説明
/etc/ppp/pppoe.conf は Roaring Penguin の ADSL スクリプトの 設定情報が書かれたシェルスクリプトである。 pppoe.conf は adsl-* というシェルスクリプトのみで使用され、 pppoe 自体には使用されない点に注意すること。pppoe.conf にはシェル変数の指定が書かれる。 変数とその意味は以下の通りである:
- ETH
-
ADSL モデムに接続されているイーサーネットインターフェース (例えば eth0)。
- USER
-
ADSL ユーザー ID (例えば [email protected])。
- SERVICENAME
-
空でなければ、pppoe の -S オプションに渡される。
使用したいサービスの名前を指定する。
通常は空にしておくべきである。
- ACNAME
-
空でなければ、pppoe の -C オプションに渡される。
接続するアクセス集信装置の名前を指定する。
通常は空にしておくべきである。
- DEMAND
-
数値を設定すると、
要求があった時点で接続を開き、DEMAND 秒後に接続を閉じる。
no に設定すると、要求ごとに接続を行うのではなく、
常に接続したままにする。
- DNSTYPE
-
NOCHANGE, SPECIFY, SERVER のいずれか 1 つである。
NOCHANGE に設定すると adsl-connect は DNS 設定を全く変更しない。
SPECIFY に設定すると /etc/resolv.conf を DNS1 と DNS2 の値に書き換える。
SERVER に設定すると
usepeerdns オプションをつけて pppd を実行し、
/etc/resolv.conf から /etc/ppp/resolv.conf へのシンボリックリンクを作成する。
- DNS1, DNS2
-
DNSTYPE=SPECIFY を使った場合の DNS サーバーの IP アドレス。
- NONROOT
-
NONROOT=OK (厳密にこの通りで、空白やコメントがあってはならない)
という行が設定ファイルにあると、
root 以外のユーザーが pppoe-wrapper を使って
接続を開いたり閉じたりするのが可能になる。
ラッパープログラムは rp-pppoe-gui パッケージを
インストールした場合にのみインストールされる。
- USEPEERDNS
-
"yes" に設定すると、adsl-connect は
usepeerdns オプションをつけて pppd を実行する。
こうすると、接続先 (peer) から DNS サーバーのアドレスを取得し、
新しい /etc/resolv.conf ファイルを作成する。
それ以外の場合、adsl-connect はこのオプションをつけずに
pppd を実行するので、pppd は /etc/resolv.conf を修正しない。
- CONNECT_POLL
-
adsl-start が新しい PPP インターフェースの起動を
チェックする時間間隔 (秒数)。
0 に設定すると、adsl-start は単に PPP セッションを初期化するだけで、
起動に成功したかを確認するために待たない。
- CONNECT_TIMEOUT
-
adsl-connect が新しい PPP インターフェースの起動に失敗して
セッションを終了させるまでに待つ時間 (秒数)。 - PING
-
adsl-start が PPP インターフェースの起動を待つ間に、
CONNECT_POLL 秒毎に表示 (echo) する文字。
- FORCEPING
-
adsl-start が PPP インターフェースの起動を待つ間に、
CONNECT_POLL 秒毎に表示 (echo) する文字。
PING と似ているが、adsl-start の標準出力が
端末 (tty) でなくても表示される。
- PIDFILE
-
adsl-connect のプロセス ID が書かれるファイル
(例えば /var/run/pppoe.pid)。
さらに 2 つのファイル ($PIDFILE.pppd と $PIDFILE.pppoe) には、
それぞれ pppd と pppoe のプロセス ID が入る。
- SYNCHRONOUS
-
同期 PPP を使うかどうか (yes または no)。
同期 PPP は n_hdlc ライン制御機能 (discipline) を備えた
Linux マシンでは安全である。
(モジュールディレクトリに "n_hdlc.o" というファイルがあれば、
ライン制御機能を備えている)。
他の (OS の) マシンや n_hdlc ライン制御機能を備えていない Linux マシンでは、
ユーザーモードクライアントで不明または解決できない競合条件があるので、
同期 PPP は推奨されない。
- CLAMPMSS
-
TCP セッションの advertised MSS を「固定 (clamp)」 する値。
デフォルトの 1412 が良い。
- LCP_INTERVAL
-
pppd が LCP echo リクエストパケットを送る時間間隔 (秒数)。
- LCP_FAILURE
-
ここで指定された回数だけ LCP echo リクエストに返答がないと、
pppd は接続が切れていると判断する。
- PPPOE_TIMEOUT
-
pppoe が活動も観察しないままこの秒数が経過すると、
pppoe は終了する。
- FIREWALL
-
NONE, STANDALONE, MASQUERADE のうちのいずれか 1 つ。
NONE の場合、adsl-connect はファイアウォールルールを何も追加しない。
STANDALONE の場合、既存のファイアウォールルールを消去して
スタンドアロンマシン用の基本的なルールを設定する。
MASQUERADE の場合、既存のファイアウォールルールを消去して
インターネットゲートウェイ用の基本的なルールを設定する。
マシン上でサービスを実行している場合、
簡単なファイアウォールスクリプトでは不十分である。
独自のファイアウォールルールを作り、FIREWALL を NONE に設定する必要がある。
- PPPOE_EXTRA
-
pppoe に渡すその他の引き数。
- PPPD_EXTRA
-
pppd に渡すその他の引き数。
- LINUX_PLUGIN
-
空でなければ、Linux カーネルモード PPPoE プラグインの完全なパス
(一般には /etc/ppp/plugins/rp-pppoe.so)。
これを指定すると、Linux 2.4.x システムで adsl-connect に
Linux カーネルモード PPPoE を使わせる。
これは実験的なものでサポートされていない。
このプラグインを使うと、adsl-connect は
CLAMPMSS, PPPOE_EXTRA, SYNCHRONOUS, PPPOE_TIMEOUT を無視する。
別々の PIDFILE を設定してそれぞれの設定ファイルを使えば、 複数の PPPoE 接続を管理できる。 adsl-start と adsl-stop の引き数として、 その設定ファイルを指定するだけでよい。