makepsres(1) PostScript のリソースデータベースファイルを作る

書式

makepsres [ options ] directory ...

説明

makepsres は PostScript の言語リソースデータベースファイルを生成する。 リソースデータベースファイルを使うと、 フォント選択パネルやその他の Adobe 製ソフトウェアが使うリソースの 位置を指定できる。 Display PostScript システムにおけるリソースの位置に関する詳しい説明に ついては、Programming the Display PostScript System with X の "Display PostScript Toolkit for X" の付録 A, B を参照すること。

makepsresPSres.upr という名前のリソースデータベースファイルを生成する。このファイルには、 コマンド行で指定した全ての directory パス名に置かれている全てのリソースが書かれている。

ディレクトリのリストに - , が含まれている場合、 makepsres stdin からデータを読み取る。また、ディレクトリのリストは空白文字、タブ文字、 改行文字のいずれかで区切ること。

ディレクトリのリストが空の場合は、データは現在のディレクトリから取得さ れる。

指定された全てのディレクトリが共通の先頭部分を持つ場合、 makepsres は新しいリソースデータベースファイルの中で、これを ディレクトリプレフィックスとして取り出す。

makepsres は通常は再帰的に動作する。 つまり makepsres は指定された全てのディレクトリについて、サブディレクトリ内の リソースファイルを探す。 この動作はコマンド行オプションの -nr で上書きできる。

makepsres は既存のリソースデータベースファイルを、ファイル識別の補助に利用する。 デフォルトでは makepsres は、以下に当てはまるもの全てを含んだリソースデータベースファイルを新し く生成する:

コマンド行で指定されたディレクトリで見つかったリソースファイル。

コマンド行で指定されたディレクトリ内にある リソースデータベースが指しているリソースファイル。

入力したリソースデータベースファイルに書かれているリソースエントリ。 これらのエントリは、ファイルがまだ存在しており、かつコマンド行で指定さ れていないディレクトリに置かれている場合にコピーされる。

makepsres を破棄モード( -d オプションで指示)で実行した場合は、 makepsres は入力したリソースデータベースファイルからのリソースエントリのコピーは 行わない。この場合、出力ファイルにはコマンド行で指定したディレクトリに 含まれているエントリだけが含まれる。 入力したリソースデータベースファイルは、ファイルの識別の補助にしか使わ れない。

makepsres を保存モード( -k オプションで指定)で実行した場合は、 makepsres は入力したリソースデータベースファイルの全てのリソースエントリを 出力ファイルに入れる。この場合は、現在はなくなっていたり、 コマンド行で指定したディレクトリ内に置かれていないリソースも出力される。

makepsres はさまざまなヒューリスティックを用いてファイルを識別する。 独自のリソース型を持つファイルや、 リソースファイルの標準フォーマットに適合していないファイルのリソース型 は、以下のいずれかの方法で指定しなければならない:

makepsres を対話モードで実行する。

入力に使われるリソースデータベースファイルに、 そのファイルを予めロードしておく。

ファイルの先頭部分を以下のようにする:

%!PS-Adobe-3.0 Resource-<resource-type>

オプション

-o filename
出力を指定された名前のファイルに書き出す。 "-o -" の場合は標準出力に書き出す。 -o が指定されていなければ、 makepsres はカレントディレクトリに PSres.upr を作り、このファイルに出力を書き出す。
-f filename
指定されたファイルから得た情報を使って、リソースの型判定を補助する。 このファイルはリソースデータベース形式でなければならない。 -f オプションは複数個指定してもかまわない。 "-f -" を指定すると、 stdin (標準入力)を入力ファイルとして使う。 ただし、"-" がコマンド行でディレクトリとして指定されている場合 はこの指定方法は使えない。
-dir dirname
dirname がディレクトリであることを指定する。これが必要なことは滅多になく、 dirname-nb 等のコマンド行オプションと同じ名前になっている場合くらいである。
-d
破棄モードを指示する。得られる出力ファイルには、コマンド行で指定した ディレクトリから得られたエントリしか含まれなくなる。
-e
出力される PSres.upr を唯一のものとして使うマークを付ける。 このオプションはリソース位置ライブラリの動作を高速にする。というのも、 他のリソースデータベースファイルを探す必要がなくなるからである。 ただし、新しいファイルがディレクトリに追加されると必ず (たとえ、リソースにリソースデータベースファイルが付属していても) makepsres を実行することが必要となる。
-i
対話モードを指示する。 対話モードでは、 makepsres が識別できなかった全てのファイルについて、ユーザにリソース型が質問され る。 -i が指定されていなければ、識別不能のファイルはリソースファイルでないもの として扱われる。
-k
保存モードを指示する。
-nb
出力ファイルが既に存在していても、バックアップを行わない。
-nr
非再帰モードを指示する。 makepsres は通常は再帰的に動作する。 つまり、 makepsres は指示された全てのディレクトリについて、そのサブディレクトリに置かれて いるリソースファイルを探す。 -nr オプションを指定すると、 makepsres はサブディレクトリのリソースファイルは探さない。
-p
ディレクトリプレフィクスを使わないことを指示する。 -p オプションを使うと、 makepsres は指定されたディレクトリが共通のディレクトリプレフィクスを持つかどうか を調べない。
-q
静粛モード: 識別不能なファイルについて、警告を出すのではなく単に無視す る。
-s
厳密モードを指示する。 -s オプションを使うと、 makepsres は識別できないファイルに出会った時、エラーを出して終了する。

実行例

makepsres .
カレントディレクトリにある全てのリソースを含む リソースデータベースファイルを生成する。
makepsres -i -o local.upr /usr/local/lib/ps/fonts
makepsres を非対話モードで実行し、 local.upr という名前のリソースデータベースファイルを生成する。このファイルには /usr/local/lib/ps/fonts ディレクトリにある全てのリソースの情報が含まれる。

作者

Adobe Systems Incorporated

注意

PostScript と Display PostScript は Adobe Systems Incorporated の登録商標であり、これは 一定の範囲で登録されている。

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