mouse(4) マウス用入力ドライバ

書式

Section "InputDevice"
Identifier "idevname"
Driver "mouse"
Option "Protocol" "protoname"
Option "Device" "devpath"
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EndSection

説明

mouse は XFree86 のマウス用入力ドライバである。 このドライバは入手可能なほとんどの種類とインタフェースのマウスに対応し ている。USB マウスは一部の OS でしか対応されておらず、また PS/2 マウス の対応レベルは OS によって異なる。

mouse ドライバはポインタ入力デバイスとして動作し、X サーバのコアポインタ として利用できる。複数個のマウスの使用は、このドライバの インスタンスを複数個作ることにより対応されている。

対応ハードウェア

mouse ドライバが対応しているハードウェアの詳しいリストについては README.mouse 文書を参照すること。この文書は /usr/X11R6/lib/X11/doc/ ディレクトリまたは、 http://www.xfree86.org/current/mouse.html (オンライン) にある。

詳細設定

詳細設定の一般的な部分と、全ての入力デバイスで利用できるオプションに ついては XF86Config(5x) を参照すること。 このセクションではこのドライバ固有の詳細設定のみを扱う。

一部の OS 上では、このドライバはマウスの種類を自動検出できる。 これはプラグ・アンド・プレイ対応のシリアルマウスに限定されている場合も あるし、OS のカーネルドライバが対応している全てのマウスに対して自動検 出が動作する場合もある。また、設定ファイルで必ずマウスのプロトコルを 指定する必要がある場合もある。 この問題に関する詳しい情報は README.mouse に書かれている。

以下のドライバオプション( Options 項目)がサポートされている:

Option "Protocol" "string"
マウスのプロトコルを指定する。 有効なプロトコルの種類は以下の通りである:

Auto, Microsoft, MouseSystems, MMSeries, Logitech, MouseMan, MMHitTab, GlidePoint, IntelliMouse, ThinkingMouse, AceCad, PS/2, ImPS/2, ExplorerPS/2, ThinkingMousePS/2, MouseManPlusPS/2, GlidePointPS/2, NetMousePS/2, NetScrollPS/2, BusMouse, SysMouse, WSMouse, USB, Xqueue

全ての OS が全てのプロトコルに対応しているわけではない。 "Auto" はプロトコルの自動検出を試みることを指示する。 デフォルトのプロトコル設定はないので、このオプションの指定は必須である。
Option "Device" "string"
マウスにアクセスできるデバイスを指定する。一般的な設定は "/dev/mouse" である。これは実際のマウスデバイスへのシンボリックリンクであることが多 い。このオプションは必須であり、デフォルトの設定は持たない。
Option "Buttons" "integer"
マウスのボタン数を指定する。ボタン数を自動検出できない場合、 デフォルト値の 3 が設定される。
Option "Emulate3Buttons" "boolean"
物理的に 2 つしかボタンを持たないマウスで、3 番目のマウスボタン (中ボタン)のエミュレーションを有効または無効にする。 3 番目のボタンは左右のボタンを同時に押すことでエミュレーションされる。 デフォルト値: off
Option "Emulate3Timeout" "integer"
3 ボタンエミュレーションが有効であるとき、2 つのボタンが「同時に」押さ れたかどうかを判定するためにドライバが待つタイムアウト時間を指定する (ミリ秒単位)。 デフォルト値: 50
Option "ChordMiddle" "boolean"
中ボタンが押されたとき、「右+左」のイベントを送るマウスへの対応を有効 または無効にする。 デフォルト値: off
Option "ZAxisMapping" "X"
Option "ZAxisMapping" "Y"
Option "ZAxisMapping" "N1 N2"
Option "ZAxisMapping" "N1 N2 N3 N4"
Z 軸(ホイール)の動きをボタンまたは他の軸 (X または Y) にマッピングする。 ボタン番号 N1 は Z 軸の負の方向への動きにマッピングされ、 N2 は Z 軸の正の方向への動きにマッピングされる。 ホイールを2つ持っているマウスの場合、4 つのボタン番号を指定できる。 この場合は2つめのホイールの正負方向への動きはボタン番号 N3N4 にマッピングされる。
Option "FlipXY" "boolean"
X 軸と Y 軸の入れ換えを無効にする。 デフォルト値: off
Option "SampleRate" "integer"
マウスが移動/ボタンイベントを一秒あたりに送る数を設定する。 この設定に対応しているマウスは一部だけである(一部のプラットフォームで の Logitech マウスと PS/2 マウスの一部)。 デフォルト値: マウスが最初に設定されている通り
Option "Resolution" "integer"
デバイスのインチあたりの解像度を設定する(一部のプラットフォームで の PS/2 マウスの一部)。 デフォルト値: マウスが最初に設定されている通り
Option "ClearDTR" "boolean"
マウスが使用するシリアルポートの DTR 線をクリアを有効または無効にする。 一部の複数プロトコル対応マウスは、デフォルト以外のプロトコルで動作する 際には DTR 線がクリアされている必要がある。 このオプションはシリアルマウス専用である。 デフォルト値: off
Option "ClearRTS" "boolean"
マウスが使用するシリアルポートの RTS 線をクリアを有効または無効にする。 一部の複数プロトコル対応マウスは、デフォルト以外のプロトコルで動作する 際には RTS 線がクリアされている必要がある。 このオプションはシリアルマウス専用である。 デフォルト値: off
Option "BaudRate" "integer"
シリアルマウスと通信する際のボーレートを設定する。 ほとんどの場合はデフォルト値で正しく動作するため、このオプションが必要 なことは滅多にない。有効な値は 300, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200 である。 デフォルト値: 1200

シリアルポート通信のための各種パラメータを制御できるオプションは他にも あるが、ここではそれらの説明はしない。というのも、それぞれの種類の マウスプロトコルに対してドライバが正しい設定を行うからである。