたものである。以下に指定の例を示す:

Pixmaps
{
   TitleHighlight "gray1"
}

デフォルトでは TitleHighlight には「even」スティプルパターンが使われる。

Priority priority

この変数は twm の優先度を設定する。priority はクォートされていない符号付きの数値である(例: 999)。この変数は、サーバが SYNC 拡張をサポートしている場合のみ有効である。

RandomPlacement

この変数を設定すると、ジオメトリが指定されていないウィンドウは、ユーザが外形をドラッグして位置を決めるのではなく、疑似乱数で決めた位置に配置されるようになる。

ResizeFont string

この変数は、ウィンドウのサイズを変更するときに表示されるサイズ表示のウィンドウ(dimensions window)で使われるフォントを指定する。

RestartPreviousState

この変数を設定すると、twm はアイコン化するウィンドウや可視状態を保つウィンドウを通知するために、クライアントウィンドウの WM_STATE プロパティを使おうとする。このオプションは通常、前のウィンドウマネージャが停止する前のスクリーンの状態を再構築しようとするときに使われる。

SaveColor { colors-list }

この変数はルートウィンドウの _MIT_PRIORITY_COLORS プロパティにピクセル値として格納される色割り当てのリストを指定する。クライアントは独自のカラーマップをインストールする際に、これらの値を保存するかどうか決めることができる。この機構の利用は、アプリケーションが「色化け」問題を避けるための方法である点に注意すること。この問題は、ウィンドウマネージャがプログラムのカスタムカラーをインストールしたときに、ウィンドウの境界やタイトルバーなどのスクリーンオブジェクトが消えてしまうことである。変数の設定例を示す:

SaveColor
{
        BorderColor
        TitleBackground
        TitleForeground
        "red"
        "green"
        "blue"
}

この指定を行うと、境界とタイトルバーに対するピクセル値 3 つと色名文字列に対応するピクセル値 3 つがルートウィンドウに配置される。全てのピクセル値はデフォルトのカラーマップから取得される。

ShowIconManager

この変数を設定すると、twm の起動時にアイコンマネージャが表示されるようになる。f.showiconmgr 関数を使うといつでもアイコンマネージャを起動することができる。

SortIconManager

この変数を設定すると、アイコンマネージャのエントリは、新しいウィンドウを単純にエントリの最後に追加するのではなく、アルファベット順にソートするようになる。

SqueezeTitle [{ squeeze-list }]

この変数を指定すると、twm は SHAPE 拡張の使用を試み、タイトルバーがウィンドウの上部全体を占めるのではなく、必要なスクリーン領域だけを使うようになる。オプションの squeeze-list を使って、ウィンドウの上部における縮められたタイトルバーの位置を制御することができる。指定は以下のような形になる:

   "name"      justificationnumdenom

ここで、name はウィンドウ名であり、justification は left, center, right のいずれかである。また、 num と denom タイトルバーの相対位置を調整するために与える比を指定する数値である。この比は、分子が正の数のならば左から右に測り、負の数ならば右から左に測る。分母が0ならば、分子はピクセル単位で数えられる。記述を容易にするため、比 0/0 は center に対しては比1/2 と同じであり、right に対しては -1/1 と同じである。例を以下に示す:

SqueezeTitle
{
   "XTerm"  left  00
   "xterm1" left  13
   "xterm2" left  23
   "oclock" center00
   "emacs"  right 00
}

DontSqueezeTitle のリストを使うと、特定のウィンドウについて縮小を無効にすることができる。

StartIconified [{ win-list }]

この変数を設定すると、クライアントウィンドウは初期状態でアイコン化された状態になり、ユーザによって明示的にアイコン化解除されるまでそのままである。オプションの win-list を指定した場合、指定したウィンドウだけがアイコンの状態で起動される。この変数は、コマンド行オプションやリソースで -iconic をサポートしていないプログラムに対して便利である。

TitleBackground string [{ win-list }]

この変数はタイトルバーで使われる背景色を指定する。これはColor, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。デフォルト値は "white" である。

TitleButtonBorderWidth pixels

この変数はタイトルボタンの周りの境界の幅をピクセル数で指定する。タイトルボタンができるだけ広いスペースを確保でき、境界を持たないようにするため、この変数は普通は 0 に設定される。デフォルト値は1である。

TitleFont string

この変数は、タイトルバーにおいてウィンドウ名を表示するために使うフォントを指定する。デフォルト値は "variable" である。

TitleForeground string [{ win-list }]

この変数はタイトルバーの前景色を指定する。これは Color, Grayscale, Monochrome リストの内部でしか指定できない。オプションの win-list はウィンドウ名と色のリストであり、これを使ってウィンドウごとの色を指定することができる。デフォルト値は "black" である。

TitlePadding pixels

この変数は、タイトルバー内での各種ボタン、テキスト、ハイライト領域の間の距離を指定する。デフォルト値は8ピクセルである。

UnknownIcon string

この変数は、デフォルトのアイコンとして使われるビットマップファイルのファイル名を指定する。このビットマップファイルは、アイコンのビットマップを自分で持っておらず、Icons リストにも含まれていない全てのクライアントのアイコンとして使われる。

UsePPosition string

この変数は、ユーザが位置を指定していない場合に、twm がプログラムが要求した位置(WM_NORMAL_HINTS プロパティの PPosition フラグで与えられる)を使うかどうか指定する。引き数 string は、以下の3つの値のうちいずれか1つを取る: twm はプログラムが与えた位置を無視することを示す "off"(デフォルト値), この位置を使用することを示す "on", この位置が (0, 0) 以外ならば使用する "non-zero". 最後のオプションは、古いツールキットにおけるバグの回避のためのものである。

WarpCursor [{ win-list }]

この変数を指定すると、アイコン化を解除したときにポインタはそのウィンドウに移動する。オプションの win-list を指定すると、指定したウィンドウがアイコン化解除された時に限ってポインタが移動する。

WindowRing { win-list }

この変数は、f.warpring 関数が循環させるウィンドウのリストを指定する。

WarpUnmapped

この変数を指定すると、f.warpto はアイコン化されているウィンドウに出会うと、これをアイコン化解除するようになる。これは通常、特定のウィンドウ(xmh 等)がどこにあってもポップアップされるようなキーバインドを設定するために使われる。f.warpto はデフォルトの動作では、アイコン化されているウィンドウは全て無視する。

XorValue number

この変数は、移動やサイズ変更に使うウィンドウの外形を描画するときに使う値を指定する。この変数には、ユーザの一般的なスクリーンと排他的論理和を取ったときに見分けがつく色になるような値を指定すべきである。デフォルトカラーマップ内で隣接する色がはっきり違っていれば、この変数には1を指定すると良い結果が得られることが多い。デフォルトでは、twm はテンポラリの線を引いて、そのグラフィックス表示から反対の端のカラーマップを得ようとする。

Zoom [ count ]

この変数を指定すると、ウィンドウのアイコン化とアイコン化解除の際に、ウィンドウの動きを示す外形を表示するようになる。オプションの引き数 count を指定すると、この数の外形が描画される。デフォルト値は8である。

以下の変数は、フォントの指定が終わった後で指定しなければならない。従って、これらは変数セクションの終わりか関連づけセクションの最初に記述するとよい。

DefaultFunction function: この変数は、関連づけが与えられていないキーイベントかボタンイベントを受け取ったときに実行される関数を指定する。これは通常、f.nop, f.beep, ウィンドウ操作を含むメニュー等に関連づけられる。
WindowFunction function: この変数は、TwmWindows からウィンドウが選択されたときに実行される関数を指定する。この変数が設定されていなければ、このウィンドウはアイコン化解除され、レイズされる。

関連づけ

必要な変数を設定した後は、関数をタイトルボタン、キー、ポインタボタンに割り当てる。タイトルボタンはタイトルバーの右端または左端から追加され、指定した順で左から右にタイトルバーに現れる。キーとポインタボタンの関連づけは、任意の順で良い。

タイトルボタン指定では、ボタンで使うピックスマップの名前と、ボタン上でポインタボタンが押されたときに呼び出される関数を指定しなければならない。

LeftTitleButton "bitmapname"= function

または

RightTitleButton "bitmapname"= function

bitmapname は、前述のコロンで始まる適切な名前を使って、組み込みビットマップのいずれか(これはTitleFont にマッチするように拡大・縮小される)を指す。

キーとポインタボタンの指定では、押されなければならないモディファイア、ポインタがスクリーンのどこになければならないか、どの関数が呼び出されるかを指定しなければならない。キーは適切なキーシンボル名を含む文字列として指定する。ボタンはキーワード Button1-Button5 で指定する。

"FP1"    = modlist : context : function
Button1  = modlist : context : function

modlist は垂直バー(| を意味する)で区切りのモディファイア名の任意の組合せである。モディファイア名は、shift, control, lock, meta, mod1, mod2, mod3, mod4, mod5 である(それぞれは s, c, l, m, m1, m2, m3, m4, m5 と省略できる)。同様に、context は垂直バー区切りの window, title, icon, root, frame, iconmgr とこれらを最初の文字で省略したもの(iconmgr の省略形は m)の任意の組合せ、または all である。例として、デフォルトの設定ファイルの関連づけを以下に示す:

Button1  =  : root: f.menu "TwmWindows"
Button1  = m   : window | icon: f.function "move-or-lower"
Button2  = m   : window | icon: f.iconify
Button3  = m   : window | icon: f.function "move-or-raise"
Button1  =  : title: f.function "move-or-raise"
Button2  =  : title: f.raiselower
Button1  =  : icon: f.function "move-or-iconify"
Button2  =  : icon: f.iconify
Button1  =  : iconmgr: f.iconify
Button2  =  : iconmgr: f.iconify

キーボードを使ったウィンドウ操作を望むユーザは、次のような関連づけを利用することができる。

"F1"  =  : all    : f.iconify
"F2"  =  : all    : f.raiselower
"F3"  =  : all    : f.warpring "next"
"F4"  =  : all    : f.warpto "xmh"
"F5"  =  : all    : f.warpto "emacs"
"F6"  =  : all    : f.colormap "next"
"F7"  =  : all    : f.colormap "default"
"F20" =  : all    : f.warptoscreen "next"
"Left"   = m   : all: f.backiconmgr
"Right"  = m | s  : all: f.forwiconmgr
"Up"  = m   : all : f.upiconmgr
"Down"   = m | s  : all: f.downiconmgr

Twm は、タイトルバー、メニュー、キーバインディングの設定に簡単には収められないくらい多くのウィンドウ操作プリミティブを提供している。デフォルトでは(NoDefaults を指定しなければ)簡単なセットが与えられているが、大抵のユーザはキーやボタン操作に基本操作のほとんどを関連づけたいと考えるだろう。これを行うために、twm は名前を各プリミティブに対応させ、高レベルのプリミティブを構築するためのユーザ定義関数と関数を対話的に選択するためのメニューを与える。

ユーザ定義関数は、f.functionの呼び出しで参照される名前と、実行する他の関数群のリストからなる。その例を以下に示す:

Function "move-or-lower"{ f.move f.deltastop f.lower }
Function "move-or-raise"{ f.move f.deltastop f.raise }
Function "move-or-iconify"{ f.move f.deltastop f.iconify }
Function "restore-colormap"{ f.colormap "default" f.lower }

f.function で使う名前は、関数定義の際の名前と完全に同じでなければならない。

以下の説明において、選択されたウィンドウを操作するような関数が指定されたが、これがルートメニューから呼び出されている場合、カーソルは Select カーソルに変更され、ボタンが押されたイベントを次に受け取ったウィンドウが選択される:

! string: これは f.exec string の短縮形である。
f.autoraise: この関数は、選択されたウィンドウにポインタがウィンドウに入ったとき、必ずレイズされるかどうかをトグルさせる。
f.backiconmgr: この関数は、ポインタを現在のアイコンマネージャ内の前のカラムに移動させ、必要ならば前の行に戻らせる。
f.beep: この関数はキーボードのベルを鳴らす。
f.bottomzoom: この関数は f.fullzoom と似ているが、スクリーンの下半分を占めるようにサイズ変更を行う点が異なる。
f.circledown: この関数は、他のウィンドウを隠している最も上のウィンドウを下面に移動させる。
f.circleup: この関数は、他のウィンドウに隠されている最も下のウィンドウを上面に移動させる。
f.colormap string: この関数は、ポインタがウィンドウ内部にあるときに twm が表示に使うカラーマップ(そのウィンドウの WM_COLORMAP_WINDOWS プロパティから取得する)をローテートさせる。引き数 string は、"next", "prev", "default" のいずれかでなければならない。一般にインストールされたカラーマップはキーボードフォーカスによって決められる点に注意すること。ポインタ移動に基づくキーボードフォーカスの場合は、カラーマップを所有しているウィンドウのエントリ上のプライベートカラーマップがインストールされる。クリックに基づくモデルを使っている場合には、ユーザが対象のウィンドウ上でマウスボタンをクリックするまではカラーマップはインストールされない。
f.deiconify: この関数は、選択されたウィンドウをアイコン化解除する。ウィンドウがアイコンでなれば、この関数は何もしない。
f.delete: クライアントアプリケーションが WM_PROTOCOLS ウィンドウプロパティを使って WM_DELETE_WINDOW メッセージをリクエストしていた場合、この関数はそのメッセージを選択されたウィンドウに送る。アプリケーションは指定されたウィンドウを破棄して、そのメッセージに応答することになっている。ウィンドウが WM_DELETE_WINDOW メッセージを要求していなければ、別の方法を使うようにユーザに知らせるためにキーボードベルを鳴らす。この関数は f.destroy とは全く異なる点に注意すること。この関数の目的は単独のウィンドウを破棄することであり、必ずしもアプリケーション全体の破棄ではない。
f.deltastop: この関数を使うと、ポインタが MoveDelta ピクセル以上動いていた場合に、ユーザ定義の関数を止めることができる。このセクションの冒頭で Function "move-or-raise" として示した定義例を参照すること。
f.destroy: この関数は、選択されたウィンドウを生成したクライアントのディスプレイ接続を閉じることを、X サーバに指示する。この関数は動作中のクライアントを終了させる最後の手段としてのみ用いるべきである。f.delete も参照すること。
f.downiconmgr: この関数は、ポインタをアイコンマネージャの次の行へ移動させ、必要ならば次のカラムの先頭へ移動させる。
f.exec string: この関数は、引き数 string を /bin/sh に渡して実行させる。マルチスクリーンモードにおいて、ディスプレイを指定せずに X クライアントを起動した場合、クライアントは関数が呼び出されたスクリーンに現れる。
f.focus: この関数は、必要ならばフォーカスの規則をポインタ移動に基づくものから変更し、サーバのキーボードフォーカスを選択されたウィンドウに切替える。選択されたウィンドウが既にフォーカスされていた場合、この関数は f.unfocus を実行する。
f.forcemove: この関数は f.move と同様であるが、DontMoveOff 変数を無視する点だけが異なる。
f.forwiconmgr: この関数は、ポインタを現在のアイコンマネージャ内の次のカラムに移動させ、必要ならばポインタを次の行の先頭に移動させる。
f.fullzoom: この関数は選択されたウィンドウのサイズをディスプレイ全体のサイズに変える。ウィンドウが既にズームされている場合には、この関数はウィンドウのサイズを元に戻す。
f.function string: この関数は、引き数 string で指定した名前を持つユーザ定義関数を実行する。
f.hbzoom: この関数は f.bottomzoom の別名である。
f.hideiconmgr: この関数は現在のアイコンマネージャをアンマップする。
f.horizoom: この関数は f.zoom と同様であるが、選択されたウィンドウはディスプレイ全体の幅にサイズ変更される点だけが異なる。
f.htzoom: この関数は f.topzoom の別名である。
f.hzoom: この関数は f.horizoom の別名である。
f.iconify: この関数は選択されたウィンドウをアイコン化し、選択されたアイコンをアイコン化解除する。
f.identify: この関数は、選択されたウィンドウの名前とジオメトリの概要を表示する。サーバが SYNC 拡張をサポートしていれば、そのウィンドウを所有しているクライアントの優先度も表示される。このウィンドウは、クリックするかキーを押せば消える。
f.lefticonmgr: この関数は
f.leftzoom: この関数は f.bottomzoom と同様であるが、選択されたウィンドウはディスプレイの左半面を占めるようにサイズ変更される点が異なる。
f.lower: この関数は選択したウィンドウを下面に移動させる。
f.menu string: この関数は、引き数 string で指定されたメニューを呼び出す。 f.menu の呼び出しを入れ子にすることで、階層メニューを作ることができる。
f.move: この関数は、この関数を呼び出したポインタボタンが離されるまで、選択されたウィンドウの外形(OpaqueMove 変数が設定されていればウィンドウそのもの)をドラッグできるようにする。ConstrainedMoveTime で与えたミリ秒時間以内にダブルクリックすると、ポインタはウィンドウの中央に移動し、ポインタが交差した格子線に基づいて動きが垂直方向か水平方向のどちらかに制限される。移動を止めるためには、最初に押したボタンを離す前に別のボタンを押すこと。
f.nexticonmgr: この関数は、現在またはその後の任意のスクリーン上のウィンドウを含む次のアイコンマネージャにポインタを移動させる。
f.nop: この関数は何も行わない。この関数は普通、DefaultFunction 変数や WindowFunction 変数に対して用いたり、メニューに空白行を作るために用いる。
f.previconmgr: この関数は、現在またはその前の任意のスクリーン上のウィンドウを含む次のアイコンマネージャにポインタを移動させる。
f.priority string: この関数は、選択されたウィンドウを所有しているクライアントの優先度を、引き数 string の数値に設定する。この引き数は、ダブルクォートで括った符号付き整数でなければならない(例: "999")。この関数は、X サーバが SYNC 拡張をサポートしている場合のみ有効である。
f.quit: この関数は、ウィンドウの境界を元に戻し、twm を終了させる。 twm が xdm が呼び出した最初のクライアントである場合には、サーバがリセットされる。
f.raise: この関数は、選択されたウィンドウをレイズさせる。
f.raiselower: この関数は、選択されたウィンドウが他のウィンドウの下になっている場合、これをレイズさせる。そうでない場合には、このウィンドウは下面に移動させられる。
f.refresh: この関数は、全てのウィンドウを再描画させる。
f.resize: この関数は、選択されたウィンドウの外形を表示させる。ポインタが境界をまたぐと(または AutoRelativeResize が設定されていると)、この関数を呼び出したときに押したボタンが離されるまで、外形がラバーバンドになる。サイズ変更を止めるには、最初のボタンを離す前に他のボタンを押すこと。
f.restart: この関数は、twm を終了・再起動させる。
f.righticonmgr: この関数は
f.rightzoom: この関数は f.bottomzoom とほぼ同じであるが、選択されたウィンドウはディスプレイの右半面を占めるようにサイズ変更される点が異なる。
f.saveyourself: この関数は、選択されたウィンドウが WM_PROTOCOLS ウィンドウプロパティでメッセージを要求している場合、そのウィンドウの WM_SAVEYOURSELF メッセージを送る。このメッセージを受け取るクライアントは、ウィンドウに関連する全ての状態を検査し、ICCCM で指定されているように WM_COMMAND を更新することになっている。選択されたウィンドウがこのメッセージに対して選択されていない場合、キーボードベルが鳴らされる。
f.showiconmgr: この関数は、現在のアイコンマネージャをマップする。
f.sorticonmgr: この関数は、現在のアイコンマネージャのエントリをアルファベット順に並べ変える。変数 SortIconManager を参照すること。
f.title: この関数は、メニュー定義において文字が中央寄せに書かれ、選択することができない要素を作る。この関数はこれ以外の文脈で用いてはならない。
f.topzoom: この関数は f.bottomzoom とほぼ同じであるが、選択されたウィンドウはディスプレイの上半面を占めるようにサイズ変更される点だけが異なる。
f.unfocus: この関数は、フォーカスの規則をポインタ移動に基づくものに戻す。この関数は、フォーカスしたウィンドウが不要になったときに用いる。
f.upiconmgr: この関数は、現在のアイコンマネージャにおいて前の行にポインタを移動させる。必要ならば、同じカラムの最後の行に移動させる。
f.vlzoom: この関数は f.leftzoom の別名である。
f.vrzoom: この関数は f.rightzoom の別名である。
f.warpring string: この関数は、WindowRing変数で指定された次または前のウィンドウにポインタを移動させる。移動先のウィンドウは引き数 string で指定し、この値は "next" または "prev" である。
f.warpto string: この関数は、string にマッチする名前かクラスを持つウィンドウにポインタを移動させる。ウィンドウがアイコン化されている場合、変数 WarpUnmapped が設定されていればアイコン化が解除され、設定されていなければこれは無視される。
f.warptoiconmgr string: この関数は、引き数 string で指定されたアイコンマネージャ内のポインタを含むウィンドウに対応するアイコンマネージャのエントリにポインタを移動させる。string が空文字列(つまり"")の場合、現在のアイコンマネージャが選択される。
f.warptoscreen string: この関数は、引き数 string で指定したスクリーンにポインタを移動させる。string には数値(例えば "0" や "1")または文字列 "next"(現在のスクリーン番号に1を加え、管理されていないスクリーンを飛ばしたもの)、文字列 "back"(現在のスクリーン番号から1を引き、管理されていないスクリーンを飛ばしたもの)、文字列 "prev" (訪れた最後のスクリーンを示す)を指定することができる。
f.winrefresh: この関数は f.refresh とほぼ同じであるが、選択されたウィンドウのみが再描画される点が異なる。
f.zoom: この関数は f.fullzoom とほぼ同じであるが、選択されたウィンドウの高さのみが変更される点が異なる。

メニュー

関数はグループ化し、ポップアップメニュー(ポインタボタンに関連づけられたとき)やプルダウンメニュー(タイトルボタンに関連づけられたとき)を使って対話的に選択することができる。メニュー指定のそれぞれは、f.menu から参照されるメニュー名、デフォルトの前景色と背景色(省略可能)、アイテム名と呼び出す関数、個別のアイテムの前景色と背景色(省略可能)を含む:

Menu "menuname" [ ("deffore":"defback") ]
{
   string1  [ ("fore1":"backn")]function1
   string2  [ ("fore2":"backn")]function2
      .
      .
      .
   stringN  [ ("foreN":"backN")]functionN
}

menuname では大文字と小文字は区別される。オプションの引き数である deffore と defback は、カラーディスプレイ上でメニューのエントリをハイライトさせるときに使う前景色と背景色を指定する。各メニューエントリの string はメニューに表示されるテキストである。オプションの引き数 fore と back は、ポインタがエントリ内に入っていないときのメニューエントリの前景色と背景色である。これらの色はカラーディスプレイだけで使われる。デフォルトで使う色は変数 MenuForeground と MenuBackground で指定する。メニューエントリの function 部分は、ユーザ定義関数を含むいずれかの関数または追加メニューである。

TwmWindowsという名前の特別なメニューがあり、これは全てのクライアントとtwm が与えるウィンドウの名前を含んでいる。エントリを選択すると、そのウィンドウ上で WindowFunction が実行される。 WindowFunction が設定されていなければ、そのウィンドウはアイコン化解除され、レイズされる。

アイコン

Twm はアイコン化されたウィンドウを操作する方法をいくつか提供している。ピックスマップとテキストを使う一般的な方法においては、IconRegion 変数で記述されるように手動または自動でレイアウトを調整する。加えて、アイコン名を簡単に並べたウィンドウ(アイコンマネージャと呼ばれる)を使うと、スクリーンのスペースをより有効に利用することができるし、キーボードを使ってウィンドウ間を移動することもできる。

アイコンマネージャは、現在ディスプレイ上にある全てのウィンドウまたは選択されたウィンドウの名前を含むウィンドウである。ウィンドウがアイコン化されているときには、ウィンドウ名に加えて、デフォルトのアイコン化のシンボルに使われる小さなボタンがウィンドウ名の左に表示される。デフォルトでは、アイコンマネージャのエントリをクリックすると f.iconify が実行される。アイコンマネージャのこの動作を変更するには、ボタンやキーボードの関連づけを指定する際に iconmgr コンテクストを使用すること。

ポインタをアイコンマネージャ内へ移動させると、指定されたウィンドウ(明示的にフォーカスを設定するか、NoTitleFocus が設定されている統合的なイベントを送る)にキーボードフォーカスが与えられる。関数 f.upiconmgr, f.downiconmgr, f.lefticonmgr, f.righticonmgr を用いると、キーボード操作で直接ウィンドウ間の入力フォーカスを変えることができる。

バグ

全てのウィンドウリストの代わりに、リソースマネージャが用いられるべきであった。

IconRegion 変数はリストを引き数に取るべきである。

制約付き移動の関数を呼び出そうとして非常に素早いダブルク

書式

説明

オプション

カスタマイズ

変数

関連づけ

メニュー

アイコン

バグ

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