netrc(5) .netrc

説明

このファイルには、ファイル転送プロトコル (File Transfer Protocol) クライアント ftp(1) のための、設定情報と自動ログイン情報が書かれている。

.netrc ファイルには、自動ログインプロセスで使われる ログイン情報と初期化情報が書かれている。 このファイルはユーザーのホームディレクトリにある。 以下のトークン (token) が認識される。 トークンはスペース・タブ・改行で区切られる。

machine name
リモートマシンの名前 name を識別する。 自動ログインプロセスでは、 ftp のコマンドラインまたは open コマンドの引き数として指定されたリモートマシンの名前にマッチする machine トークンを .netrc ファイル中で検索する。 マッチするものが見つかった場合、その後の .netrc トークンが処理される。 トークンの処理は、ファイルの終りに達した場合、または 別の machine トークンか default トークンに出会った場合に停止する。
default
machine name と同じような働きをするが、 default トークンは全てのマシン名とマッチする。 default トークンは 1 個だけ置くことができるが、 全ての machine トークンの後でなければならない。 このトークンは通常、以下のようにして使われる:

default login anonymous password user@site

これにより、ユーザーは .netrc に指定されていないマシンに 自動的に 匿名 ftp ログインできる。 この設定は、自動ログインを不可にする -n フラグを使うことで上書きできる。

login name
リモートマシンでのユーザー名を識別する。 このトークンがある場合、自動ログインプロセスでは 指定された名前 name を使ってログインの初期化が行われる。
password string
パスワードを与える。 このトークンがある場合、自動ログインプロセスで リモートサーバーがログインプロセスの一部として パスワードを要求したときは、ここで指定された文字列を送る。 .netrc ファイルに anonymous 以外のユーザーについてのトークンがあり、もし .netrc が他のユーザーから読める場合は、 ftp は自動ログインプロセスを中止 (abort) する。
account string
追加のアカウントパスワードを与える。 このトークンがある場合、自動ログインプロセスで リモートサーバーが追加のアカウントパスワードを要求したときは、 ここで指定された文字列を送る。 このトークンがない場合、自動ログインプロセスでは ACCT コマンドで初期化を行う。
macdef name
マクロを定義する。 このトークン関数は、 ftpmacdef コマンド関数に似ている。 マクロは指定された名前で定義される。 マクロの内容は .netrc の次の行から始まり、空行 (改行の連続) に出会うまで続く。 マクロ名 init が定義されると、自動ログインプロセスの最後のステップとして実行される。