説明
nscd(8) は起動時にファイル /etc/nscd.conf を読み込む。 各行には「属性・値」または「属性・サービス・値」を指定する。 フィールドはスペース文字またはタブ文字で区切られる。 '#' (ナンバー記号) はコメントの始まりを表す。 この記号から行末までは nscd によって解釈されない。指定可能なサービスは passwd, group, hosts, services, netgroup である。
logfile debug-file-name
- デバッグ情報が書き込まれるファイルの名前を指定する。
debug-level value
- 希望するデバッグレベルを設定する。デフォルトは 0。
threads number
- スレッドをいくつ起動してリクエストを待つのかを指定する。 少なくとも 5 つのスレッドが常に作成される。
max-threads number
- スレッドの最大数を指定する。デフォルトは 32。
server-user user
- このオプションが設定されると、 nscd は root ではなく、この user として実行される。 (-S パラメータにより) 各ユーザー毎に別々のキャッシュが使われる場合、 このオプションは無視される。
stat-user user
- 統計情報の参照を許可するユーザを指定する。
reload-count unlimited | number
- キャッシュされたエントリが使用されなかったときに、 削除される前に何回リロードされるかを設定する。デフォルトは 5。
paranoia <yes|no>
- パラノイアモードを有効にする。 パラノイアモードでは nscd を定期的に再起動する。デフォルトは無効。
restart-interval time
- パラノイアモードが有効で定期的に再起動する場合の、 再起動間隔を time 秒に設定する。デフォルトは 3600。
enable-cache service <yes|no>
- 指定した service のキャッシュを有効または無効にする。デフォルトは無効。
positive-time-to-live service value
- 指定した service のキャッシュにあるポジティブエントリ (成功した問い合わせ) の TTL (time-to-live) を設定する。 value の単位は秒である。 値を大きくすると、ヒット率が高くなり平均応答時間を短くできるが、 キャッシュのコヒーレンス (coherence, キャッシュが実際のデータと一致していること) に問題が生じる。
negative-time-to-live service value
- 指定した service のキャッシュにあるネガティブエントリ (失敗した問い合わせ) の TTL (time-to-live) を設定する。 value の単位は秒である。 システムデータベースにない UID (ユーザーID) で所有されるファイル (たとえば root で tar を展開した Linux カーネルのソース) が少ないと、 顕著な性能の向上が見られる。 キャッシュのコヒーレンス問題を少なくするために小さな値にすべきである。
suggested-size service value
- 内部ハッシュテーブルの大きさを指定する。 効率を最適にするために value は素数にしておくべきである。デフォルトは 211 である。
check-files service <yes|no>
- 指定した service に関連するファイルの変更のチェックを有効または無効にする。 ファイルは /etc/passwd, /etc/group, /etc/hosts である。デフォルトは有効。
persistent service <yes|no>
- サーバの再起動の前後で service のキャッシュ内容を保持する。 paranoia モードが有効の場合に便利である。デフォルトは保持しない。
shared service <yes|no>
- service の nscd データベースのメモリ・マッピングをクライアント間で共有する。 これにより、検索を実行する度にソケット経由でデーモンに問い合わせを 行わずに、直接データベースを検索できるようになる。デフォルトは共有しない。
max-db-size service bytes
- service のデータベースファイルの最大許容サイズ (バイト単位)。 デフォルト値は 33554432 である。
auto-propagate service <yes|no>
- サービス passwd か group で no に設定すると、 .byname 要求は passwd.byuid や group.bygid のキャッシュに追加されない。 このオプションは、 同じ ID を持つレコードが複数あるテーブルの場合に役に立つ。 デフォルトは yes である。 このオプションはサービス passwd と group でのみ有効である。
注意
このマニュアルページに書かれているデフォルト値は nscd(8) のソースコードに書かれている値で、 設定ファイルで上書きされなかった場合に使用される。 あなたが利用しているディストリビューションの設定ファイルのデフォルト値は違っているかもしれない。この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.65 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。