書式
pppoe-server [options]
説明
pppoe-server は PPPoE (Point-to-Point Protocol over Ethernet) の ユーザー空間サーバーであり、Linux やその他の UNIX 系システムで利用できる。 pppoe-server は pppoe クライアントと関連して動作し、 PPPoE discovery パケットに応答して、PPPoE セッションを設定する。
オプション
- -F
-
-F オプションを指定すると、
pppoe-server は fork されずデーモンにならない。
デフォルトでは fork されてデーモンになる。
- -I interface
-
-I オプションは、使用するイーサーネットインターフェースを指定する。
Linux 上では、eth0 や eth1 が一般的である。
インターフェースは pppoe-server を開始する前に
「アップ (起動)」しておかなければならないが、
IP アドレスを設定してはならない。
2 つ以上のインターフェースで応答するサーバーを設定するには、
複数の -I オプションを指定すればよい。
- -T timeout
-
このオプションは pppoe に直接渡される。
詳細は pppoe(8) を参照すること。
- -C ac_name
-
アクセス集信装置の名前として使用したい名前を指定する。
指定しない場合は、ホスト名が使われる。
- -S name
-
name という名前のサービスを提供する。
-S オプションは複数個指定できる。
各 -S オプションごとに、指定した名前のサービスを
PADO フレームの Service-Name タグで広告できる。
最初の -S オプションはデフォルトのサービスを指定し、
PPPoE クライアントが長さ 0 の Service-Name をリクエストした場合は、
このサービスが使われる。
- -m MSS
-
このオプションは pppoe に直接渡される。
詳細は pppoe(8) を参照すること。
- -s
-
このオプションは pppoe に直接渡される。
詳細は pppoe(8) を参照すること。
このオプションを指定すると、
sync オプションを付けて pppd が起動される。
- -L ip
-
IP アドレスを設定する。
このアドレスは生成される pppd プロセスに渡される。
指定しない場合のデフォルトは 10.0.0.1 である。
- -R ip
-
リモート側の IP アドレスの開始点を指定する。
セッションを確立すると、ip から順に IP アドレスが割り当てられる。
pppoe-server はアドレスのプールを自動的に監視し、
有効な IP アドレスを pppd に渡す。
指定しない場合は、開始アドレスとして 10.67.15.1 が使われる。
- -N num
-
最大 num 個の PPPoE セッションを許可する。
指定しない場合のデフォルトは 64 である。
- -p fname
-
1 行に 1 つの IP アドレスが書かれたテキストファイル fname を読み込む。
ここに書かれた IP アドレスがクライアントに割り当てられる。
許可されるセッション数は、このファイルにある IP アドレスの数に等しい。
-p オプションは、-R と -N の両方を上書きする。
このプールファイルには IP アドレスだけでなく、 以下の形式の行があってもよい。
a.b.c.d-e
これには a.b.c.d 〜 a.b.c.e の IP アドレスが含まれる。 例えば、
1.2.3.4-7
という行は
1.2.3.4 1.2.3.5 1.2.3.6 1.2.3.7
と同じである。
- -r
-
PPPoE サーバーにセッション番号をランダムに割り当てさせる。
セッションは順番に操作されるのではなく、
予想できない順番で割り当てられる。
- -u
-
サーバーに対して、pppd に unit オプションをつけて起動させる。
このオプションはバージョン 2.4.0 以降の pppd でしか
動作しない点に注意すること。
- -o offset
-
PPPoE セッションの開始番号を、1 ではなく、offset+1 にする。
これを使うと、与えられたマシン上で複数のサーバーを稼働することができる。
ただし、セッション番号が重複しないように注意すること。
- -f disc:sess
-
-f オプションは、
PPPoE の discovery フレームと session フレームで使う
イーサーネットフレームタイプを設定する。
タイプはコロンで区切られた 16 進数で指定する。
標準的な PPPoE では、フレームタイプ 8863:8864 を使う。
接続先が標準的でないフレームタイプを使っていることが
はっきり解っている場合以外は、
このオプションを使うべきではない。
- -k
-
Linux で -k オプションを指定すると、
サーバーはカーネルモード PPPoE を使う。
このオプションは、Linux カーネル 2.4.0 以降で、
かつ PPPoE サーバーがカーネルモードをサポートするように
構築されている場合にのみ使用可能である。
- -h
-
-h オプションを指定すると、
使用法についての簡単なメッセージを表示して終了する。
動作
pppoe-server は入ってくる PPPoE discovery パケットを待ち受ける。 セッションが確立されると、サーバーは pppd プロセスを生成する。 以下のオプションが pppd に渡される:
nodetach noaccomp nobsdcom nodeflate nopcomp novj novjccomp default-asyncmap
さらに、-L と -R オプションに基づいて ローカルとリモートの IP アドレスが設定される。 PPPoE セッションを初期化するために、 pppoe コマンドに pty オプションが指定される。 また、その他の pppd オプションは ファイル /etc/ppp/pppoe-server-options に書いておくことができる (このファイルは何も書いていなくてもよいが、存在しなければならない)。
pppoe-server は主に PPPoE クライアントの テスト用のものである点に注意すること。 製品としての使用を意図した高性能のサーバーではない。
著者
pppoe-server は David F. Skoll <[email protected]> によって作成された。pppoe のホームページは http://www.roaringpenguin.com/pppoe/ である。