config-gfsd(8) Gfarmのファイルスプールノードのセットアップ

SYNOPSIS

config-gfsd [オプション]

DESCRIPTION

config-gfsdは、 Gfarmファイルシステムのファイルスプールノードを セットアップするためのユーティリティです。 なお、このファイルスプールノードに対するサーバプログラムは、 gfsdと名づけられています。 Gfarmの開発、評価、またはテストといった 私的な用途でファイルシステムを使用する場合を除き、 config-gfsdを実行するためには、 ルート権限が必要です。

config-gfsdは、設定ファイル %%SYSCONFDIR%%/gfarm2.conf (プライベートモードの場合は、 %%SYSCONFDIR%%/gfsd.conf) がホスト上に存在することを前提としています。 存在しない場合は、メタデータサーバから設定ファイルをコピーしてください。

config-gfsdは下記に示した順に実行します。

1. スプールディレクトリを作成します。

2.
Gfarmの設定ファイル %%SYSCONFDIR%%/gfarm2.confや %%SYSCONFDIR%%/gfsd.confを更新します。

3. gfsdを起動/停止するためのスクリプト (または、設定ファイル)を作成します。

大抵のOSにおいて、 config-gfsdは、 起動/停止スクリプトgfsd(プライベートモードの場合は、 gfsd-ADDRESS)を /etc/init.dまたは /etc/rc.d/init.dに置きます。 (どちらに置くかはOSに依存します。)

Red Hat Enterprise Linux 7 またはそれ以降のsystemdで動作するLinuxにおいて、 config-gfsdは、 ユニット設定ファイルであるgfsd.service (プライベートモードの場合は、 gfsd-ADDRESS.service)を /etc/systemd/systemディレクトリに 置きます。 その後、systemctl enable gfsd.service (または systemctl enable gfsd-ADDRESS.service) を実行します。

4. プライベートモードの場合、config-gfsdは、 gfhost -cを実行することにより、 メタデータサーバにファイルスプールノードであるホストを登録します。 プライベートモードではない場合、 config-gfsdは、 メタデータサーバにファイルスプールノードであるホストの登録方法を 以下に示す例のように表示します。

Please ask admin_user to register your host by the following command:
/usr/bin/gfhost -c -a x86_64-centos7.0-linux -p 600 -n 2 ext540

5. プライベートモードの場合、config-gfsdgfsdを起動します。 プライベートモードではない場合、 config-gfsdgfsdの起動方法を以下のように表示します。

After that, start gfsd by the following command as a root:
systemctl start gfsd.service

6. unconfig-gfsd.sh というスクリプトを %%SYSCONFDIR%% 上に作成します。 このスクリプトは、gfsd のセットアップの 取り消しを行います。 gfsd を停止し、 config-gfsd によって作成されたファイル (unconfig-gfsd.sh スクリプト自身を含む) をすべて消去します。

config-gfsdを使用して ファイルスプールノードをセットアップする前に、 config-gfsd -tを実行することを推奨します。 -tオプションを付けて実行することにより、 セットアップする代わりに全ての設定パラメータを表示します。

$ config-gfsd -t
prefix                 [--prefix]:
hostname                     [-h]: host1.example.org
listen address               [-l]: (all local IP addresses)
architecture                 [-a]: x86_64-centos6.5-linux
port                         [-p]: 600
ncpu                         [-n]: 8
spool directory                  : /var/gfarm-spool
rc script                        : /etc/init.d/gfsd
gfarm client conf file           : /etc/gfarm2.conf
gfsd pid file                    : /var/run/gfsd.pid

[]で囲まれたオプション名は、 オプションとして指定できることを意味しています。

OPTIONS

--prefix パス

このオプションを付与した場合、 以下に挙げたgfsdに関連する複数のパスが 設定されます。 具体的には、以下の通りです。

gfsdのスプールディレクトリ: PREFIX/var/gfarm-spool

gfsdのPIDファイルを置くためのディレクトリ: PREFIX/var/run

• 設定ファイルが置かれたディレクトリ: PREFIX/etc

gfsdの起動/停止スクリプトが置かれた ディレクトリ: PREFIX/etc/init.d か、 PREFIX/rc.d/init.d/etc これはOSに依存します。

• ホスト上でsystemdが起動している場合に、特殊な例外が存在します。 そのホスト上で--prefixオプションとして空文字を指定する際、 config-gfsdはsystemdに ユニット設定ファイルを置きません。 その代わりに、PREFIX/etc/init.dに 旧形式の起動/停止スクリプトを置きます。

• セットアップを取り消すスクリプト unconfig-gfsd.sh: PREFIX/etc/unconfig-gfsd.sh

デフォルトでは""(空文字列)です。

-a アーキテクチャ

ホストのアーキテクチャを指定します。 config-gfsdは、 指定されたアーキテクチャをgfhost -c コマンドに-aオプションの引数 として渡します。デフォルトで、 config-gfsdはアーキテクチャを推測しそれを使用します。

-p ポート番号

gfsdが待ち受けるTCPポート番号を指定します。 デフォルトではプライベートモードの場合に10600、 それ以外では600が指定されます。

-h ホスト名

ホスト名を指定することができます。 config-gfsdは、 指定されたホスト名をgfhost -c コマンドに非オプションの引数として渡します。 デフォルトでは、DNS上におけるそのホストの完全修飾ドメイン名(FQDN)となります。

-l IPアドレス

gfsdの待ち受けるアドレスを指定すること ができます。 デフォルトでは、全てのローカルIPアドレスで待ち受けます。 オプションが指定された場合、以下に挙げた変更が生じます。

config-gfsdが起動/停止スクリプトを 作成する際、そのスクリプト名は、gfsd からgfsd-ADDRESSに変更されます。

config-gfsdがsystemdの設定ファイルを 作成する際、そのファイル名は、 gfsd.serviceから gfsd-ADDRESS.serviceに変更されます。

• スプールディレクトリは、 PREFIX/var/gfarm-spoolから PREFIX/var/gfarm-spool-ADDRESS に変更されます。 ただし、PREFIXは--prefixで指定された接頭辞です。

-n cpu数

ホストのCPU数を指定することができます。 config-gfsdは、 指定されたCPU数をgfhost -c コマンドに-nオプションの引数 として渡します。 デフォルトでは、 config-gfsdはCPU数を推測しその値を与えます。

--help

このコマンドの使用法を表示して、終了します。

-S

このオプションを付与した場合、 プライベートモードを有効にします。 config-gfsdは、 ルート権限なしで実行可能なGfarmファイルシステムをセットアップします。 具体的には、以下の通りに設定手順を変更します。

gfsdにおけるデフォルトの待ち受け ポート番号(-pに対応)が、600から10600に変更されます。

• %%SYSCONFDIR%%/gfarm2.confの代わりに、 %%SYSCONFDIR%%/gfsd.conf設定ファイル を更新します。

• gfhost -cコマンドを実行することにより、 ファイルスプールノードを登録します。

-Nオプションが付与されているかに関わらず、 gfsdを起動します。

-Sオプションは、起動/停止スクリプトや 設定ファイルの位置を決して変更しません。 これらのファイルのデフォルト位置は 通常では特権ユーザの場合のみ書き込み可能であるため、 config-gfsdはこれらのファイルの生成に 失敗してしまいます。この問題を回避するためには、 --prefixオプションを合わせて指定してください。

-N

このオプションを付与した場合、 gfsdを起動しません。

-f

このオプションを付与した場合、 強制的に存在しているセットアップを上書きします。

-t

このオプションを付与した場合、 人間が読みやすい形式で全ての設定パラメータの値を表示した後、 すぐに終了します。

-T

-tオプションと似ていますが、 設定値をKEY=VALUE形式で表示します。

FILES

%%SYSCONFDIR%%/gfarm2.conf

クライアント側のGfarmが参照する設定ファイル

%%SYSCONFDIR%%/gfsd.conf

gfsdが参照する設定ファイル (プライベートモードの場合のみ使用されます)

/etc/init.d/gfsd

gfsdが参照する起動/停止スクリプト ファイル

/etc/systemd/system/gfsd.service

systemdにより読み込まれる、 gfsdのユニット設定ファイル