書式
rlogind [-ahlLn説明
] rlogind は rlogin(1) プログラムのためのサーバである。 このサーバは、信頼できるホストからの特権ポート番号に基づいた認証を用いて、 リモートログイン機能を提供する。rlogind がサポートするオプションは、以下の通りである:
- -a
- 検証のために、ホスト名を問い合わせる。
- -h
- スーパーユーザーの ``.rhosts '' ファイルの使用を許可する。
- -l
- ユーザーの ``.rhosts '' ファイルによる認証を行わせない。 ユーザーがスーパーユーザーとしてログインしている場合に、 -h オプションが使われると、 ``.rhosts '' による認証処理が行われる。
- -L
- ``.rhosts '' や ``hosts.equiv '' の情報に基づく認証を行わせない。
- -n
- キープアライブメッセージを使わせない。
PAM (Pluggable Authentication Module) サポートが使用中である場合、 -h, -l, -L フラグは使われない。 この場合 /etc/pam.conf を編集することで、同様の効果を得ることができる。
-h と -l オプションを、システムにインストールされている 特定のバージョンの libc とともに使う場合は、 期待通りに動作するかを検証せずに信頼すべきではない (また、libc を更新した後にはテストすべきである)。 なぜなら、libc のいくつかのバージョンでは rlogind で使われる内部フラグの通りには動作しない。 -L オプションは libc の関数を完全にバイパスするので、 この問題には影響を受けない。
.rhosts システムの設計は、 ファイアーウォールで慎重に保護されたプライベートネットワーク以外では、 「全く安全性がない」ことにも注意すること。 それ以外の環境下では、常に -L オプションを使うこと。 更に、 rlogind は通信を暗号化しないので、一般的に言うと、本当に使うべきではない。 ssh(8) の使用を考慮に入れること。
rlogind は、``login'' サービスの仕様に基づくポート番号で、 サービス要求を受け付ける。 services(5) を参照すること。 サービスの要求を受け取ると、以下のプロトコルを開始する:
- サーバはクライアントの要求元ポート番号を調べる。 このポート番号が 512 〜 1023 の範囲でない場合、 サーバは接続を中止する。
- サーバはクライアントの要求元 IP アドレスを調べ、 それに対応するホスト名を求める ( gethostbyaddr(3) hosts(5), named(8) を参照すること)。 ホスト名が決定できない場合、 ドット表記法によるホストアドレスが使われる。 (ドメイン名の後ろから 2 つを使って判断した) ホスト名がサーバと同じドメインの場合、 または -a オプションが指定されている場合、 ホスト名に対するアドレスが求められ、 ホスト名とアドレスが一致しているかを検証する。 アドレスの検証に失敗した場合、通常の認証作業を行わない。
要求元のポート番号とアドレスが検証されると、 rlogind は rshd(8) で説明されている認証プロセスを開始する。 そして、疑似端末 ( pty(4) を参照) を割り当てるとともに、ファイルディスクリプタを操作する。 これにより、疑似端末のスレーブ側がログインプロセスの stdin stdout stderr になる。 認証が成功した場合、 login(1) プログラムに -f オプションを指定して起動し、 ログインプロセスを生成する。 自動認証が失敗した場合、通常の端末回線からのログインと同様に、 ユーザーにログインのプロンプトが出される。
ログインプロセスの親プロセスは、疑似端末のマスタ側を操作する。 これは、ログインプロセスと rlogin プログラムを実体化したものとの間を仲介する役割をする。 通常の操作では、 `^S/^Q' のような機能を提供したり、 割り込み信号をリモートプログラムに伝えるために、 pty(4) で説明されているパケットプロトコルを起動する。 ログインプロセスは、 クライアント端末の通信速度や環境変数 `TERM ' で指定されている端末タイプを伝える。 environ(7) を参照すること。 端末のスクリーンサイズやウインドウサイズがクライアント側から要求される。 そして、クライアントから変更されたウインドウサイズは、 疑似端末へと伝えられる。
トランスポートレベルのキープアライブメッセージは、 -n オプションが指定されていない限り出力される。 キープアライブメッセージを使うと、 クライアントがクラッシュしたり、通信不能になった場合に、 セッションをタイムアウトで終了することが可能になる。
返り値
ネットワーク接続が切断された後、 全ての初期診断メッセージは、先頭に値 1 のバイトを付けて通知される。 login が起動される前にエラーが発生していない場合、 成功したことを通知するために、ヌル文字のバイトが返される。- Try again.
- サーバが fork に失敗した。
バグ
ここで使われる認証手続きは、それぞれのクライアントマシンと 接続媒体が完全であることを仮定している。 これは安全ではないが、「オープンな」環境では便利である。通信する全てのデータを暗号化する機能が提供されるべきである。
もっと発展性のあるプロトコルが用いられるべきである。
履歴
コマンドは BSD 4.2 で登場した。翻訳者謝辞
この man ページの翻訳にあたり、 FreeBSD jpman project <http://www.jp.freebsd.org/man-jp/> による翻訳を参考にさせていただいた。